儲かるメニューは有るのか?とか、どうすれば儲かるのか?という質問を、独立して間もない若手経
営者や起業志望の方に多く聞かれますが、なかなか難しいなあ、というかはっきり言って無いです。
儲かるメニューについては
書店に「儲かるメニュー・・・・・・」などと言う本が有りますが、その内容は、従来の品にちょこっと
手を加えただけであって、それで儲かったり・うけるのであれば、あっという間に一般的な品として
認知されてしまうと思われます。
鴨汁せいろは典型的な品かも知れません。南浦和一茶庵の先代店主の菊池氏が考案し、
一茶庵を介して、今や鴨汁せいろ・鴨せいろとして一般的な品になっています。
ローカルな品もかつて試したことのがあります。たとえば一例として、埼玉県加須市の
冷汁うどんです。味噌にすりごまを合わせてつゆで伸ばしたもので、その人気は加須市
では鴨汁と二分するほどですが当店ではダメでしたね~。
極少数のお客さんには異常にうけましたけど。
結局のところ、もり・かけそばに何かを、乗せたり・混ぜたり・加えたりがせいぜいであり、
それがうけたとしても、すぐにパクられるのが落ちです。あの手間がかかる大型かき揚げでさえ、
そんなに珍しくもないでしょ。
どうすれば儲かるのかについては
忙しいそうで儲かってますね、なんて言われる事がありますが、「何言ってんだよ」ですね。
一般的に、出前をしてご飯物もあるそば屋の材料比率は25%程度と云われますが、
当店では何と43%くらいかな。
自家製粉・手打ちは当然で、水は山梨県・塩や砂糖は指定・鰹節は製造指定・鴨は国産・
海老はサウジアラビア・いかは南米か?(揚げ比べた結果)・・・・・・・と自己満足なんですけど。
時折、この値段・この場所では難しいでしょう、と大手不動産会社・ビルのオーナーさんから
オファーを頂くことがありますが、「はい、そうですか。そうですね。OK!」てなわけいきませんよ。
価格競争では、コンビニ・ハンバーガー屋・ファミレスに自営業は勝てないし、「超高級弁当が
よく売れます」などと、メディアでありますが、1千人に一人くらいの人をどう集めるのじゃ。
はっきり言って、儲けようと思うのであれば、まず食の世界は難しいです。
この世界は本当に好きでないと続かないかなと思います。