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世界中から熱苦しく・・・「ふじもん世界放学ブログ」

元「変な学校先生」私ふじもんが、ただ今世界を駆け巡っています!世界の今と僕の魂をお届けしますので、ぜひお読み下さ~い!

ふじもん世界一周「放学記」第7章アジア編 「俺達は中毒者」ネット依存の旅人たちへ。

2014-05-29 07:00:20 | 日記
2014年5月28日。

「Oh,you are internet junkey!」イランのある街の宿で、イラン人にこう言われた。そこには少しの皮肉も込められて・・・。でも僕は思う、それは「事実」だ。》

ここはイランの観光都市の1つ、ヤズド。郊外には一面の砂漠が広がり街中にはそこかしこにマスジェデ(イスラム寺院)が建ち並ぶ、ある意味ではとても「イランっぽい」街の1つだ。


僕はその日、他の日本人3名と行動を共にしていた。

※この街のメロンがまた美味いんだな~!


彼らとの付き合いは長い。グルジアで出会った僕らはこれまでずっと一緒に行動しており、アルメニアからイランへと一緒に渡ってきたのだ。

僕たちはある宿に部屋を取った。イランの伝統的家屋を改造したその宿は、バックパッカーの僕らとしては少し高めの宿である。しかし4人いる僕らは4人部屋をシェア出来るので、比較的安い値段で宿を取ることが出来た。



※ヤズドの宿「KOHAN HOTEL」(地球の歩き方に出ています。)
・ドミトリーで300,000レアル(約9ドル)。
・Wi-Fiはあるけど、ちょっとスピード遅し。
・スタッフはとてもいい感じ。何をお願いしても笑顔で対応してくれます。
・部屋やトイレは清潔。その点は問題ありません。
・ブッフェ形式の朝食はなかなかgood!チャーイも1日中飲み放題ですよ~!


※屋上からの景色もなかなかですよ~!


僕はある1人の日本人仲間とパソコンをいじるために共用スペースに行った。そこには常にたくさんのテーブルが設置されており、24時間飲み放題のチャーイ(お茶のこと)も置かれ、綺麗な中庭にも面している、のんびりするには最適な場所であった。


僕はそこで、ある日本人の友人と一緒にパソコンをいじっていた。


そこにある1人のイラン人(たぶん)がやって来た。そして向かい合いながら黙々とパソコンをいじっている僕らに向かって、こう言った。

「Oh,you are internet junkey!Hahaha!」

そこに悪気は感じられなかった。そして僕は、何かを言い返す気もなかった。

だって、それは事実だと思うから。


このホテルのWi-Fiの調子はイマイチで、共用スペースではインターネットへの接続が出来なかった。そこで仕方なく僕はインターネットへの接続が可能なフロント前まで移動することにした。

その途中、先ほどと同じおっちゃんが、パソコンを片手にそそくさと歩いている僕を見て、またこう声を掛けてきた。

「日本人や中国人や韓国人はいつもパソコンをいじっているよね。君たちはまるでインターネットジャンキーだよ!」


否定する気はなかった。

だって、それは事実だと思うから。


僕は一歩退いて、そんな「internet junkey」の自分たちを冷静に見つめてみた。


滑稽だよ、きっと僕たちは滑稽!


せっかく旅に来ているのに、何時間も宿に籠ってカタカタ・・・。そりゃ「何しに来ているの?」って感じになるわ!

そうだよな、冷静に考えてみたら、アホな姿だよな・・・。


今、ほとんどの旅人(に限ったわけではないですが)がフェイスブック等のソーシャルネットワーキングを利用しているし、旅に関するブログを書いてたりもしている。

フェイスブックに何かを投稿したり他の人の投稿を見たり、そして自らのブログを作成しようとすると、何時間もの時間を要する。当然、無言で黙々とパソコンと向き合う時間が生まれてしまう。

次に向かう国や街や、あるいは観光地のことを調べようとする。そこでインターネットでちょいちょいと検索すれば、膨大な量の情報が溢れてくる。それを色々と調べてみるのだから、当然、無言で黙々とパソコンと向き合う時間が生まれてしまう。


昔の旅は、きっとそんなんじゃなかった。


不確かな地図だけだったのかもしれない。数枚の写真しかなかったのかもしれない。でもそんな中で街に辿り着いた旅人は、きっと逞しく地元の人とコミュニケーションを取りながら、その日の宿を探していたのだろう。

※HOTEL KOHAN の中庭。ちょっと蚊が多いですけど、快適で美しい庭ですよ~!



僕はテヘランの安宿で「老年バックパッカー」のあるお2人に出会った。


40年以上前にイランに来たことがあるとその方々はお話して下さったのだが・・・

僕にはその当時の旅と言うものが、想像つかなかった。

「とにかく何も情報がないんだよ。」と、笑ってお話をして下さったのだが、その「情報がない」と言う状況が、今の僕たちには想像がつかないのだ。


僕たちは、もしかしたら旅なんてしていないのかもしれない。

ただの「旅ごっこ」をしているだけなのかもしれない。

予め調べ尽くされた宿情報、正確な街の地図、世界中どこに居ても自分の居場所が分かってしまうGPS、写真たっぷりに調べられてしまう世界中の観光地、色々な人が書いている旅ブログ、どこかの場所を調べたけりゃグーグルマップ、誰かの居場所やその場の感想などがリアルタイムに分かってしまうフェイスブックやツイッター・・・。

こんな「情報氾濫世界」の中で、僕たちは旅をしている。


インターネットは確かに便利だ。正直に言えば、その情報は本当に有り難い。それがあるからこそ、僕たちは旅のルートや細かい日程も考えられるし、効率的かつ合理的に動けるし、安全性も飛躍的に増す。日本にいる家族や友人とも、いつでもどこでも連絡を取ることが出来る。

だけど・・・それがなんか虚しい。

「それって旅なのかなぁ」その疑問を、僕は拭い去ることは出来ない。

かと言って、これから先インターネット一切なしで動くことなど・・・僕には出来ない。

現状を否定しつつも、現状から離れることが出来ない。

僕はそんな「大いなる自己矛盾」の中に生きている。

僕もブログを書いているし、フェイスブックも利用している。だから長時間、パソコンと向かい合う時間が出来てしまっているが・・・。

そんな自分が虚しくもなる。

僕自身だけじゃない。いつもインターネットばかりを追い求めて、ずっとパソコンをいじっている旅人を見る時もまた・・・

それが虚しく、そして滑稽に映る。


いつでも得られる膨大な情報といつでも発信できる自らの情報。その便利さの裏には、何だかとてつもない「虚」と「空」と「偽」が広がっている気がしてならないのだ。

2014年を迎えた今、「旅」とはいったい何なのだろう。そんなことを考えながら、僕は今日もイランの果てしない青空を眺めている。


2014年5月28日。とんでもない巡礼者の数で真っ直ぐ歩くのさえ大変な、聖地マシュハドにて。


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