きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

N市S小4年生からの質問と答えーその1-

2021年02月17日 | 先生に質問
コロナ禍のため、今年度は私が作成して学校に提供した資料を使って、学校の先生方が喫煙防止教室「タバコの本当の話」を行ってくださいました。
いくつかの学校から、授業後の子供たちの感想文が届き、例年通り、真実を知った驚きと感動にあふれた内容だったので、安心しています。

N市立S小学校から子供達の質問が数多く送られてきました。
良い授業が行われたときには、良い質問も発生します。
それをみなで共有し、一緒に考える機会は、学習内容をより深めることとなるので、とても大切だと思っています。

回答するときには、なぜそのような質問をしたのか?本当は何を知りたいのか?など、直接言葉には表されていない、質問の背後に隠れている子供たちの思いや気持ちを考えるようにしています。


Q)タバコに入っている有害物質のことをもっとくわしく知りたい。
Q) タバコのけむりの中に無害物質はありますか?

A) タバコのなかに入っている有害物質は、今わかっているだけでも、およそ270種類あります。
そのなかで特に知っていてほしいものは3つあります。
「ニコチン」、「一酸化炭素」、「タール」です。
これらをあわせて、「タバコの3大毒」といいます。

ニコチンのせいで、タバコをやめにくくなります。
一酸化炭素のせいで、息がきれたり、つかれやすくなったり、よく眠れなくなったりします。
タールは、がんをひきおこします。

タバコのけむりには、4000種類くらいの化学物質が入っていますが、ぜんぶくわしく調べられているわけではありません。
そのなかに、たとえ無害なものが入っていたとしても、タバコのけむりが有害であることに変わりはありません。


Q) タバコのけむりと火事のけむり、どちらも同じですか?

A) 燃えるものによって、けむりの種類は変わります。
一酸化炭素はどちらにもふくまれています。


Q) 害のないタバコはありますか?

A) ありません。


Q) 飲酒と喫煙で亡くなった人って、どれくらいいるのか?

A) たしかに、お酒を飲みすぎたり、タバコを長い間吸い続けたりすると、病気になりやすく、早死にします。けれども、人が病気で死ぬ場合、他にもいろいろな原因が関係することが多いので、かんたんにお酒のせいだとかタバコのせいだとか言うのは、むずかしいです。
厚生労働省の専門家が計算した結果を参考にすると、日本で、タバコが原因で病気になって亡くなったと思われる人は、1年間で20万人くらいです。
( 参考サイト http://www.health-net.or.jp/tobacco/risk/rs410000.html )


Q) 飲酒と喫煙は関係がありますか?

A) タバコも吸って、お酒もふだんからよく飲むという人は、いろいろな病気になりやすくなります。
私は医者として、タバコを吸う人には必ずきっぱりとタバコをやめるように言います。
お酒をよく飲むという人には、のみすぎに注意し、毎年きちんと健康診断を受けるようにと言っています。



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