KGB-PRE 3号機をHPにアップしました。
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TMD KGB-Pre 3号機
今回のKGBプリ3号機は遂に中も外も全て1から創った本来の意味でのスタートとなります。価格ランク的には以前のTMD Model-41 Preが定価41万でしたので1万円だけアップとなりました。しかしながらKGBケーブルが内蔵されているという意味では逆に安くなっているとも言えますね。
さて、この3号機、これまでの1号機や2号機と何がちがうのでしょう?一つはケースが違いますよね。オールアルミボディのリジットなケースです。ある種、ライカのカメラのような精密感が漂いますね。
中央に何やらスイッチらしきものがあり、これがデザインポイントになっていますが、実はこのスイッチは後で言いますが重要なポイントなのですね。
さて、前回、前々回と同じ様なことを言うのも退屈ですから今回の3号機では別の事も少し言いますと、そもそもTMDがプリアンプを作ったのは実はマイクプリアンプが最初でした。これはTMDの出自を既に知っておられる方には説明不要ですが、TMDの前身であるMD(ミュージックデザイン)時代は録音周辺機器を作っていました。その中で最もHIFI性能を要求されるのがマイクプリアンプでした。MD時代はマイク録音のためのプリアンプを数多く作りましたが、その時の経験が今に生きていると言えます。つまり目の前に原音がありありとある環境です。だからマイクプリアンプの使命はその原音を歪みなく増幅する事です。そこで得た様々なノウハウがオーディオ用プリアンプにも使われています。ただし、それだけではありません。TMDはKGB PREから新しい段階に入ったのです。それは個性ある音作りとも言えます。
録音されている音をそのまま出す事を是とするオーディオマニアの方は多いです。しかし、その録音現場の実情をよく知っているTMDとしては更にこう付け足します。それは「生の音というものはまずマイクの振動板から始まって様々な機器やケーブルで変化してしまいます」と、つまり録音された音には原音そのものはもう無いのです。
ある意味、この変化してしまった音を「それらしい音」に戻す作業がオーディオ技術とも言えるのです。
おわかりでしょうか? CDにもLP盤にも既に原音は入っていないのですから、如何にそれらしい肉迫したサウンドを取り戻すかがオーディオ技術なのです。これはマニアの方達も同様です。TMDが様々なケーブルを作っているのはお客様が望むサウンドを得る為の一助です。お客様の数だけ嗜好があるのです。
そしてKGB PREによってプリアンプそのものも個性ある音色を作る事ができるようになりました。これまでの世界中のアンプは個性というよりも個体差に近い程度の音色の差はあっても、特にハイエンド志向になってからはどのメーカーのプリアンプも似たような音の比べ合いになっていたのが実情です。こうした一群から飛び出したのがKGB PREです。
さてこのKGBプリ3号機の大きさは横幅32cm、高さ7.3cm、奥行26cmとなります。重さは3.4Kgです。非常に良くできたケースで肉厚のあるアルミニウムが梨地仕上げになっており重厚感があります。ケースは小型ですが持ってみるとずっしりと感じます。
KGBプリのフロント・パネルには二つのツマミがありますが、これが音量調節用の「可変ゲイン」のツマミです。LR独立しています。
KGBプリのリアパネルです。入力がRCA1系統、出力もRCA1系統の余分なものが一切無い仕様です。リアパネルに電源スイッチがあります。お薦めは電源は切らない事です。プリの場合、付けていても消費電力は僅かなものなので、いちいち消していると付けてから音が良くなるまで待つのは逆に時間の無駄です。付けっ放しをお薦めします。
今回のKGBプリは3号機という事で力が入っております。KGB PREも作れば作るほど経験値が増していく感覚がありますが、一つの節目がこの3号機かなと思います。
SOUND & TONE 2種類のテイスト

このKGB-PRE3号機ではプリアンプのトーン・モードを切り替える事ができます。これは、この3号機のみのスペシャルファンクションです。是非、お楽しみくださいませ。
LEDが赤の時 中域の熱いHOT MODE
前面のトグルスイッチが下側に向いている時は言わば熱いJAZZ、中域に魅力を持ったHOT MODEと云えます。例えばサクスフォンをこのモードで聴いてください、このモードの魅力がわかります。そしてボーカル、この人肌的な温度感は音楽を聴いて寛ぐ一時を至福の時間に致します。ALTEC等の中域に魅力を持つスピーカーなどと共通の魅力がこのモードにあります。
LEDが緑の時 KGB MODE
前面のトグルスイッチが上側に向いている時は正に KGBモードです。KGBとは「カーン」と響くスネアと「ゴリゴリ」と唸るBASS、そして「バシャーン」と炸裂するシンバルを表現します。この効果は内部に格納したKGB3のホット側部分によって得られています。音はCOOLな印象があります。つまりジャズを熱く聴きたい時もCOOLに聴きたい時もスイッチ一つで使い分けることができるという優れものなのです。
3号機に至って一つの完成を見ました。以前、寺島さんが著書の中でTMDのアンプの内部配線材について触れていますが、その時に「TMDはケーブルメーカーなのだからアンプの配線材などお手のものだろう」と書かれていましたが、今思いますとそれは、このKGB PREに至って漸くそのレベルに近づいてきたような気がするのです。