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拘縮と強直

2006年10月25日 | Weblog
【拘縮の定義】

 拘縮とは各関節が他動的にも自動的にも可動域制限を起こす状態である。一般的に関節包と関節包外の関節構成体である軟部組織の変化によって起こる関節運動制限を拘縮と呼んでいる。病理的には、皮膚、皮下組織、筋膜、靱帯、関節包等が瘢痕化、または癒着したものと理解されている。一方、軟骨や骨など関節包内の構成体そのものに起因する関節運動の消失は、強直と呼ばれている。英語では「contract=収縮する」という動詞を抽象名詞化した「contracture」が用いられる。

(解説: 関節包について)
 関節包を解説する一般的な記載では、「関節包は内側を滑膜、外側を線維膜とする二層構造からなり、関節包の外側を補強するように靭帯が走行する(関節内靭帯は除く)」などと記載されている。国際的な用語の使用においても、 joint capsule(関節包)と synovial membrane(滑膜)とは明確に区別され使用されている。しかし、実際の肉眼的解剖においては、滑膜外層と関節包との境界、関節包外層と靭帯との境界は共に密なコラーゲン線維束であることから、明瞭に区別することはできない。



【拘縮の分類】

 拘縮の分類には、病変の存在する各軟部組織ごとの分類や先天性・後天性による分類、原因による分類などがある 5)。ここでは武富 2)が Halar, E. M.ら(Rehabilitation Medicine, 1988)の後天的拘縮の関節構成体別分類を一部改変したものを紹介する。以下の要素が単独または複合して存在するため、一部に強直に分類される要素も含む。

1、関節性
 1)軟骨損傷、関節の不適合性 (炎症、外傷、変形性関節疾患、感染)
 2)滑膜増殖、滲出 (炎症、pannus 形成、関節包肥厚)
 3)関節包線維症 (外傷、炎症、不動)

2、軟部組織性
 1)関節周囲軟部組織性 (外傷、炎症、不動、浮腫)
 2)皮膚、皮下組織 (外傷、熱傷、手術創、感染、強皮症)
 3)腱性と靱帯性 (腱炎、粘液包炎、靱帯損傷)

3、筋性
 A 内因性、構造性
  1)外傷 (出血、腫脹、不動)
  2)炎症 (筋炎、多発性筋炎)
  3)変性 (筋肉注射、筋ジストロフィー)
  4)虚血 (フォルクマン拘縮、糖尿病、末梢循環性疾患、不動)
 B 外因性
  1)痙性 (脳卒中、多発性硬化症、脊髄損傷、上位ニューロン性疾患、筋力不均衡)
  2)麻痺 (不良肢位、筋力不均衡、下位ニューロン性疾患)
  3)力学的 (臥床位・椅坐位での不良肢位、縮まった不良肢位での不動)
 C 混合因子性



http://jpc.vis.ne.jp/ORTHO/contracture/contracture.html





拘縮は、筋肉、腱、靱帯、皮膚の恒久的な硬化であり、これによって患部の正常な運動が不可能になります。患部に恒久的な変形が起こることもあります。

http://www.kirishimacho.com/HouseCall/encyc/1/75/76_0_0_0.html





A.教科書的には、関節の可動域制限の原因が関節包外の筋肉・靱帯・神経・血管・皮下組織・皮膚等の組織の変化に起因するものを「拘縮」といい、関節包内の関節軟骨・関節包・骨・関節内靱帯等の組織に起因するものを「強直」という。

http://blog.livedoor.jp/pt_onuki/archives/27625267.html





関節内構成体:関節包、関節内靱帯、半月版、軟骨、骨
関節外構成体:筋、腱、関節外靱帯、皮膚、皮下組織