
『イーオン・フラックス』
”Æon Flux”
監督:カリン・クサマ
脚本:フィル・ハイ、マット・マンフレディ
2005年・米
++++
2011年、致死性のウィルスにより、人類の99%が死滅した。
へ?
2011年って・・・、今年ですっ!!
科学者トレヴァー・グッドチャイルドが開発したワクチンで生き残った人類、その数、僅か500万人。
この500万人の人類は、救世主の子孫グッドチャイルド一族の圧制的な管理化の下、汚染された外界と壁で隔てられた都市ブレーニャで暮らしていた。
しかし、ユートピアのように見えるその都市は、実は秘密と虚偽で成り立っていた。
その後、めちゃんこ時は流れ、2415年。
反政府組織「モニカン」の革命戦士イーオン・フラックスは、君主トレヴァー8世の暗殺指令を受ける。
一般市民の進入を禁じられたブレーニャ深部へと潜入する、フラックス。
しかし、その頃、都市深部では君主トレヴァーと政府幹部たちが仲間割れ。
トレヴァーが部下に投げつけた、空也のもなかのあんこ部分が便器に詰まり、ブレーニャ全体の下水が詰まり初めていた・・・。
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まず、某大手スーパーチェーンとは無関係であることを先に申し上げておく。
「すべてをあなたに」"That Thing You Do!"(1996)で出合って以降、シャーリーズ・セロンはずっとキライじゃないんだ。
(本作の制作時点では、まだギリ20代)
惚れた女は死ぬまで愛す。
だから、突っ込みどころ満載な本作についても、悪口は書かないからね、一切。
いやー、しかし相当な駄作だなぁ。(←)
ピーター・チョンによるMTV版では、毎回ヒロインが死亡するという画期的(?)なアニメだった訳だが、本作はそこまでエキセントリックじゃない。
いかにもMTV世代という、その映像美と、その悪い意味での映像の軽さは気になるが、まあ観てればすぐに慣れてくる。
問題はやはり物語自体がどうでもよすぎるという事だろう。
ところで、今回言いたいのは、トレヴァーを暗殺すべく、フラックスがブレーニャ深部へと侵入するシーン。
ここは格好よい。
まず、フラックスを援護するシサンドラというパートナー(女性戦士)の両手両足が全部「手」であることにもビックリしちゃうが、その事についての本人のコメントが
「便利よ」
の一言である事がすごい。
お前・・・、ちゃんと親御さんには言ったんだろうな・・・?
便利だからって、両足を「手」にしちゃったことを・・・。
とにかく、どういう訳か、政府側の防御システムが全部植物なわけ。
なんで?
なんで、植物?
わかんなーい。
変な果実がピスピスと刺を吐いてきたり、芝生が急にナイフみたいになったり。
色んなものがトゲトゲやイガイガで侵入者を攻撃してくる。
CGを駆使して描かれる植物 VS 人間(※)の闘い。
(※両足が手になってる人を人間と呼んで良いものか)
これを見たとき、俺は思った。
今なら・・・、
今ならブライアン・W・オールディスの名作『地球の長い午後』"Hothouse"(1962)を映像化できます、先生!!!
イーオン・フラックスのことは忘れよう。
たぶん、シャーリーズ・セロンも本作のことは忘れたいだろう。
全ては、オールディスの小説の映像化の機が熟したこと。
これに尽きる。
おっと、危なかった・・・!芝生が、急にナイフ状に・・・。
あれ?
っていうか、もしかして? 実は首長族でした的な?
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