黒猫見聞録

本気か?それともウソなのか?THE SPUNKSの金髪バカ大将、ジーハーが一人よがりで物申す!!

「白い巨搭」を読んで。

2004-11-11 10:47:20 | Weblog
うぉぉぉぉ~!現在、手にしているのは山崎豊子著の『白い巨搭』(新潮文庫刊)のラストを飾る第5巻である。元来オレは「病院モノ」そして「ドラマの原作」は特に毛嫌いしていたのだが(・・・いや、『世界の中心で~』は大泣きに泣いたな。)この作品はさすが日本文学史に残るほどの面白さなのである。も~、寝る間も働く間も惜しんで「財前」と「里見」の一挙手一投足を追う毎日です。ちなみに新旧ドラマの方はまだ見ていないので、早速ビデオを借りに行く事にする。

この作品を読んで痛切に感じたのが権力”に目が眩んだ人間の醜さ。財力を手に入れ、名誉まで手にした人間は、どうして誰もが一度は持ちえたであろう善意・人間愛を忘れてしまうのか?こんなデタラメな俺でも、カネより愛の方が「真実」って事を知っている。(あ!カネで買える「愛」もこの世には存在するんですけど・・・でも、そんな愛は「真実の」愛じゃない。)こんな所で足踏みしていてもショウガナイので、俺の言う「真実」を知りたい人はソクラテスの「イデア」について勉強したまえ。

非加熱製剤によるHIV感染の問題とか、政界の汚職事件、献金問題・・・どの業界のお偉いさん達も、自分の立場・名誉・権威、そこから生まれる暴利を守る為に他人を蹴落とす事も解せず、かつては弱者であった自分の夢や理想もすっかり忘れて物事の「本質」をひた隠そうとする。この社会は資本主義であるから、財力や権力を手に入れる事は間違いじゃない。ただ、チカラを手に入れた人間はインヒューマニティというか、人道的でない事も平気でやってのける・・・そこが問題なのだ。

捕まった政治家もそうだけど、特に非加熱製剤問題で逮捕されたセンセイ方は、ただ牢獄に入れてないで「無償で」死ぬまで研究させておくべきだと思う。彼等が持っていた才能、知識(・・・名前忘れたけど、あの人はHIV研究の第一人者だったんだよね?)は、塀の中で無駄に眠らせておくべきじゃない。お金や権力も及ばない世界で、死ぬまで自分が担当した研究分野のために身を捧げる。その方がよっぽど社会の為になるし、本人にも「罰」になると思う。