ふるさと!-秋田仙北平野を歩く-

ふるさと秋田の「仙北平野」をくまなく巡り歩き、その写真とエッセイを掲載します。

★2023年秋、銀杏並木と旧地主邸②

2023年11月17日 | 四季のたより

<「旧本郷家住宅」の奥座敷>

 (「銀杏並木」を見て)車に戻り、「県道266号」、「県道71号」と走り、「大仙市角間川町」に向かいました。「角間川町」の街部の地図です。


 
 「県道71号」を北上して「角間川町」の街に入り、県道から離れて、街のメイン通りをさらに北に少し行ったところに「旧本郷家住宅」があります。

 なお、「角間川町」については、「旧大曲市角間川を往く」(2018.10.28~)、「同角間川を往く―2」(2018.12.7~)で、街部を歩いた様子をブログに掲載しております。「旧本郷家住宅」は「角間川を往く」で記述しております(住宅内部には立ち寄らなかった)ので、興味のある方はご覧いただきたいと思います。

 ところで、地図上に「旧本郷家住宅」を矢印で指し示しましたが、地図をよく見ると、「旧本郷家住宅」の南隣にも大きな建物が2軒あるのがわかります。この2軒も大きな地主の住宅で、「本郷家」のすぐ南が「旧北島家」、その南が「旧荒川家」の住宅で、この一角に3軒の旧地主住宅が建ち並んでおります。

 さて、車で街中を北に進み、「旧荒川家住宅」向かい側にある駐車場に向かいます。駐車場には多くの車が停まっており、日曜日、「竜王戦」会場ということもあって、大勢の見学者が訪れておりました。
 車を降りて、通り向かいの「旧荒川家住宅」を望みます。

 「旧荒川家住宅」」の入口に「竜王戦」の幟と看板があり、さらに「旧本郷家住宅」の幟と入口・受付の案内があります。

 入口から中に入っていくと、右手に建つ「旧荒川家住宅」が3住宅の管理棟を兼ねており、そこで受付をして、庭伝いに「旧本郷家住宅」に向かうようになっておりました。

 「旧北島家住宅」です。

 手前が「旧荒川家」の住宅跡、奥の建物が「旧北島家住宅」です。昔はこうして隣同士で行き来はしなかったでしょうが・・。

 「北島家住宅」の前を通って「本郷家」の屋敷に入ります。

 左手、黒板塀奥の扉のところから「本郷家」の屋敷に入って来たところです。通りに面した「本郷家」の門(今は閉められている)と玄関(右奥)をつなぐのがこの通路です。

 正面の建物は、主屋と廊下でつながっている洋館です。

 左端の白い標柱には「国登録有形文化財 旧本郷家住宅」と書かれているほか、「明治天皇行在所跡」の表記もあります。

 「明治14年」(1881年)、「明治天皇」の東北御巡幸の際、「本郷家」に「天皇」の御所となる「行在所」が置かれ、巡行後まもなく「行在所」は解体された、と記されております。

 幟が立つ玄関に向かいます。

 重厚な造りの主屋です。丸屋根の玄関を入って左手が洋館、右手が主屋です。

 玄関を入って主屋に向かいます。

 広い土間は石畳になっております。上に吊り下げられている暖簾は「本郷家」の紋でしょうか。また、暖簾の下隅に、「∧」の下に「吉」と書かれたマークが見えます。「ヤマヨシ(キチ?)」が「本郷家」」の屋号だったのでしょう。

 住宅の平面図みると、正面左手が「客間」(その奥が「居間」)、右手が「中の間」で、右端、手すりのある上り台の奥は「帳場」とあります。時代劇で商家の番頭が帳簿を広げているような座卓と衝立が置かれていました。

 「中の間」、「帳場」の右手奥にも広い座敷が3つあります。「帳場」のところで靴を脱いで、その座敷に上がりました。北側の一番の奥が、庭に面した「奥座敷」です。

 ご覧のとおり、「奥座敷」が「竜王戦」の対局会場になる予定だったようです。対局がなくなって残念ですが、12月に「藤井竜王」が「大仙市」を訪れ、関連イベントに参加するとのことです。

 この後、「洋館」、「文庫蔵(内蔵)」、「味噌蔵」の中も見学し、「旧荒川家」にある受付に戻りました。

 受付の女性の話によると、かつては「旧本郷家」の北にもう2軒、合計5軒の地主の屋敷があったそうです。「雄物川」の川港として栄えた「角間川町」には、何人もの商人地主が誕生し、港近くに軒を並べていたようです。その中でも「本郷家」は一番大きい地主で、「明治」中期には、「高梨村(現大仙市高梨)」の池田家」、「秋田市の辻家」に次ぐ「秋田の三大地主」として当時の「大地主名鑑」に記されているそうです。

 「藤井竜王」は、「大仙市」を訪れるということですので、連れ合いは「聡太君の顔を生で見てみたい」と言い出すかもしれません。

(終わり)


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