『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

禍中日記 その4

2020-11-01 | Life(日常):書いとかないと、忘れちゃう

■某月某日「トーキョーブルース」

本格的な巣篭りの日々が始まった。
今、飲むべきビールはこれだろう。
TOKYO BLUESは、文久3年創業という石川酒造のクラフトビール。
小生はこの白いラベルのセッションエールをよく飲む。
ブルースは元々、米国南部のワークソングが発展して生まれたと言われるが、日本でブルースというと、どうしても一瞬淡谷のり子先生が脳裏をよぎってしまう。

■某月某日「季節外れの大雪」
寒ッ!
今日は朝から季節外れの大雪である。
昨日のあのポカポカ陽気は一体何だったのであろうか?
桜は満開だけど、今年は花見にも行けぬ。
でも、まあちょうど良いかもなぁとも思う。
よく考えたら桜を見るのに別に集まって酒を飲む必要はないもんね。
桜はアルコール抜きでも十分美しい。

■某月某日「入学式」

近くの小学校で入学式をやっている。
都内では中止の方向だったのだが、何でも昨夕になって急に文科省から通達が来て、開催できる事になったらしい。
(行政も、もうちょい早く連絡してあげられればね・・・)
校庭に児童用の椅子が出されている。
校庭で入学式を行うのは、開校以来初めてではないだろうか?
椅子の配置もしっかりソーシャル・ディスタンスが取られていて、先生方の昨晩から今朝にかけてのご苦労には頭が下がる。

■某月某日「テイクアウト・デイズ」

外食できないので、昼ご飯はよく家の近所の飲食店でテイクアウトをしている。
どの店も支援したい店ばかりだが、気のいいネパール人たちが営むカレー屋さんは特に守らなければならない。
今日はバターチキンと、ホウレン草と、マトンをオーダー。
我がちっぽけな厚意の発露として、財布に入れたままになっているサービス券の類は使わない。
ところが、カレーを待ってる間にいつもの店員が「まあ、座って、ラッシーでも飲んでけ」と。
これじゃ結局支援してるのやら、されてるのやら。

■某月某日「マーケティング・マネジメント/ 日沖健(産業能率大学出版部)」

コロナ禍でどこにも出られない間に、日ごろの勉強不足を補う。
マーケティングとはマーケットの変化に対応して、顧客に価値を提供する活動のこと。
この本を読むと「マーケティングは営業とか企画部門がやるもんでしょ?」という捉え方が前時代的な誤解だと分かる。
極論すればマーケティングは全社業務ということ。

■某月某日「オンライン環境強化」
かつては役員室に入って説明していたようなブリーフィングも、今は全部オンラインになっている。
そんな時に、今まさにプレゼン中の画面が急に固まったりすると心臓に悪い。
この際だから家の通信環境を強化する事にした。
一応、都内最速の光を引いたけど、こういうのって導入した日だけ「早っ」とか思っても、翌日には何の感動も無くなんのよね。

■某月某日「豆苗育つ」

一旦切って食した豆苗が、こんなに伸びてまた食べられる事を今年知った。
これ、あれですよ。
食べちゃった後の長さ2cmくらいから、もう一回25cmの長さまで育ったヤツです。
我が家ではこれを刈り取るイベントを収穫と呼んでおります。(3ターンくらいいける)
豆苗は中華スープとかに浮かべても、よく合いますね。

■某月某日「ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル/ 照屋華子・岡田恵子(東洋経済新報社)」

ビジネス書を読んだ時、一冊から少なくとも一つはお土産(知識)を持って帰ろうと思うんだけど、本書では、やはり『MECE(ミッシー)』の概念だと思う。
MECEとは「相互に重なりなく、漏れもない」こと。
例えば、誰かからプレゼンをしてもらってる時、一生懸命話してもらってるところ悪いんだけど、なんだかモゾモゾしたくなる時がある。
話に集中しようと思っても、どうにも集中できない。
別にオシッコがしたい訳ではない。
こんな時、なんで気持ちが悪いのかな?と振り返ると、相手のプレゼン内容がMECE(ミッシー)でないことが多い。
話の重複も勿論だけど、網羅性が確認できない話を聞かされている時が更にツラい。
かく言う小生も、プレゼンの時は気をつけよう。
筆者のお二人はそれぞれ伊勢丹、日本交通を経て同時期にマッキンゼーに入社。
そこで「エディティング」という仕事に出会った事が本書執筆のきっかけであったと書いている。
現在のマッキンゼーの東京とロンドンのチームの方々とは小生も少々お付き合いがあるけど、著者のお二人がマッキンゼーに居たのは、小生が社会人になるずっと前の時代。
時代が合えば、一緒にお仕事をする機会があったかも?と想像すると楽しい。

■某月某日「パパパスタ」

我が家では稀に小生の手料理が登場する。
料理は門外漢だが、イスタンブール在住時にちょいとは上達したのだった。
晩御飯向けのクオリティは出せないので、まあ、もっぱら昼飯だね。
この日はジェノベーゼのフジリ。
黒コショウをたっぷり降るのが夜間飛行風。
しかし、うちの小籠包(上の子)はバジルが苦手で「うえッ」と(笑)
そうだったね、ごめんね(笑)

■某月某日「休刊」

東京ウォーカーが休刊した。
1990年の創刊から数えてちょうど30年の節目であったらしい。
休刊とは言いながら、恐らく紙面で再刊される事は今後無く、事実上の廃刊だろう。
折からタウン情報は雑誌ではなくネットで見るようになっていた中でのステイホーム。
あらゆる面で創刊時とは環境が変わった。
個人的には30年間で一度もこの雑誌を買う事はなかったが、書店やコンビニに置いてあるこの雑誌の表紙を常に視線の端に見てきたように思う。
時代が変わりつつある中、進退に迷いつつも何とかそこに踏みとどまっていたところを、コロナがそっとその背中を押す。
良い悪いではなく、この東京ウォーカーの休刊に似たような光景を、色んなジャンルでこれから山ほど見る事になるのだろう。

■某月某日「吉野家」

吉野家ファンの方には大変恐縮だが、小生には吉野家に行く習慣がない。
牛丼をそんなに食べないという事もあるが、これまで立ち寄る事がなかった。
(余談だが、同じく「すき家」にも行ったことがない)
だけど、巣ごもり生活のささやかな楽しみであるご近所散歩をしてて、ふと「あ、吉野家でテイクアウトしてみようかな」と。
仕来たりがよく分からなかったが、なんとなくトッピングに生卵とネギを頼んでみた。
店員の方が本当に丁寧に、慎重に、テイクアウトを包んでくれるのが何とも印象的だった。
生卵のトッピングに至るまで一つずつ個包装で、細心の注意を払って。
(おそらく個包装はコロナ前からのデフォルトのサービスなんだと思うけど、良く知らないので小生には新鮮であった)
みんな頑張ってるよなぁ・・・。
結論として、牛丼は美味かった。

■某月某日「ハートブレイクな夜には Learning To Fly を聴こう」
Tom Petty And The Heartbreakers - Learning To Fly (Version 1)
2017年にサンタモニカで亡くなった Tom Petty の事をたまに考える。
66歳だった。
小生は Tom Petty の熱狂的ファンという訳ではないが『Leaning To Fly』という曲の、この盛り上がりそうで盛り上がらない、控えめなメロディ・ラインが好きだ。
もしあなたの気持ちが落ち込んでいた時に聴いても、決してジャマにはならないだろう。
『Learning To Fly』は Tom Petty and The Heartbreakers の8枚目のアルバム『Into The Great Wide Open』(1991)に収録されている。
まず、ハートブレイカーズというバンド名が秀逸ですよね、今更ながら。
「泥道に降り立って、一人で旅に出も出ますか」ってな感じで歌詞が始まるんだけど、この肩の力の抜け方。
これって、こういうコロナみたいな時期を過ごしていく上で、割と大事なスタンスかも新米(しんまい)。

■某月某日「ギネスの中の白い玉」

「あ!中に白いのが居る!」とパダワンが。
ん、それ良く気付いたね。
これはフローティング・ウィジェットって言って、ギネスビールの泡をスムースにしてくれる仕掛けだよ。
開栓した時にこのボールから窒素が放出されてきめ細か~い泡をつくるわけ。
小生は家でビールを飲むときは瓶ビール派だけど、ギネスに限ってはこのフローティング・ウィジェットによるきめ細かい泡が目当てで缶を買います。(瓶には入ってない)
「遊びた~い。このボール出してぇ」
うーん、そうか、そうなるよねぇ。
これ、缶切りでこじ開けないと出てこない構造なのよね。

■某月某日「鯛焼き」

年に一度くらいの頻度で、このペッタリした白い鯛焼きが食べたくなる。
これは冷蔵庫で冷やしてから食べる鯛焼き。
何とも形容しがたい、クッチャカ、ペッチャカした歯ごたえ。
中身はカスタードクリーム。
美味い。そして、次はまた1年後で良い。

■某月某日「嵐、去る」

「嵐、去る」と言っても、嵐が今年で活動を休止するという話ではない。
昨晩、春の嵐が来て猛威を振るい、そして去って行った。
今朝の空は晴れ渡り、川は限界まで増水している。
ビル群が取り残された島のように見える。

・・・結局4月までにコロナは収まらず、ゴールデンウイークは何処へも行けそうにないのだった。
じゃあ、このまま巣篭りだと覚悟を決める。
航空券をキャンセル。
予約してた宿にも電話でキャンセルを伝え、お詫びをした。
えーっと、何連休だっけ?
都内も出歩けないし、部屋にあふれてる本でも読んで過ごすかな?


<以下、渦中日記 その5につづく>

・禍中日記 その1
・禍中日記 その2
・禍中日記 その3
・禍中日記 その4
・禍中日記 その5
・禍中日記 その6


<熱帯雨林でお買い物>

 

 

 

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« The Beths のキュートな1stと... | トップ | 禍中日記 その5 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。