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婦人科女医からのアドバイスです

子宮がんについて(7)

2008年04月12日 | 子宮がん

 前回の続きです。子宮頚がんはHPVが原因でしたが、子宮体がんは女性ホルモンであるエストロゲンが原因なんです。エストロゲンが相対的に過剰な状態が続くと子宮内膜が厚くなり子宮内膜増殖症という疾患になりやすくなります。さらにその細胞の異型が強くなり、子宮体がんになると考えられています。

 相対的過剰状態というのはもう一つの女性ホルモンであるプロゲステロンに比べてエストロゲンが過剰になっている状態です。これは閉経後に更年期障害に対して、エストロゲン製剤のみを服用したりすると子宮体がんになりやすくなるので、プロゲステロン製剤も一緒に内服する理由です。その他肥満、糖尿病などの方も血中の遊離エストロゲンが増加するため、子宮体がんになりやすくなります。また閉経が遅い方も危険因子の一つです。

 子宮体がんは50~60才の閉経後の肥満や糖尿病のある方におこりやすいといえます。しかし前回もお話ししましたが、突然変異によっておこる体がんもあるので、必ずしも全ての方が同様ではありませんので注意してくださいね。このため予防としては、生活習慣病の予防と同様、肥満、メタボリックシンドロームにならないように食事療法や運動療法を日々行っていくことがまず重要です。生活習慣病は脳卒中や心筋梗塞になりやすいだけではないんですよ。

 さらに低用量ピルを服用していくことによって子宮体癌や卵巣癌の発生率が低下すると報告されています。月経痛がつらい方や避妊希望のある方はこういう利点からもピルを服用される方が増加しています。ピルは女性にとって非常に利点の多いお薬といえますね。(つづく)



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