遊戯王5Ds劇中で、敵役の“ダークシグナー”操る切り札として大活躍中の“地縛神”。(画像は「地縛神コカパクアプ」。愛称はガチャピン。)

アニメを見てない人のために説明しておくと・・・要するに今回の遊戯王5Dsでは、 「敵が全員、神のカードを使っている状態」なのだ。
“地縛神”は、彼らダークシグナーの操る、ナスカの地上絵をモチーフにした禍神(まがつかみ)。“神”の名を冠されたカードだけあって、その効果は絶大。
何しろ、召喚されるときは、まわりの何百人もの人間達がリアル生贄にされる ぐらいだ!(まさに生贄召喚。ひでぇ)
カードとしても強烈で、アタックされないわ、相手にダイレクトアタックできるわ、魔法やトラップの対象にならないわでやりたい放題。(アニメと違って、実際のカードでは対象にされる)
あと、アニメの絵的にもインパクト絶大で、高層ビル並みの巨体でのしかかってくるシーンは、正に、「具現化した絶望!」といったおもむきで大迫力!
強い・怖いイコール、カッコいい!って事で、「カード化されたら使うしか!」と思ってた人も多いらしく、シングルで購入する人もかなり多い。
しかし、BF(ブラックフェザー)のように、「とりあえず、BFと書いてあるカードを束ねるとデッキになる」という指針となるものがないので、「どんなふうにデッキを組んだら地縛神を生かせるの?」という質問もちらほら。
てな訳で今回は、地縛神デッキをご紹介!
「ただ単に、地縛神も入ってますよ」というデッキではなく、あくまで地縛神を生かして戦う、“地縛神テーマデッキ”をお伝えしましょう!
リリースが2体も必要な地縛神だけど、そんなかったるい事は一切抜き!!
《死皇帝の陵墓》でいきなり出して、ダイレクト・アタック!
やられてもお構いなしに、続けて地縛神を召喚し、怒涛のダイレクト地獄であっという間に相手を奈落に叩き込む!
君は、“神のカード”を操る地獄の神官となり、相手の伏せカードなどに煩わされず、ただ一言、
「奴の心臓を握りつぶせ!ダイレクト・アタック!!」
と、無慈悲に宣言するのみ、だ!
さあ、作ってみよう!テーマデッキとはいえ、ガチデッキともそれなりに闘えるぐらい、強いぞ!
<!-- 地縛神デッキ解説動画 -->
<!-- ニコニコ版 -->
自縛神デッキ“黒き翼”(プロモカード入りバージョン)
3×地縛神Ccapac Apu
3×地縛神Aslla piscu
3×ダーク・シムルグ
3×N・エア・ハミングバード
3×D.D.クロウ
3×ステルスバード
3×死皇帝の陵墓
3×テラ・フォーミング
2×闇の誘惑
1×死者蘇生
1×サイクロン
3×亜空間物質転送装置
3×ゴッドバードアタック
3×超古代生物の墓場
2×魔宮の賄賂
1×死のデッキ破壊ウィルス
地縛神デッキ“黒き翼”(プロモなしバージョン)
《ダークシムルグ》《魔宮の賄賂》《闇の誘惑》すべてと、《地縛神コカパクアプ》2枚を抜いて、以下のカードを投入。
2×火之迦具土(ヒノカグツチ)
2×八俣大蛇(ヤマタノドラゴン)
1×手札抹殺
1×トラップ・ジャマー
1×マジック・ドレイン
1×激流葬
1×聖なるバリア・ミラーフォース
■どういう動きのデッキなのか?!
地縛神の能力に、「相手モンスターに攻撃されない」という、「無敵の壁」能力がある。
カードゲームでは昔から、「基本的なルールを破壊する効果」が最も強い、とされているが、遊戯王でも、そうだ。
遊戯王は、単純化して考えると、モンスター同士の攻撃力、守備力のせめぎ合いのゲーム。突破された方が、押し負ける。
地縛神は、攻撃されない「無敵の壁」であり、防御されずダイレクト・アタックする事が出来る、「絶対に命中するミサイル」なのである。
これが弱いはずはない。
もちろん、そこに魔法やトラップによる攻防が入ってくるので、話はそこまで簡単ではないのだが、たとえばの話、普通のデッキが、
「自分のモンスターを守るカード」「相手のモンスターを破壊するカード」
の両方を入れなければならないのに対し、地縛神のデッキでは、自分の地縛神さえ居れば、基本的に相手のモンスターを破壊する必要が無いのだから、
「自分のモンスターを守るカード」
だけデッキに入れれば良い、という事になるのだ。(とても簡単に言うと)
実際には、「自縛神のような、特別なカードを出すためのサポートカード」が入るので、普通のデッキと「枚数の縛り」はトントンなのだが、つまり出してさえしまえば、一方的に有利な戦いになる事はわかってもらえるだろう。
つまり、今回お伝えする地縛神のデッキとは、
「地縛神で相手の攻撃をシャットアウトし、相手がそれを突破する前に、一方的な攻撃で相手を倒すデッキ」
なのである!
もちろん、それだけじゃなくて、地縛神の能力を有効に使うための、様々なコンボやシナジーも仕込んである。
そのぶん、下手にいじると作動不良を起こすので、ぜひレシピのまま作ってもらいたい。
■主役カード紹介
さて最初に、最低限知っておいてもらいたい、主役のカードの効果を確認しておこう。死皇帝の陵墓
フィールド魔法
お互いのプレイヤーは、生け贄召喚に必要なモンスターの数×1000ライフポイントを払う事で、生け贄モンスター無しでそのモンスターを通常召喚する事ができる。
地縛神は、「フィールド魔法が無いと死んでしまう」という弱点を持っている。
必然、地縛神デッキには、何らかのフィールド魔法を入れなければならないのだが、やはり一番相性がいいのは、この《死皇帝の陵墓》だ。(他にも、「破壊されにくいフィールド魔法」として《魔法都市エンディミオン》や《虹の古代都市-レインボー・ルイン》がある。)
使い方は簡単。このデッキの基本だ。
《死皇帝の陵墓》を張る。
2000ライフを払って、地縛神を召喚する。
これだけだ。
地縛神Ccapac(コカパク) Apu(アプ)
効果モンスター 星10/闇属性/悪魔族/攻3000/守2500
「地縛神」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
フィールド上に表側表示でフィールド魔法カードが存在しない場合このカードを破壊する。
相手はこのカードを攻撃対象に選択する事はできない。
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
「巨人の壁画」をモチーフにした、アニメで最初に出てきた地縛神。
攻撃力が高いうえに、本体にダイレクト・アタック出来るので、たった3回の攻撃でゲームを終わらせることができる。
モンスターを破壊すると、その攻撃力分のダメージを与えるので、攻撃表示のモンスターを攻撃すると、モンスターを破壊しつつ、実質、ダイレクト・アタックと同じダメージを与える事が出来る。
ただ、バトルを行うと、《収縮》や《オネスト》、《カルート》などで返りうちに合う事があるので、欲を出さずにダイレクト・アタックした方が安全だろう。
“闇”属性なので、《闇の誘惑》に使える。
地縛神Aslla(アスラ) piscu(ピスク)
効果モンスター 星10/闇属性/鳥獣族/攻2500/守2500
「地縛神」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
フィールド上に表側表示でフィールド魔法カードが存在しない場合このカードを破壊する。
相手はこのカードを攻撃対象に選択する事はできない。
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
このカードの効果以外でこのカードがフィールド上から離れた時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊し、破壊したモンスター1体につき800ポイントダメージを相手ライフに与える。
「ハチドリの地上絵」をモチーフにした地縛神。
《コカパクアプ》に攻撃力は劣るが、場から離れた時に相手の表モンスターを全滅させる、強力な能力を持っている。
「破壊された時」ではなく、「場から離れた時」なので、《ブリューナク》で手札に戻されても、相手の《ブリューナク》を破壊出来たりする。
それどころか、除外されそうになった時に《亜空間物質転送装置》で脱出したり(破壊効果は発動する)、鳥獣族なので、《ゴッドバード・アタック》のコストに使えたり(相手の表モンスターは勝手に破壊されるので、《ゴッドバード》で他の伏せカードを破壊すると完璧!)もする。
このデッキの主役と言っていいカード。
ダーク・シムルグ
効果モンスター星7/闇属性/鳥獣族/攻2700/守1000
このカードの属性は「風」としても扱う。
自分の墓地の闇属性モンスター1体と風属性モンスター1体をゲームから除外する事で、このカードを手札から特殊召喚する。
手札の闇属性モンスター1体と風属性モンスター1体をゲームから除外する事で、このカードを自分の墓地から特殊召喚する。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手はフィールド上にカードをセットする事ができない。
ややこしい事を書いてるが、「ダーク・シムルグが居ると、相手は、カードを“セット”できない」という能力に注目だ。
つまり、モンスターを守備表示で置く事も、トラップカードを伏せる事も出来ない、ということ。
地縛神の弱点は、直接除去カードだ。つまり、魔法やトラップカード、モンスターの特殊能力。
魔法は《魔宮の賄賂》や《マジック・ドレイン》、モンスターの特殊能力のほとんどは《超古代生物の墓場》で封殺できる。
そしてトラップカードと、モンスターのリバース効果は、《ダーク・シムルグ》で封じられるのだ。
召喚方法も簡単で、テキストに書いている方法で特殊召喚してもいいが、ふつーにアドバンス召喚もできる。
すなわち、《死皇帝の陵墓》の能力を使って、リリースなしに召喚してやれば万事解決。実に簡単!
■各カード解説
さてここからいよいよ、各カードごとに、「何で入ってるのか」「とういうコンボやシナジーがあるのか」を説明していこう。
○N・エアハミングバードで回復回復。
《死皇帝の陵墓》で2000ライフをガンガン払うデッキなので、出来れば回復も欲しいところ。そこで選ばれたのがこの《エア・ハミングバード》だ。
相手の手札の枚数×500ライフを回復できるこのカードは、“鳥獣族”で“風属性”。
《ゴッドバード・アタック》のコストとなり、《ダークシムルグ》の召喚コストとなってくれる、まさにこのデッキのために生まれてきたようなカードだ。
ついでに言うと、「《ダークシムルグ》が居ると、相手はカードをセットできないので、手札があふれてくる」ので、回復量も増える、というシナジーもある。至れり尽くせりだ。
○ゴッドバード・アタックで一網打尽
自分の“鳥獣族”を一体破壊して、相手カードを2枚破壊する《ゴッドバード・アタック》。このデッキの破壊系カードの切り札はこれだ。
何しろ鳥獣族が12枚も入ってる。コストはいつでも払えるだろう。
1ターン目先行であれば、まず最初は地縛神を出すよりも、《エア・ハミングバード》を出して回復したり、《ステルス・バード》を伏せて出したりしたうえで、《ゴッドバード・アタック》をセットしておくといい。
相手エンド前に《ゴッドバード・アタック》を発動しておけば、次のターンの地縛神の召喚、攻撃が安全に行える。
○D.D.クロウ&ステルスバード
どちらも“闇”で“鳥獣族”。そして攻撃力1500以下。
《闇の誘惑》《ゴッドバード・アタック》《死のデッキ破壊ウィルス》のコストであり、ついでに能力も言うことなしだ。
○《アスラピスク》を使うなら、それはつまり《亜空間物質転送装置》
「切り札の主役モンスターカードを守りたい」
「場から離れた時に発動するモンスターの能力を、任意に使いたい」
これを両立させるのが《亜空間物質転送装置》。そして《地縛神アスラピスク》には、場から離れた時のとんでもない特殊能力がある。使わない理由はない。
○《超古代生物の墓場》。新しいカードだから使ってみよう!・・というわけじゃなくて・・・
シンクロが出てからここ1年の遊戯王界では、特殊召喚されたモンスターの能力がが勝負を決める事が多い。
よってこちらが「特殊召喚を使わないデッキ」であるならば、「特殊召喚対策カード」を入れるのは、魔法・トラップ対策カードより先に入るほどの常識だ。
考えてみよう。魔法・トラップより、特殊召喚されたモンスター(シンクロなど)によってゲームが終わることの方が、遥かに多いだろう?・・・つまり、そういうことだ。
さて、だったら最強の対策カードである《王宮の弾圧》を使えばいいじゃないか?と思うところだが、このデッキではそうはいかない。ライフ800を払うコストが痛すぎる。《N・エアハミングバード》の回復も、常に出来ているとは限らないからね。
よってこのデッキでは、《超古代生物の墓場》を使うのが正しいという事になる。
相手のモンスターは攻撃、特殊能力が使えない・・・とはいえ、場には残るので“壁”にはなるが、問題はないだろう。
そう。このデッキは、ダイレクト・アタック出来る“地縛神”のデッキなのだから!
○《魔宮の賄賂》
遊戯王というゲームは、「でかい一撃を加えれば勝ち!」というゲーム、すなわち「ぶっぱなし」の強いゲームだ。
だからこそ、《大寒波》のような、「ぶっぱなしを保証してくれるカード」がトーナメント・レベルカードになったりする。
《魔宮の賄賂》もそうしたカードだ。相手にカードを1枚引かせるが、
「とりあえず、今、やばい事を無かったことにしてもらえる」
というカウンターカード。
○相変わらず、1ターン目に撃てば勝てるカード。《死のデッキ破壊ウィルス》
遊戯王には、「入るなら、入れよう」
というぶっ壊れカードがいくつか存在する。これは正にその筆頭だ。
とはいえ最近、《ミラーフォース》や《激流葬》 といったぶっ壊れカードですら、入らない事も多い。今回のデッキも、そうだ。
これらのカードが入らない理由を、明確に整然と説明できてこそ、
「“常識”で思考停止せず、本当にカードを選んでデッキを作っている」
と言えると思う。長くなるので今回は書かないけどね。(自分で考えよう)
■プロモカードなし版デッキのカードについて
《ダークシムルグ》や《魔宮の賄賂》がなかった場合に入るカード。
闇属性カードが少し減るので、《闇の誘惑》が無くなる。なので安定性が少しダウンするのと、《ダークシムルグ》によるトラップ耐性も無くなるので、博打要素が増える、という感じだ。
そのかわり、強力な効果を持つ“スピリットモンスター”による、
「一撃入れば圧倒的有利!」
という、さらにド派手なゲームが楽しめるぞ!
火之迦具土(ヒノカグツチ)
スピリットモンスター
星8/炎属性/炎族/攻2800/守2900
このカードは特殊召喚できない。
召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた場合、
次のターンのドローフェイズ時、相手はドロー前に手札を全て捨てる。
八俣大蛇(ヤマタノドラゴン)
スピリットモンスター
星7/炎属性/ドラゴン族/攻2600/守3100
このカードは特殊召喚できない。
召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、
手札が5枚になるまでデッキからカードをドローする。
言うまでもなく、《死皇帝の陵墓》で召喚して、ぶん殴る事が出来る。
攻撃が通ったら、とんでもない手札アドバンテージを得ることができる。ウハウハである。
しかし、ターンエンドに手札に戻ってしまうので、こっちの防御はガラ空きだ。しょうがないので、《激流葬》や《聖なるバリア・ミラーフォース》が入ることになる。
その他に投入したいカードは《マジック・ドレイン》や《トラップ・ジャマー》。言うまでもなく、《魔宮の賄賂》の代りだね。
■最後に
地縛神デッキ、という事で入っているが、《コカパクアプ》は実のところ、これから他の地縛神が発売されたら、入れ替えていいカードだ。
なんだかんだ言って、3000のダイレクト・アタックはでかいのだけど、それ以外はこれと言って見るべきところはない。抜いてしまってかまわないだろう。
しかし逆に言うとこのデッキ、これから新しい地縛神が出るたびに、強化されていく可能性があるのだ。ぜひ今のうちに作って、新カードが出るのを楽しみにして欲しい。
・・・ところで、ナスカの地上絵でいちばん有名だと思われる“コンドルの絵”の地縛神が出てないのが気になる。
さらにラスボスが隠れているのだろうか。
なんにしろ、アニメの遊戯王5Dsは目が離せない。ぶっちゃけ、凄く面白い。
「昔の遊戯王は見てたけど、今のはねー。何か知らんけど、バイクに乗ってデュエルしてるし(笑)」
と思ってる人、今からでいいからぜひ見てほしい。ここからバトル編で、大いに盛り上がってくるところだから!