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CRSとGDS

2004年10月24日 | おやじのための海外旅行講座
  CRSとは「Conputer Reservation System」の略ですが、これは航空座席以外にも、予約を統括するシステムにはなんにでも使われています。たとえば、ホテル、レンタカー、鉄道などもCRSと呼んでいます。航空のCRS会社は単一機能ではないという点で、現在ではGDS「Global Distribution Sysytem」(世界旅行流通システム)と呼ぶようになりました。ひとつの端末で、飛行機、ホテル、レンタカー、エンタテイメントなどの予約ができるようになってます。
 
  飛行機の予約は昔は電報で行われていました。その名残がコンピュータ化された今でも航空用語に残っています。たとえば航空会社の2レターコード、都市・空港の3レターコード、これらは電報を打つときに、いかに短い文字の組み合わせで正確にデータを伝えられるかで決められてきました。
  この規則があったため大きな譲歩をしたのはカナダです。カナダはIATAの本部をモントリオールに誘致する代わりに、都市コードで最も使われにくい、Yからはじめることを承知したのです。一番わかりにくいのはトロントのYYZでしょうか、想像がつかないコードです。いいコードはもっぱらアメリカで使われています。NYC、SFO、LAXなど、どこであるか見当がつきます。ヨーロッパもLON、ROM、PAR、FRAなどわかりやすくなっています。日本は大阪-OSA、福岡-FUK、以外はちょっと見当が付かないのが多くなっています。TYO-東京、SDJ-仙台、OKA-は岡山ではなく沖縄です。

  コンピュータ化されたのは1960年代終わりから航空需要が急激に増えてきたことで、人手では処理することができなくなり、機械化する必要性が生じたためです。そのときに航空会社が選んだメインフレーム(ホストコンピュータのシステム)により2つの系統ができました。ひとつはIBMでシステムを構築したもの、ひとつはユニシスで構築されたシステムで、ユーザス系と呼ばれています。この2つは操作方法がまったく違います。日本ではIBM系は日本航空の子会社アクセスが使用し、ユーザス系は全日空の予約システム「able」が使っています。
 
  1976年にアメリカン航空は「Sabre」を旅行会社に開放しました。<>最初はコンピュータ表示には自社が有利になるように上に表示されていましたが、1984年アメリカ航空当局がこれを禁止し、それに伴いCRS会社は航空会社から離れてゆき、独立法人化し現在に至っています。
  1978年に米国は航空の規制緩和を行いました。いわゆるデレギュレーションと呼ばれるものです。これにより進行航空会社の興隆、老舗航空会社の衰退が行われ、激しい競争が起こりました。その中でCRSは運賃検索機能の充実で航空会社の浮沈を左右しだしました。
  規制緩和により、アメリカでは運賃は届出制に変わり、航空各社は他社の運賃を出し抜こうと毎日毎日めまぐるしく運賃を変えました。その変動に追いつけるのはコンピュータを用いたシステムだけでした。端末をより多くの旅行会社に使用させ、より多くの運賃を表示できるシステムを持った航空会社、アメリカン航空とユナイテッド航空が最終的にメガキャリアとして残ったのです。
  予約のためのシステム会社が独立したため、CRS会社は航空会社とは別の動きをし始めています。たとえばルフトハンザですが、アライアンスではユナイテッド航空(アポロ)とのスターアライアンスですが、利用しているCRSはエールフランス、イベリア航空と共同で設立したアマデウスです。
 
  航空会社がアメリカ同時テロ以降の航空不況の中で、力を落としていくのに反しCRS会社は旅行会社などの裾野を広げ、勢力を拡大しています。今後は単に予約の代行をするシステムを貸し出すだけでなく、全体的なITシステムの販売に向かうものと思われます。

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