今日は、軸流ファンの動翼後方に必ず生じる旋回流を整えて軸方向流に転向させる為に良い静翼とはどのようなものか考えてみます。
まず動翼プロペラ後方に静翼がない状態で運転される軸流ファンはどのような流れとなっているか下図でご覧ください。
静翼がない軸流ファンでの動翼後方流れは、図のようにまさに旋回する乱れた流れとなっています。
この旋回する流れは、ファンの風を軸方向に送ることに貢献しないばかりか、せっかくの動翼プロペラが作った流れのエネルギーを損失させてしまいます。
それでは、初めから後方旋回流の生じない軸流ファン動翼とすれば良いのでしょうか?
軸流ファンは動翼プロペラにより旋回成分を持つ後流を作ることが仕事なので、後方旋回流の生じない動翼をつくること、それは不可能となります。
つまり効率の良い軸流ファンとする為には、下図解析事例のように動翼後方の静翼は必須の部分となります。
上図では軸流ファン入口側で広い範囲から空気を吸込み、ファン出口では静翼効果のおかげで後方にまっすぐな流れとして排出されています。
これであれば非常に遠くまで風がとどく効率の良い流れを実現しています。
静翼効果をより近づいて見たものが上図です。
この静翼の設計要点としては、
まず軸流ファン静翼は軸方向への長さをそれほど取れないので、静翼の数を増やすことで整流効果の上昇を計るという部分です。
次に、プロペラ動翼が発生する旋回成分はボス部とシュラウド部では旋回角度が異なり、ボスでは軸方向に対して大きい旋回角度、シュラウド部では小さい旋回角度となりますので、それらの角度に合わせたねじられた入口縁を持つ静翼を設計する必要があります。
以上のように高効率省エネ軸流ファンとするならば、静翼を動翼の後流に付けることを行うっ必要があります。