彼の声。
彼の目。
彼の髪。
なにもかもが大切で、それらを守るためならわたしは世界が滅んでもかまわなかった。天秤の右側に加地君を載せ、左側に世界を載せたら、カタンと右側に傾いただろう。なんの迷いもなく傾いただろう。
流れ星が消えないうちに/橋本紡 -第三章 彼と父親-
以前から友人に勧められていた本。あらすじを読んだ時からなんだか悲しくて手をつけられなかったれけど、今回読んでみることにしました。
以下ネタバレになります。
今読み終わった直後なんですが… ものすごくドキドキしています。後からじんわりやってくる涙。とっても穏やかな気持ちになります、だけど、ほんの少し、確実に、前向きな気持ち。
本作品には、色々な思いが込められています。単なる愛する人の死の物語ではありません。友情だったり、家族だったり、夢だったり、一緒に生きていくこと、思い出、涙も希望も、全部この本に詰まっています。
最初、奈緒子よく巧君と付き合えたなと思ったんです。加地君のことをお互いに覚えている関係って、余計に辛くないかなって。でも、読み終わった後、奈緒子は巧君とじゃなきゃ、付き合えなかったんだと思うようになりました。加地君との思い出を、同じように大切にしてくれる人じゃなきゃダメだったんだ。
巧君の考え方がすごく好きだった。左手には加地君、右手には奈緒子。三人だけのフォークダンス。
巧君はすごい。死んだ人には勝てないってこと、ちゃんと理解してる。理解した上で、加地君を抱えてる奈緒子をまるごと包み込もうとしてる。加地君を毎日思い出しながら、加地君から奈緒子を奪ったと思いながら、それでも三人で一緒に生きようとしている。
家族の物語も良かった。家族だから伝わらない。家族だからあいまい。すごく分かる気がする。「年を取るっていいね。」うん、そう思う。大人になったからって、親になったからって、完璧になれるわけじゃない。誰もがみんな不完全な存在。こういう大人にはなりたくないっていう反面教師みたいな露骨な感情じゃなくて、ただ、大人も不完全なんだって認められるの。認められるだけ、私は年を取ったの。年を取るって、いいね。
私自身、今息詰まってしまっていて。もちろん、恋人が亡くなったとか、そんな大それた話じゃありません。でも、悲しみの重さは測れない。今日もこの本を読むだけで一日が終わってしまいました。
けれど、加地君は言ってた。考えてばかりじゃ駄目だって。動いてこそ、見えてくるものがあるんだって。状況は変わらないかもしれないけど、それを見る目が変わるかもしれないって。その言葉を、巧君が、奈緒子が、お父さんが、信じて今も一歩を踏み出し続けている。
私も行動してみようかな。じっと本を読んでいるだけじゃなくて。
全然うまくいかない就職活動も、ずっと連絡をとっていない別れてしまった片思いのあの人にも。
状況は変わらなくても、それを見る目は変わるかもしれない。
私、バイブルにしている本があって。それは例えば、白岩玄著『愛について』だったり、有川浩著『レインツリーの国』だったり、辻村深月著『子どもたちは夜と遊ぶ』だったり。本作品は私のバイブルのひとつになってくれそうです。後何冊そういう本に出会えるでしょうか?それを思うと、少し人生が楽しく思える今日この頃です。
彼の目。
彼の髪。
なにもかもが大切で、それらを守るためならわたしは世界が滅んでもかまわなかった。天秤の右側に加地君を載せ、左側に世界を載せたら、カタンと右側に傾いただろう。なんの迷いもなく傾いただろう。
流れ星が消えないうちに/橋本紡 -第三章 彼と父親-
以前から友人に勧められていた本。あらすじを読んだ時からなんだか悲しくて手をつけられなかったれけど、今回読んでみることにしました。
以下ネタバレになります。
今読み終わった直後なんですが… ものすごくドキドキしています。後からじんわりやってくる涙。とっても穏やかな気持ちになります、だけど、ほんの少し、確実に、前向きな気持ち。
本作品には、色々な思いが込められています。単なる愛する人の死の物語ではありません。友情だったり、家族だったり、夢だったり、一緒に生きていくこと、思い出、涙も希望も、全部この本に詰まっています。
最初、奈緒子よく巧君と付き合えたなと思ったんです。加地君のことをお互いに覚えている関係って、余計に辛くないかなって。でも、読み終わった後、奈緒子は巧君とじゃなきゃ、付き合えなかったんだと思うようになりました。加地君との思い出を、同じように大切にしてくれる人じゃなきゃダメだったんだ。
巧君の考え方がすごく好きだった。左手には加地君、右手には奈緒子。三人だけのフォークダンス。
巧君はすごい。死んだ人には勝てないってこと、ちゃんと理解してる。理解した上で、加地君を抱えてる奈緒子をまるごと包み込もうとしてる。加地君を毎日思い出しながら、加地君から奈緒子を奪ったと思いながら、それでも三人で一緒に生きようとしている。
家族の物語も良かった。家族だから伝わらない。家族だからあいまい。すごく分かる気がする。「年を取るっていいね。」うん、そう思う。大人になったからって、親になったからって、完璧になれるわけじゃない。誰もがみんな不完全な存在。こういう大人にはなりたくないっていう反面教師みたいな露骨な感情じゃなくて、ただ、大人も不完全なんだって認められるの。認められるだけ、私は年を取ったの。年を取るって、いいね。
私自身、今息詰まってしまっていて。もちろん、恋人が亡くなったとか、そんな大それた話じゃありません。でも、悲しみの重さは測れない。今日もこの本を読むだけで一日が終わってしまいました。
けれど、加地君は言ってた。考えてばかりじゃ駄目だって。動いてこそ、見えてくるものがあるんだって。状況は変わらないかもしれないけど、それを見る目が変わるかもしれないって。その言葉を、巧君が、奈緒子が、お父さんが、信じて今も一歩を踏み出し続けている。
私も行動してみようかな。じっと本を読んでいるだけじゃなくて。
全然うまくいかない就職活動も、ずっと連絡をとっていない別れてしまった片思いのあの人にも。
状況は変わらなくても、それを見る目は変わるかもしれない。
私、バイブルにしている本があって。それは例えば、白岩玄著『愛について』だったり、有川浩著『レインツリーの国』だったり、辻村深月著『子どもたちは夜と遊ぶ』だったり。本作品は私のバイブルのひとつになってくれそうです。後何冊そういう本に出会えるでしょうか?それを思うと、少し人生が楽しく思える今日この頃です。
読んだ本の感想をつらつら書いているだけなのですが… 少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。これからもおヒマでしたらコメントください!待ってます(*^^*)
巧君の考え方いいですよね!本当かっこいいです!周りにいなかなーなんて(笑)
私この感想凄く好きです!上からですいません(´-ω-`)でもこの感想読んでなんだかこの本もう一度読みたい気持ちになりました!
本当に大好きな本なので、その思いを共有できて嬉しい!
ちなみに私はあれから行動を起こしました。状況は一つ変わりました、もう一つは変わりませんでした。でも、加地くんが言ってたみたいに、それを見る目は変わりました(^-^)/
巧くんの考え方、書いてらしてる通り、すごく素敵だと僕も思います。女性の考えそのものを包み込むような考え方は男性である以上僕もできるようにならなければいけないと思っています。
この小説で好きなところは、良い人だけが出てこないというところです。奈緒子さんを悪く言う人達と巧くんが衝突する場面が印象に残っています。
僕は学生時代かなり人付き合いで悩んでいました。今は社会人3年目ですが、学生時代と変わらず、やっぱり汚い人、ズルをする人は世の中には少なからずいるようです。
ただ、その中でも夢を持って行動する人、人を大事にする人、夢を諦めても何とか楽しくやっていこうとする人達をみて、僕は僕なりに夢を追いかけて、人を大切にする人でありたいと今は考えています。
この本を読んで「私も行動してみようかな」と思うdelightさんも頑張る人なんだろうなと感じました。
この感想を書いてからかなり時間が経っていますが、当時いろいろな思いがかなりdelightさんにあったのかと思います。
delightさんの感想文、すごく素敵です。
この本の事を誰かと共有したくて検索してたらたどり着いたのでコメントを書いてみました。
レインツリーの国をバイブルとしているところもコメントのしやすさがありました。つい先日読み終えたんですけど、こちらも本当に良い小説でした。
「私が書きたかったのは『障害者の話』ではなく、『恋の話』です。」という作者の言葉が最高に僕は好きです。
こんな風に素敵で誠実なコメントを頂けたこと、嬉しく思います。
巧くんは人の心を包み込む強さを持っている本当に優しい男性ですよね。巧くんほど懐の深い人、現実に存在するのかな、と思っていたのですが、よしさんのコメントを読んだら少し気が変わりました。よしさんが巧くんのような優しい人かもしれないですもんね。
私は現在社会人2年目ですが、元々人との距離の取り方が苦手なためか、色々と悩まされています。ただ、私もよしさんと同じで、この人だけは守りたい、と思う人たちが何人かいます。それは多分、他の人と比べたら、数少ない人数だと思うけれど… そういう人たちのことは、絶対、味方でありたいと思うんです。
行動しようと思って読み終えたのが2年前、もう一度読み直したのがちょうど1年前くらいのことです。そして今、あの頃とは全く違う環境で、また思い悩んで立ち止まってる私がいます。
あの頃、加地くんの言葉に、巧くんの愛に、奈緒子の強さに励まされて、泣くほど辛い日々をなんとか乗り越えた。なのに私はまた、同じことを繰り返しています。
あの時、私に勇気をくれた本。よしさんのコメントをきっかけに、もう一度読んでみようかなと思います。そしたらきっと、結果は変わらなくても、変わらないのは分かってるけど、それを見る目は変わるかもしれない。
よしさんのコメントを読んで思いました。よしさんも、「頑張る人」なんだと思います。ひそかによしさんのこと、応援しています。
おせっかいかなと思ってレスを書くか迷ってたんですが、「応援しています。」と書いてもらったのが嬉しかったので、返事を書かさせて頂きました。
もしかしたら、delightさんは今すごく辛い状況にいるのかもしれませんね。
一つの物事に対して、時間は経ったけれども受け入れられない、納得がいかずモヤモヤしている…といった状況でしょうか。
辛いことなんて起こらなければいいと考えたこともありますが、どうも現実はそのように流れてはいかないみたいです。
僕自身、最近本当に辛いことがありました。休みの日はただ寝てるだけで何もできない日もあったくらいです。
ただ、僕は前に進むことにしました。
何が悪かったのか考えても、解決しないと気付いたからです。もう起こってしまった出来事で、結果を出されてしまっていたから。
僕はdelightさんが何で苦しんでるか分かりませんが、その物事を受け入れようとしていることは文章で分かりました。本を読んだら確かに「見る目」は変わるかもしれませんね。
あと、立ち止まる事は悪い事じゃないと思いますよ。それだけ辛かった出来事だったんだと思います。それを乗り越えて進む事ができた時は、delightさんが人間的に大きくなった時なんでしょうね。立ち止まったり転んじゃったりした時は、ジャンプの前に屈んでるのと同じだって、僕は考えられるようになりました。
本当に辛い出来事に対しては、自分が答えを出せないと気持ち悪いし、ずっとその事で悩むものなのかもしれません。
僕は辛い時、信頼する人に相談をするようにしています。悩みをわかってくれる人がいるというだけで、自分がずいぶん楽になると経験則で、わかったからです。
delightさんの気持ちが早く楽になればいいなと思います。