きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

皮膚で記憶した音楽シーン

2021年11月01日 | 音楽処方
現代ではスマホやパソコンなど、様々な方法で音楽を楽しむことができます。

けれども、音楽はなんといっても「生」が一番!
なぜなら、音楽は耳だけでなく、からだ全体で感じるものだからです。

実は皮膚も音を聞いています。

これまで皮膚感覚を担っているのは、脊髄から表皮に延びてきている神経であると考えられてきましたが、皮膚細胞自身にも、温度や光、音を感知する能力が備わっていることがわかってきました。

生の音楽の中に身を置くと、気温や湿度、光の具合といった全体の空気感を肌が感知し、伝わってくる音の波動に体中の細胞が共鳴して、感情を湧き上がらせます。

記憶に残る感動的な音楽シーンというのは、私達が持っている全ての感覚を使って、心に深く刻みこまれているものなのです。

私自身が演奏者として皮膚で記憶した感動的な音楽シーンというのは、いくつかありますが、以前、所属していた社会人オーケストラの定期演奏会で、ワーグナーの歌劇「ローエングリーン」第1幕への前奏曲を弾いた時の記憶は、私の皮膚で記憶したところの最も美しく、感動的な音楽シーンのひとつとして思い起こされます。

どんな曲なのかは、こちらでどうぞ。

Richard Wagner: Prelude to «Lohengrin», Simon Rattle















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