Daily Note

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マイオセラピー

2006年10月27日 | Weblog
1.マイオセラピー(Myotherapy®)とは?

 マイオセラピーのマイオ(myo)は「筋」で,セラピー(therapy)は「治療」という意味です.

 マイオセラピーが治療する筋は「筋硬結」と呼ばれる異常な筋です.この「筋硬結」は,一般には,肩こりなどの「こり」とも呼ばれています.この「こり」は「神経の障害」が原因で起こると考えています.

 これから,説明を進めていきますが,端的に言えば,マイオセラピーは,「神経の障害による硬くて痛い筋を専用のバイブレーターを用いて奥深く緩め,背骨の周りの血液循環を改善させ,その神経の異常を回復させる振動を利用した物理療法です.」

 筋硬結を含む筋は全体が短縮し,しこりがあり,押すと痛い部位があり,全体にむくみ(浮腫)がある.正常な筋では,しこりや痛い部分などがなく,収縮させたり,引き伸ばしたりしても突っ張った感じや痛みを感じることはない.また,正常な短縮していない筋は体の柔軟性を妨げることはないが,筋硬結を含む筋が多くなると体が硬く感じることになる.



2. マイオセラピーの対象症状は?

マイオセラピーの効果が期待できる症状などには以下のものがあります.

(1) 整形疾患・・・痛み(例えば:あごの痛み(顎関節症),首痛,首こり,肩痛(五十肩),肩こり,背部痛,肘痛(テニス肘 やゴルフ肘など),手・指痛(手根管症候群),腰痛(ぎっくり腰,椎間板ヘルニア,臀部痛,股関節痛,坐骨神経痛,膝痛など), 可動制限(例えば:腕が上がらない),側彎,手首の腱鞘炎,手指のしびれ, こわばり,突き指,ばね指,繰り返す足首の捻挫,骨折癒合後の不調,うち身 (打撲)など

(2) 婦人科疾患・・・生理痛,生理不順,逆子,など

(3) 胃腸科疾患・・・胃腸の不調,便秘,慢性下痢,膨満感,胃のむかつき,など

(4) 循環器疾患・・・冷え性,むくみ,不整脈,原因不明の高血圧,など

(5) 呼吸器疾患・・・喘息,息苦しさ,など

(6) 泌尿器科疾患・・・頻尿,尿漏れ,夜尿症,尿閉気味,膀胱炎,など

(7) 眼科疾患・・・眼精疲労,仮性近視,など

(8) 耳鼻咽喉科疾患・・・耳鳴り,気圧の変化による耳の奥の痛み,慢性鼻炎,喉に何かがつまっている感覚がある,飲み込みにくい,飲食物をむせる,メニエール症状,など

(9) 皮膚科疾患・・・皮膚の荒れ(肌荒れ),踵の皮膚がかさかさになって割れる(皮膚の硬化・肥厚),脱毛,虫喰われ・やけど・湿疹などの皮膚の傷害部位が長期間治りにくい,など),皮膚の黒ずみ,など

(10) 肛門科疾患・・・痔疾,など

(11) 神経科疾患・・・頭痛,顔面痛,など

(12) 精神科疾患・・・うつ,自律神経失調症,など

(13) その他

 以上の症状などは,神経障害の部位や程度により,単独に出現したり,複数で出現したりします.一般に,若年者であれば,単独な症状が現れることがありますが,30歳代以降では複数の症状が同時に現れます.



3.神経障害(ニューロパシー Neuropathy)とは?

 以上の症状の原因となる神経障害はどこで,どのようにして起こるのでしょうか?

 脊髄を離れる末梢神経には,感覚神経,運動神経および自律神経があります.それら3種の神経は背骨(脊柱)の一つ一つの脊椎と脊椎との狭い間(椎間孔)を通り,筋(運動神経によって)や皮膚(感覚神経によって),あるいは血管や内臓(自律神経によって)に行きます.それらの神経が椎間孔を抜ける神経の部分は「神経根」と呼ばれます.それら3種の神経は合わさって神経根となって,椎間孔を通るため,その神経根が椎間孔で挟まれたり,炎症が起こったりして障害されると,運動神経,感覚神経および自律神経が障害されます.これを「神経根障害(ラディキュロパシー)」と言います.よって,神経根障害では,その障害程度や障害場所により,運動神経,感覚神経および自律神経の症状が,単独に,または複合して現れます(対象症状参照).

 この椎間孔を通る神経根は,障害に対して構造的に弱いため,神経根障害が容易に起こると考えられています.例えば,交通事故などによる「いわゆるむち打ち症」時や階段から滑り落ちたときなどの「腰の捻挫」,スポーツ時などの背部(背骨)の「打撲」時などにより,神経根障害が起こります.また,四肢の骨折や関節傷害,あるいは胃腸や肝臓などの内臓疾患により反射的に脊柱に付着する一部の筋が収縮・短縮し,その筋の短縮が慢性化すると椎間孔を通る神経根の動きを制限することとなります.このことは神経根障害の可能性を極端に増すことになります.



4. 神経根障害(ラディキュロパシー Radiculopathy)とは?

 神経根障害では,運動神経,感覚神経および自律神経の障害がそれぞれ単独に,あるいは複合して現れます.


(1) 運動神経が障害されますと,その神経が支配している骨格筋に「筋硬結(こり)」が起こります.

(2) 感覚神経が障害されますと,その神経が支配している領域の皮膚などの感覚が過敏になったり,慢性化すると鈍くなったりします.さらに,「痛み」や「しびれ」などの異常感覚も出現します.また,脱毛や皮膚のむくみ,皮膚の荒れや黒ずみ,などの栄養障害も起こします.

(3) 自律神経が障害されますと,その障害された神経が支配している血管や内蔵(心臓,食道,気管支,気管,胃腸,膀胱,子宮)の平滑筋と心筋が短縮するので,それらの臓器の機能が異常になります.それらには,「手足が冷えたり」,「足腰が重くなったり」,「不整脈が出現したり」,「便秘になったり」,と多種多様な症状が起こります(対象症状参照).



5.神経根障害(ラディキュロパシー)の原因は?

 この神経根障害(ラディキュロパシー)の原因は,神経根に外力が加わることや椎間孔が狭くなること(狭小化)などです.背骨に付いている筋にも「筋硬結」が起こります.その凝った筋(筋硬結)がそれぞれの脊椎を近づけ,さらに椎間孔を狭くします.それがさらに神経を障害することとなります.その神経の障害はさらに新たな「筋硬結」をつくることになり,ここに“神経障害⇒筋硬結⇒さらなる神経障害⇒さらなる筋硬結”の「悪循環」が生まれます.さらに神経根,特に感覚神経の細胞体が集まっている部分(後根神経節)での炎症によるむくみ(浮腫)が発生し,神経根の自由な可動性を制限します.このような「悪循環」は,体をだんだんと硬くしますし,感覚の障害や自律神経の障害もさらに悪くします.この「悪循環」が長期にわたり続くと,コラーゲンの代謝回転が低下するなどのため関節軟骨が減ったり,骨が変形したりします.原因不明(本態性)の高血圧も起こります.また,脊柱筋の短縮により椎間板の内圧が高くなり,椎間板ヘルニアなどの椎間板障害の可能性を増す.



6.マイオセラピーの治療効果は?

 マイオセラピーは脊柱に付着する筋の「筋硬結」を取り去り,筋をリラックスさせ,筋の長さを伸ばします.椎間孔やその周辺の組織の動き(可動性)が改善し,圧迫を受けていた血管などの循環が正常化します.その結果,機能が低下してした神経が正常な状態に回復します.そして,その神経の機能異常で生じていた症状が軽くなったり,無くなったりします.症状に対する「対症療法」では,一時的に症状が軽くなることがあっても,完治することはありませんが,マイオセラピーはそれらの症状の原因を取り除く「根治療法」です.脊柱の「筋硬結」が取り除かれ,神経の機能が回復しますと,対象症状(「2.マイオセラピーの対象症状は?」参照)が軽減・消失します.例えば,痛みやしびれなどの感覚の異常がなくなります.また,肩や腰などの「こり」も完全になくなります.さらに,コラーゲンの代謝回転が改善するため,皮膚や骨などの若返りがおこります.



7.治療間隔は?

 マイオセラピーは短縮した筋(筋硬結)を引き伸ばし,その筋をリラックスさせるとともに,その局所の血液循環を増大させるために,神経ペプチドなどの神経物質の分泌を促進させます.その神経が分泌する神経ペプチドなどは血管を拡張させること(神経性炎症反応)により血液循環が増大します.この神経性炎症反応が完了するのに約10日間が必要です(図5).この間に新たな治療を行い神経性炎症反応を起こすと,その反応が完了することはありません.また,治癒プロセスの一つにコラーゲンの分泌があります.これは組織損傷を修復するために起こる反応であり,コラーゲンの強度が70~80%に達するのには約1ヶ月間かかります(図5).この間に,効果的な刺激を与えると,コラーゲンが弱いまま残存し,組織の傷が治らないことになります.よって,効果的な治療を行うのは治療開始時においては約1ヶ月(4~6週間)に1回の治療が最適であると考えられます.その後筋硬結の状態や症状により,治療間隔を8週間や12週間へと延ばしていきます.



8.治療法は?

 マイオセラピーでは,治療法として,マッサージなどの徒手による療法では緩まない「筋硬結」に対して特殊なバイブレータを用います.この自社と製造会社とで共同開発したバイブレータはマイオバイブ(MyoVib®,商標登録第4572571号,特許申請中)と呼び,低周波数(約20Hz)で,大きい振幅で使用しています.

 通常,マイオセラピーの治療対象である「筋硬結」は深部に存在することが多く,皮下の筋表面にある場合には,深部までその筋全体に「筋硬結」が存在している可能性の高いことが想像されます.これらの短縮した「筋硬結」を弛緩させ,伸長させるためにかかる1回の治療時間は最短でも45分間程度かかります.例えば,慢性の腰痛症のための腰椎および仙椎の治療時間は左右で60分程度が必要となります.



9.治療部位は?

 マイオセラピーの対象疾患である神経根障害は脊柱で起こり,脊柱に付着する筋の短縮(筋硬結)により増悪します.よって,その症状が頭や顔,あるいは四肢(上肢や下肢など)であっても,その原因は脊柱にあるので,治療は背中のみになります.具体的には,第1胸椎から第4仙椎までの背骨の突起から左右に約2~3cmの範囲で十分となります.首,上・下肢および胸や腹への治療は不要です.治療部位は脊柱の中心に位置している棘突起から横突起との間にある多裂筋や回旋筋です.





http://www.myotherapy.jp/j/about_myotherapy.html

1 コメント

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Unknown ()
2006-10-28 01:56:49
分かる??また今度説明します。
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