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the morning star ~明けの明星~

日本でも世界でも子どもたちが安心して幸せに暮らせるように☆と願う活動主婦の日記。三原市の課題や三原応援情報を発信。

澤さんの講演

2012-02-04 06:50:02 | エネルギー
1月29日のみんなのエネルギー・環境会議を終えて、そのまま広島泊、
翌日午後は、ひろしま地球環境フォーラム主催の
澤昭裕さんの講演に参加させていただきました。

用事が早く終わったので、早めに会場に行って1階でお茶を飲みながら本を読んでいたのですが、
お金を払ってカフェの人とおしゃべりが弾んでしまい、ぎりぎりに。。。
澤さんと一緒にエレベーターで会場入りとなり(^^ゞ
前日のお礼が言えて、良かったです。

澤さんは、みんなのエネルギー・環境会議(meec)では、
原発推進派ということで登場しておられるわけですが、
本を読むと、共感することも多くて、きちんとお話を伺ってみたいなぁと思っていました。

講演はとても分かりやすく、とても勉強になりました。

まず澤さんの立場について、
前日のmeecの話もしてくださりつつ、
meecで、原発の賛成か反対かの2項対立をやめようと言いながらそれを続けている、
両端を原発推進と反・脱原発の軸があったら自分はその真ん中と
表を使ってお話を始められました。
そして、自然エネルギーについては、消極・困難と。

前日のmeecでは、エネルギーシフトに時間がかかるという説明とともに見せてくださった
1952年から2010年の、発電ソースそれぞれの発電電力量推移のグラフを、
どんどん経済成長していく中で電力量の確保がいちばんの課題だった80年代、
電力のコスト削減がいちばんの課題と考えられた90年代、
1997年の京都議定書批准をはじめ環境対策が重要になってきた2000年以降、
と丁寧に解説してくださいました。
その過程では、オイルショックやスリーマイル原発事故、国内の炭鉱事故などもあり、
単一電源に頼ることの危険性、
そして、経済活動がのびている(のびていく)中でCO2削減となると、
CO2を出さない電源、つまり原発か自然エネルギーかの選択となること、
などが、考慮されてきたポイント。

7月に向けて、現在見直しが行われているエネルギー基本計画ですが、
政府としてつくるからには「こうなるといいなあ」という期待値の計画ではダメなわけで、
どの電源を、どのタイミングで、どこに設置運用するのかという工程が必要、
原子力や火力はサイト計画があるが、再エネは今の段階では「気合い」。
ただ、サイト計画があるとは言え、
原子力も現状を考えると実現は厳しく、「期待」に過ぎないのではないか
とも言われていました。
そして、この計画を誰が担保するか、20年後責任をとるのは誰か、
ということになった場合、最終的には電力会社の供給義務となるわけで、
あやふやな計画には反対して当然でしょうと。
関連して、再エネも電力会社が自社で計画して、自社でやりやすいように作っていけば良いと
そんなこともおっしゃってました(^^)

政策としてエネルギーを考える上で、いちばん重要なのが「安定供給」。
その中のポイントとして、【量的確保】【経済性】【環境性】とあるわけですが、
これらすべてを同時に達成するのは困難ではないか、
何を重視するか、自分が大事だと思うポイントを実現するための具体案、計画を
それぞれ示していくことが、今、大事なのではないか、とのこと。

原発をとめて火力で代替した場合の燃料費のコスト増が3兆円。
今のところは政府が介入して電気代の値上げを認めていないけれども、
この先、電気料金をあげずに電力会社が赤字を抱えていくことになると、
株主が、経営改善のために原発の再稼働を求めると考えられるようです。

ただ、電力会社や原賠機構に融資をしている金融機関が、
回収見込みがたたず、引き揚げるような事態も考えられなくはなく、
アメリカでも実際そうだけれども、
日本で脱原発が進むとしたら、ファイナンスからではないか
とのことでした。

再エネの部分をはしょってしまいましたが(私が)、
澤さんの現在の暫定的結論として、
(1)当面、化石燃料へのシフトは不可避
    ⇒国際資源調達競争への備え
(2)エネルギー安全保障上、原子力は今後も選択肢として必要
    ⇒高経年炉問題、バックエンド問題が、クリアすべき必要条件
(3)再生可能エネルギーは、固定価格買取制度よりも、入札制度または技術開発支援へ
とまとめておられました。

私の疑問点として、終わってから1つだけ質問して教えていただいたのですが、
今のところは、石油・石炭・LNGが使えても、いずれ枯渇してしまうものなので、
長期的なエネルギー資源として何を考えておられるのかという点については、
掘削技術が進んでいて、まだ大丈夫であろうことと、
そちらの掘削が難しくなれば、価格が上がり、それで自然に再エネなどにシフトするのではないかと
そんな感じでした。


澤さんの講演の中で、
meec広島では、「命」を守るために脱原発と言われていたけれど、
自分の考える「命」は「生活」と。
これは、実は、私自身も模索中のところ。。。

meec広島第3部に登壇してくださった皆さんは、
自分で考え、感じ、強くしなやかに自分で生活をつくり築いている人たち。
命とは、生物として、遺伝子を次世代へ引き継いでいくことであり、
遺伝子そのものを傷つけてしまう放射能は絶対にあってはならないもの。
そして、生きるために絶対に必要な空気・水・土(食べ物)の安全が守られること。
それが命を守ること。

誰でもこんな生き方をできるんだよ、と思う一方で、
企業や行政など、社会の仕組みに守られて生きている、その守られ度の高い人もたくさんいて、
その人たちにとっては、社会の仕組みと命が密接につながっています。
その社会の仕組みを維持していくためには、今は経済成長が前提となっているし、
雇用の確保など、生活基盤をまず考える必要がある
ということも、とてもよく分かります。

放射能によって脅かされる命と、
生活基盤という意味での命と、
すべての生命が守られるようにと願いつつ、
まだまだ模索しながらもがいている感じですが、
がんばってまいります~~~(^^)





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