2014年6月20日。
《ということで今回も「波乱万丈、ソン・クルへの道」第二弾でございます。どうぞよろしくお願い致します~!》
「明日の朝ソン・クルに行けばいい。送っていくぞ!」
前日、調子よくそんなことを言っていたおっちゃん(まぁ正確に言えば一切言葉が通じないので、あくまで僕の推測なんですけどね)。さぁいよいよ夜が明けた!次の日がやって来た!
メッチャ楽しかったから良かったけど、さすがに今日はソン・クルまで行かねばならぬ!行かないわけにはいかぬ!
ということで、例のレッドカーの準備をし始めたおっちゃん。時間は朝9時頃だった。
「よし、準備オッケーだから行くぞ、日本人!」
勢いよく声をかけてくれて、僕らもそれに応えるように勇んで外に出た。しかし、そこで思わぬ声が娘2人からかかったのだ。
「ヘイ、ダラーダラー。」
ダラーとは「ドル」のこと、要は「金よこせ」ってことだ。これ!これなんですよね、微妙なところ!
確かに僕らはとってもお世話になったし、温かいところで寝させてもらったし、メッチャご飯もいただいたし、本当に楽しくて貴重な時間をいただいたし、お金を払うのは当然の立場。しかし事前には一切金額の話などなかった。
一応おっちゃんに「いくら?」と前の日に僕は聞いたのだが、そこでは具体的な返事はなく、「まぁいいから中に入れ!」という感じだったのだ。
こういう展開はいつものことっちゃあいつものこと。でも微妙な気分になるのが正直なところだ。
「なんだ、やっぱり金なのか」という思いもあるし、「いやいやいや、あんなにお世話になったんだから払うのは当然でしょ」という思いもあるし、「お金は払うつもりでいたけど、ああやった求められると嫌なんだよな~」という思いもあるし・・・。複雑な心境になるのだ。
しかも「いくらちょうだい」と言ってくるのではなく、「いくら払う?」と聞いてくるのがさらに微妙!考えた挙句、ビシュケクの安宿とほぼ同じ値段を渡すことで解決。やっぱりお金の話はどんな状況でも事前にしとくべきですな・・・と、強く感じた僕なのでした。
まぁ何にしても出発だ!ちょっと天気は悪いけど、目指すは「極上の湖「ソン・クル」だ!このおっちゃんがどこまで送ってくれるのかは正直分からないし、僕は荷台の中だから外が全く見えずただひたすらに謎だけど、なんとかなるべ!
ということで、荷台の中で揺られること20分くらい・・・。
着いた場所は・・・ええ?
なんもないやないか~い!
そこには小さな家が2軒だけあった。そして遥か先へと続く道が1本・・・。
なんてこった、おっちゃん!いくらなんでもこりゃ中途半端じゃねーかぃ?
何度かおっちゃんに話してみたが、「これから先は山道だ、もうこの車じゃ無理だよ!」とのこと。まぁ確かにそうかもしれんが・・・。
となるとやることは1つ!この道でヒッチハイクを試みるしかない!
しかし最悪なことにこの日は雨・・・!車も全然通らない!小さな家のおっちゃんが「俺のジープで送っていやってもいいぜ」と言ってくれたものの、例によってボッタクリにも程がある価格!クソが~、ムカつくぜこのオヤジめ!
ああっと、いかんいかん。もうイライラは捨てたんだった。よし、この状況を楽しめ!きっと「救いの車」は来る!神は僕らを見捨てぬさ!
ということで、僕らは雨に打たれながら止まってくれる車を待った。そして程なくして・・・!
神は救いの手を差し伸べてくれたのだ!
そこにやって来たのは、ユルタ(キルギス人の移動式住居)を運ぶトラック。僕らが手を上げると、すぐに止まってくれて「ソン・クルか?よし、乗っていけ!」となったではないか!
うお~!マジで嬉しい!やっぱり捨てる神あれば拾う神ありだな!
トラックの中で色々話していたら、隣のおばちゃんが「今夜はウチのユルタに泊まっていきなさい!」と言ってくれるではないか!これはまさに完璧な展開!やったぜ、てことは一緒にユルタも組み立てて、そこで宿泊ってことだな!そいつぁ楽しそうだ!
ということで波乱万丈の時を経て、ついにソン・クル湖の畔に到着!
雨も止み青空も見え始め、良い感じ~やないかい!
そして一緒にユルタ建設!なるほど、こうやって組み立てていくのか・・・!
しかしウンコ多過ぎ!何度かモロ踏んじまったぜ・・・。
あ、ちなみにこのウンコ、乾燥したら燃料になるんですよ~。まさにエコ!
このご家族は本当に優しかった。
ご飯もたっぷり用意してくれるし、突然現れた僕らを全然のけ者にしないし、なんと言ったらいいのだろう、一緒にいさせていただいて本当に気持ちがいいのだ。
どうやらこの日はユルタだけを運んできたみたいで、このご家族の若い衆は一度前の村に戻って、翌日たくさんの馬や牛や羊を連れてくるらしいのだ。全部で7人(荷台にも何人か乗っていました)トラックに乗っていたのだが、そのうちの若い4人はその日のうちに村に戻るということだった。
何を言っているのか分からないけど、いつも何かを話し掛けてくれるおっちゃん、トォロクさん。
お皿が空になると、間髪入れずに次を注いでくれるおばちゃん、ディナールさん。
ちょっと恥ずかしがり屋だけど家の仕事はバリバリこなす娘、メディナちゃん。
そして外に広がる極上の景色。
草原、草原、草原。ただひたすらにそれだけ。
川の水だって、そのまま飲んで全然問題なし。
すげぇよなぁ。なんかもう、何て言ったらいいのか分からん。もうただ凄い!
そして色々なことを考える。というか、考えてしまう。こんな大自然を目の前にすると・・・。
こういうところに住んでもみたいけど、一生は無理だな~とか・・・
彼らはここでの生活が幸せなのかな~とか・・・
彼らは日本に来たら、どんな風に感じるのかな~とか・・・
もしこの大地で死んだら、この土にただ還っていくだけなんだな~とか・・・
なんか色々考える。
旅をしていて、こういう大自然の中にただただ身を置く時間になると、本当に色んなことが頭を巡る。
突然閃くこともあれば、突然不安に苛まれることもある。強気になる時もあれば、全然ダメなやつになる時もある。
不思議なもんだな・・・。
そんな時間を、僕はこのソン・クルで過ごしていた。
当然電気などあるはずがない。日が暮れればそれと共に寝るだけ。ああ、なんて気持ちが良いんだろう。
この方が、人間の生活って感じがするよな。
電気なんてあるから、人はいつまでも起きてしまうんだ。そんなもん始めっからなけりゃいいんだ!
な~んて考えたりね・・・。
Wi-Fiなんてあるはずがない。だから、パソコンに縛られることなんてあるはずがない。
いいよなぁ、この方が人間らしい気がする。とか言っておいて、ビシュケクに戻ったらすぐにパソコンをチェックする自分がいるのにね・・・。
そんなことをウダウダ考えながら、眠りにつく。
そして夜が明ける。
極上の草原が、また僕を待ってくれている。
標高が高いからすごく寒いんだけど、でも太陽の熱が本当に温かい。
ああああ、幸せだ。なんだかすげぇ幸せだ~!
でも、それが短いから「幸せ」なのかもしれないな・・・。ずっとじゃないからいいのかもしれない。上手く言えないんだけど・・・。
そんな気持ちを心に留めながら、僕は再びヒッチハイクをし、ビシュケクへと戻る。
本当にありがとう、泊めて下さったご家族の皆様!一生忘れられない思い出と貴重な経験が出来ました!
再び戻ってきたビシュケク。そこには見慣れた「喧騒」が僕を待ってくれていた。
さてさて僕は考える。どっちの生活が「楽し」くて、どっちの生活が「幸せ」なんだろうね・・・。
2014年6月20日。引っ越したばっかりで、まるで誰かのウチに泊まりに来ているような、カザフスタンのアルマティの安宿にて。
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《ということで今回も「波乱万丈、ソン・クルへの道」第二弾でございます。どうぞよろしくお願い致します~!》
「明日の朝ソン・クルに行けばいい。送っていくぞ!」
前日、調子よくそんなことを言っていたおっちゃん(まぁ正確に言えば一切言葉が通じないので、あくまで僕の推測なんですけどね)。さぁいよいよ夜が明けた!次の日がやって来た!
メッチャ楽しかったから良かったけど、さすがに今日はソン・クルまで行かねばならぬ!行かないわけにはいかぬ!
ということで、例のレッドカーの準備をし始めたおっちゃん。時間は朝9時頃だった。
「よし、準備オッケーだから行くぞ、日本人!」
勢いよく声をかけてくれて、僕らもそれに応えるように勇んで外に出た。しかし、そこで思わぬ声が娘2人からかかったのだ。
「ヘイ、ダラーダラー。」
ダラーとは「ドル」のこと、要は「金よこせ」ってことだ。これ!これなんですよね、微妙なところ!
確かに僕らはとってもお世話になったし、温かいところで寝させてもらったし、メッチャご飯もいただいたし、本当に楽しくて貴重な時間をいただいたし、お金を払うのは当然の立場。しかし事前には一切金額の話などなかった。
一応おっちゃんに「いくら?」と前の日に僕は聞いたのだが、そこでは具体的な返事はなく、「まぁいいから中に入れ!」という感じだったのだ。
こういう展開はいつものことっちゃあいつものこと。でも微妙な気分になるのが正直なところだ。
「なんだ、やっぱり金なのか」という思いもあるし、「いやいやいや、あんなにお世話になったんだから払うのは当然でしょ」という思いもあるし、「お金は払うつもりでいたけど、ああやった求められると嫌なんだよな~」という思いもあるし・・・。複雑な心境になるのだ。
しかも「いくらちょうだい」と言ってくるのではなく、「いくら払う?」と聞いてくるのがさらに微妙!考えた挙句、ビシュケクの安宿とほぼ同じ値段を渡すことで解決。やっぱりお金の話はどんな状況でも事前にしとくべきですな・・・と、強く感じた僕なのでした。
まぁ何にしても出発だ!ちょっと天気は悪いけど、目指すは「極上の湖「ソン・クル」だ!このおっちゃんがどこまで送ってくれるのかは正直分からないし、僕は荷台の中だから外が全く見えずただひたすらに謎だけど、なんとかなるべ!
ということで、荷台の中で揺られること20分くらい・・・。
着いた場所は・・・ええ?
なんもないやないか~い!
そこには小さな家が2軒だけあった。そして遥か先へと続く道が1本・・・。
なんてこった、おっちゃん!いくらなんでもこりゃ中途半端じゃねーかぃ?
何度かおっちゃんに話してみたが、「これから先は山道だ、もうこの車じゃ無理だよ!」とのこと。まぁ確かにそうかもしれんが・・・。
となるとやることは1つ!この道でヒッチハイクを試みるしかない!
しかし最悪なことにこの日は雨・・・!車も全然通らない!小さな家のおっちゃんが「俺のジープで送っていやってもいいぜ」と言ってくれたものの、例によってボッタクリにも程がある価格!クソが~、ムカつくぜこのオヤジめ!
ああっと、いかんいかん。もうイライラは捨てたんだった。よし、この状況を楽しめ!きっと「救いの車」は来る!神は僕らを見捨てぬさ!
ということで、僕らは雨に打たれながら止まってくれる車を待った。そして程なくして・・・!
神は救いの手を差し伸べてくれたのだ!
そこにやって来たのは、ユルタ(キルギス人の移動式住居)を運ぶトラック。僕らが手を上げると、すぐに止まってくれて「ソン・クルか?よし、乗っていけ!」となったではないか!
うお~!マジで嬉しい!やっぱり捨てる神あれば拾う神ありだな!
トラックの中で色々話していたら、隣のおばちゃんが「今夜はウチのユルタに泊まっていきなさい!」と言ってくれるではないか!これはまさに完璧な展開!やったぜ、てことは一緒にユルタも組み立てて、そこで宿泊ってことだな!そいつぁ楽しそうだ!
ということで波乱万丈の時を経て、ついにソン・クル湖の畔に到着!
雨も止み青空も見え始め、良い感じ~やないかい!
そして一緒にユルタ建設!なるほど、こうやって組み立てていくのか・・・!
しかしウンコ多過ぎ!何度かモロ踏んじまったぜ・・・。
あ、ちなみにこのウンコ、乾燥したら燃料になるんですよ~。まさにエコ!
このご家族は本当に優しかった。
ご飯もたっぷり用意してくれるし、突然現れた僕らを全然のけ者にしないし、なんと言ったらいいのだろう、一緒にいさせていただいて本当に気持ちがいいのだ。
どうやらこの日はユルタだけを運んできたみたいで、このご家族の若い衆は一度前の村に戻って、翌日たくさんの馬や牛や羊を連れてくるらしいのだ。全部で7人(荷台にも何人か乗っていました)トラックに乗っていたのだが、そのうちの若い4人はその日のうちに村に戻るということだった。
何を言っているのか分からないけど、いつも何かを話し掛けてくれるおっちゃん、トォロクさん。
お皿が空になると、間髪入れずに次を注いでくれるおばちゃん、ディナールさん。
ちょっと恥ずかしがり屋だけど家の仕事はバリバリこなす娘、メディナちゃん。
そして外に広がる極上の景色。
草原、草原、草原。ただひたすらにそれだけ。
川の水だって、そのまま飲んで全然問題なし。
すげぇよなぁ。なんかもう、何て言ったらいいのか分からん。もうただ凄い!
そして色々なことを考える。というか、考えてしまう。こんな大自然を目の前にすると・・・。
こういうところに住んでもみたいけど、一生は無理だな~とか・・・
彼らはここでの生活が幸せなのかな~とか・・・
彼らは日本に来たら、どんな風に感じるのかな~とか・・・
もしこの大地で死んだら、この土にただ還っていくだけなんだな~とか・・・
なんか色々考える。
旅をしていて、こういう大自然の中にただただ身を置く時間になると、本当に色んなことが頭を巡る。
突然閃くこともあれば、突然不安に苛まれることもある。強気になる時もあれば、全然ダメなやつになる時もある。
不思議なもんだな・・・。
そんな時間を、僕はこのソン・クルで過ごしていた。
当然電気などあるはずがない。日が暮れればそれと共に寝るだけ。ああ、なんて気持ちが良いんだろう。
この方が、人間の生活って感じがするよな。
電気なんてあるから、人はいつまでも起きてしまうんだ。そんなもん始めっからなけりゃいいんだ!
な~んて考えたりね・・・。
Wi-Fiなんてあるはずがない。だから、パソコンに縛られることなんてあるはずがない。
いいよなぁ、この方が人間らしい気がする。とか言っておいて、ビシュケクに戻ったらすぐにパソコンをチェックする自分がいるのにね・・・。
そんなことをウダウダ考えながら、眠りにつく。
そして夜が明ける。
極上の草原が、また僕を待ってくれている。
標高が高いからすごく寒いんだけど、でも太陽の熱が本当に温かい。
ああああ、幸せだ。なんだかすげぇ幸せだ~!
でも、それが短いから「幸せ」なのかもしれないな・・・。ずっとじゃないからいいのかもしれない。上手く言えないんだけど・・・。
そんな気持ちを心に留めながら、僕は再びヒッチハイクをし、ビシュケクへと戻る。
本当にありがとう、泊めて下さったご家族の皆様!一生忘れられない思い出と貴重な経験が出来ました!
再び戻ってきたビシュケク。そこには見慣れた「喧騒」が僕を待ってくれていた。
さてさて僕は考える。どっちの生活が「楽し」くて、どっちの生活が「幸せ」なんだろうね・・・。
2014年6月20日。引っ越したばっかりで、まるで誰かのウチに泊まりに来ているような、カザフスタンのアルマティの安宿にて。
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