池袋にある屋内型テーマパーク“ナンジャタウン”には、全国の有名餃子店の屋台が集まった池袋餃子スタジアムhttp://www.namja.jp/gyoza/がある。
スイーツの専門店の集まった
東京デザート共和国http://www.namja.jp/dessert/index.htmlや
アイスクリームシティhttp://www.namja.jp/ice_cream/index.htmlもあるので、デザートにも困らない。
デートコースにも良いので、たまにぶらりと食べに行くのだが、今回行ってみてたまげた。
施設中が、“銀魂”だらけじやないか!
銀魂 inナムコ・ナンジャタウン
http://www.namja.jp/img/pdf/1079_pdf01.pdf
どうやら各店で、“銀魂”に因んだオリジナル料理を創作しているらしい。これは食うしか。
銀さんアイス。

沖田のアイマスク型ケーキ。

軍団。キモい。(笑)

エリザベス型ケーキ
若い女性が「エリーの群れ・・・」とか言ってた。(笑)中身は・・・食べてみてのお楽しみ。


事後。

土方のマヨ丼(実際はポテトとハンバーグ丼)とか、やっぱりあった、ジャスタウェイ!

その他、本当に色々。

いやー、楽しめた。良い意味で色々とアホやった。
“銀魂”って、面白くて良い漫画だと思うけど、商品化の難しい、「スポンサーが儲けにくいコンテンツ」なんじゃないか?と心配していた。
だから、今回のような企画は素晴らしい。ぜひ応援したい。
このブログは、中高生もたくさん読んでくれていると思うから、この機会に僕たちに関わりの深い世の中の仕組みのひとつ、
“キャラクターコンテンツビジネス”について、簡単に説明してみようと思う。
これはちょっと、若いうちに知っておくと、色々と有利な知識だ。学校では教われないものだから、ぜひ読んで行って欲しい。
■“キャラクター”が価値を生む!
世の中にはたくさん、漫画やアニメのキャラクターの付いた商品や、キャラクターの使っているアイテム、そのものの売り物が沢山あるよね?
前者は例えば、“ミッキーマウスのTシャツ”や“仮面ライダーソーセージ”のような、
「別にキャラクターが付いてなくてもそのままで売れるが、キャラクターがついていた方が売れるもの」
だね。
そして後者は、魔法少女のステッキであったり、ガンダムのプラモデルのような、
「そのキャラクターが存在しなければ、そもそも意味のないグッズ」だ。
これらはともに、お金を生み出す。特に日本人はキャラクターが大好きだ。キャラクターのついているもの、ブランドとして有名なものに、進んでお金を払おうとする。
これは単に、「好きなものと近しくありたい」という意識から生まれる需要だと思うけど、日本人の場合、国民性も多少は絡んでいるように思う。
多数派に迎合し、孤立を恐れる臆病な性格ゆえに、
「皆が持っているものを持つ事で、“普通”であることをアピールする。」
「常識として認められているレベルの人気キャラクター、ブランドを所持する事で、常識の範囲内での個性(私は、コレが好き)を主張する。」
という傾向があるのかもしれない。
その昔、
「他人からどう思われようが、自分はこれが好きだからコレに没頭する。」
という人達が奇異な目で見られ、蔑称的な意味で“オタク”と言われ始めたのは、
「一般的な常識とずれていた」
からだ。
ミッキー・マウスなら認められる。だがミン○ー・モモだとちょっと変だ。そういう風に捉えられたわけだね。
いまは“オタク”も、「そういうライフスタイル」として受け入れられたところがあるから、昔ほどのリスクは無いけど、昔はオタク扱いされる事は、とてつもないリスクだったんだ。
全く、本当にひどい扱いを・・・閑話休題。
さて、“キャラクター”というものに、経済的な価値があることは理解してもらえたと思う。“キャラクター”はお金を生む、のだ。
ならば、商品を得るために、人気のあるキャラクターを勝手に使えば良いのか?というと、当たり前だがそうは行かない。
そのキャラクターに人気が出るように「作った」「育て」てきた人達が、当然そのおおもとの権利を持っているし、使わせてもらうためには、その人達(権利者)にお金を払わなければならない。
そのスキーム(仕組み)を見てみよう。
■キャラクター・コンテンツ産業のスキーム
キャラクターにも小説発、映画発など色々あるが、今回は銀魂と同じような漫画発のキャラクターで説明しよう。
漫画雑誌でヒット作が生まれると、じゃあそれをアニメ化したり、商品化しようかって事になる。
で、それに対して色んなメーカーがお金を出して(スポンサーという)、その漫画、キャラクターを使った商品を作る、権利を手に入れる・・・つまり、雑誌社から、
「そのキャラクターを使った商品を作る権利を売ってもらう」
わけだ。
こうした、その漫画やアニメ、キャラクターによる商品展開の総体、ひとつの商売のシステムを、“キャラクターコンテンツ”という。
例えばバンダイナムコは、“銀魂”というキャラクターコンテンツの、「テレビゲームを作って販売する権利」を集英社から得ている。(ハズだ)
その他にも、TCG化の権利とか、フィギュア化の権利とか色々あって、各メーカーが分割、あるいは同様に得ているわけだ。
よく、子供の頃に、「何々ソーセージ」とか「何々スナック」とか食べたと思うけど、テレビ番組のあとに、そのお菓子を作っているメーカーの名前が“スポンサー”として出ていたと思う。
つまり、その食品メーカーは、その番組の制作にお金を出し、そのキャラクターを使ったお菓子を作る権利を得ていた、ということだね。
お金が絡むと、日本人はすぐ「汚いもの」と感じる性質があるが、理論的に考えて別に全く悪いことじゃない。
その漫画が好きな人がいて、その商品を売りたい人がいる。需要と供給だ。
何のキャラクターも付いていない、地味な、しかし安い商品を求めるのも、好きなキャラクターの付いたグッズを買い集め、心に潤いを求めるのも、それは全て生き方の問題だ。
自由とはそういう事で、僕たちはそれを「選べる」国に生きている。幸運なことだと思う。
僕が仕事にしているカードゲームだって、何の絵も書かれていなければ、面白さは十分の一以下になってしまうだろう。
昔、開発中のカードゲームのテストプレイに参加したことがあるけど、絵のないカードでのプレイは、想像以上にきっついモノがあった。(笑)
心の底から、キャラクターの重要性を理解したよ。
ちょっと話が脱線した。つまり、スポンサーはお金を出して、その漫画家や出版社から、商品化の権利を買っている、という話ね。
だけど、人気のある漫画だから、何でも売れるってわけじやない。ぶっちゃけそこに、コンテンツとして育てやすいタイトルと、そうじゃないタイトルがあるように思う。
例えば古い話だけど、同じジャンプ漫画で言えば“聖闘士星矢”は、キャラクターの“聖衣”(クロス)の玩具が売れまくったし、小学生人気もあったから、ファミコンソフトも売れまくった。(僕はその時、玩具店にいたからよく覚えている。)
しかし同じ時代のドラゴンボールは、人気の割には商品化が難しかったようだ。
確かにテレビゲームは売れたけど、それ以外にヒットした商品といえば・・・思いつくだろうか?
フィギュアや色々な玩具はあったけど、“ドラゴンボール”という超人気作品の割には、目立ってブームになった商品が少なかったのは事実だ。
TCGも出たけど、途中で打ち切られている。結構続いた方ではあるけれど、ガンダムウォーのようには続かなかった。
つまり、メーカーにとって商品化しやすいタイトルと、難しいタイトルがある、という事だ。その作品の良い、悪いは関係なく、ね。
そう考えると“遊戯王”は、ものすごい「当たり」だったことがわかるだろう。
ぶっちゃけコナミさんは、遊戯王のTCG化権を手に入れたことで、大躍進したメーカーだ。
一時期は、年商何百億円売っていたかわからない。もともと生産コストは低いし、テレビゲームルートで掛率も高かったから、どんだけ儲かった事やら!
「儲かった」と言うと悪いように聞こえるかも知れないが、その「儲け」があったから、今も遊戯王は続き、僕たちも楽しみ続ける事が出来ているわけだ。
「選ぶのは客」なのだから、これもまた、悪いことじゃない。単に「こういう世の中の仕組みである」という事実だ。
「当たり」を引けば大爆発するのだから、コンテンツ産業が引っぱりだこなのも当然と言える。そして日本のコンテンツは世界にも注目されているのだから、商機(商売のチャンス)はバカでかい。夢のある商売だ。
今回のナンジャタウンでのイベントのテーマとなっていた“銀魂”に話を戻そう。
銀魂は僕も結構好きな漫画だけど、銀さんが変身ベルトを使うわけで無し、イラストの書かれたトレカを集めたい!と強く思うでも無し、つまり、
「銀魂のキャラクターグッズにお金を使う機会」
はあまり無かった。(ジャスタウェイの置物は買ったことがある。マジで。)
そういう意味で、
「人気はあっても、商売にしにくいタイトルだなぁ。」
と思っていたのだが、今回のイベントは楽しく「銀魂商品」で楽しむことが出来た。
それは取りもなおさず、銀魂にお金を使い、そのコンテンツを応援することが出来た、という事だ。今回の企画を立てた人に、拍手を送りたい。
■お金を払う人が一定数居続ける限り、そのコンテンツは生き残る。
僕たちの世代は、「ガンダム」に投資を続けてきた。
僕個人は、いくらガンダムでもクソゲーにはお金を使わなかったし、
「これは本気の熱意と、技術とノウハウの蓄積された、プロの作った『よいもの』だっ!」
と思ったものにしかお金を出さなかった(騙されたことはある。)が、とにかく「ガンダム」にお金を出し続ける三十代、四十代はたくさんいる。
最近、DVDとブルーレイで発売した“ガンダムユニコーン”は、初回出荷分は即座に完売したらしい。
購入層の中心は、間違いなく三十代以上だと思う。(あくまで中心)
そう。俺たちの世代は、三十年近く「ガンダム」に投資してきたのだ。
だから今でも、「ガンダム」は続いている。だから言える。
「ガンダムを育ててきたのは、俺たちだ!俺たちがガンダムだ!」
と。
君たちが子供の頃から好きなキャラクターは何だろう?
ポケモンや遊戯王、色々あると思う。
それらが“続く”かどうかは、君たちがそのコンテンツに“投資”を続けることと、次世代にも支持される「良い物」に成長させることが必要だと思う。
個人的には、遊戯王は、長期にわたって世界に通用しうるコンテンツだと思うが、特にTCGの部分は、ノウハウ的に成長するべき余地が大きい、と思っている。
字が細かすぎて読みにくく、文章の統一性の低いテキスト、チェーンルールの解りにくいシステム、矛盾の多い裁定など、ルール面において未完成な部分が顕著だ。
これでは「玩具」としては良いが、「ゲーム」ではない。
遊戯王に限らず、たとえ好きなものであっても、無批判に買い続けるのではなく、「問題点」を発見し、指摘し、良いものに投資する、良くないものには投資しない、というのが「賢い消費者」だと思う。(だから遊戯王を買うなと言っているのではない。判断すべきだ、と言う事だ。ゴールドパックのような素晴らしい商品は、いくらでも買いたいよね!)
君たちの好きなコンテンツが今後十年、二十年と続くかどうか・・・
それは誰かに託されているのではない。君たちに掛かっているのだという事を、忘れないで欲しい。
PS 年季の入ったオタクは、手強い消費者だぜ!
余談だが、雜誌“オトナファミ”のガンダムユニコーン原作者、福井晴敏へのインタビュー記事で、記事の見出しとインタビュアーが、
「ガンダムユニコーンは、三十代向けのガンダム作品」
と繰り返していたのに対し、原作者が明確に、
「三十代後半から四十代向けですね。」
と訂正していたのが面白かった。
三十代向け、と言った方が、ワンチャンス若い層を取り込める、と告知側は思ったのかも知れないが、
「そうは行くか!三十代なぞまだまだ若造、真のガンダム世代は四十代だ!真実は動かせん!」
という訳だ。(笑)
初代ガンダムを映画化に漕ぎ着けたのは、当時高校生、大学以上のマニア層だったのだから、当然と言えば当然。
原作者、福井晴敏は、
「商業的に不利かも知れんが、そこは譲れない。」
と明確に(物分りの悪い、こだわりのあるオタクっぽく)訂正した・・・のではないか、と僕は思った。
そう。そういう者達が作った作品だから、信用出来る。もちろん僕も、DVDを買った。(素晴らしい出来だった。)
たとえ「好きなもの」であっても、作った人達の顔が見えるもの、作品に対する正しい姿勢が透けて見えるものにしか、大人はお金を出さない。
“キャラクター”という、本質的には不要なものへの投資であるからこそ、僕たちはそうであるべきだと思う。