核融合が起こる星(恒星)の環境では原子は単独で存在している。しかし、宇宙空間に放出され、ある程度冷えた環境で複数の原子が遭遇すると、希(貴)ガス元素を除いた元素では、複数の原子で構成された分子を形成する。原子を構成する電子は、エネルギー順位持った電子殻に付属した小軌道(原子軌道)に存在する。分子の形成に関与するのは最も外側の殻に存在する電子である。宇宙における元素合成の初期から存在する水素と炭素がメタン分子を形成する際には、炭素には4個の最外殻電子が存在するので、その電子を4個の水素原子とそれぞれ2個ずつ共有して希ガス元素のネオンの最外殻電子と同じ8個にして安定化するように分子を形成する。 . . . 本文を読む
有機物の概念はかなり曖昧である。昔は生物の生産物が有機物と呼ばれた。化学の世界で化合物の概念が確立された初期にも有機化合物は生物の生産物とされた。しかし、現代では生物の生産とは関係なく、炭素を含んだ物質全てを有機化学の対象としている。ただし、有機物という言葉と生命活動は学問分野によって様々なかたちで結びつけられている。 . . . 本文を読む
我々の太陽系は、宇宙にばら撒かれた星間塵や星間分子の何回目かの再集合によって形成された。その素材には炭素が多くふくまれており、太陽に取り込まれたものは原子状の炭素にまで分解された。周辺の惑星などを形成した素材の中の炭素は、天体の大きさや太陽からの距離によって様々に変化したが、その主体は化学結合の変化によるものであった。 . . . 本文を読む
宇宙にできた最初の星は水素とヘリウムでできていた。その星の内部と超新星爆発の時に様々な元素が作られ宇宙にばら撒かれた。これらの元素が集合して次の星を形成する段階で、炭素を含んだものを主成分として、様々な分子が形成された。 . . . 本文を読む
宇宙のビッグバン理論によると宇宙の始まりには物質は存在しなかった。当然のこととして炭素も存在しなかった。元素として最初に作られたのは水素で、核融合により水素を原料として全ての元素が作られた。炭素は安定な元素としてはヘリウムに次いで三番目に作られた。 . . . 本文を読む
ヘリウムやネオンといった希ガスと呼ばれる少数の元素(6種)を除いて、地球に存在する他の全ての元素は自分と同種または異種の元素と何らかの方式で結合することによって安定化している。炭素は共有結合という非常に強固な結合によって、膨大な種類の化合物を作っている。 . . . 本文を読む
日本でも昔から木炭は用いられてきた。木炭の原料は材木である。しかし、材木をただ燃したのでは炭にならない。木炭は材木の中の炭素以外の元素を加熱によって取り除いて、ほとんど炭素の塊にしたものである。 . . . 本文を読む