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群ようこ著『パンとスープとネコ日和』感想。愛猫を亡くした主人公は…

群ようこ著『パンとスープとネコ日和』あらすじ・ネタバレ感想!
後半、愛猫の死でペットロスに陥るアキコに猫を飼っている人は共感できると思う。
ほっこりゆっくり日々を過ごす主人公の暮らし方にも憧れるなぁ。
実写化している作品です。


『パンとスープとネコ日和』

著者:群ようこ
発行:株式会社角川春樹事務所
ロールパンの画像 tataraworks


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『パンとスープとネコ日和』あらすじ・ネタバレ感想


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『パンとスープとネコ日和』あらすじ 

私生児として生まれたアキコ。
母と2人で暮らしながら、母が切り盛りする食堂や母の接客態度が嫌いだった。
出版社勤務を始めても実家を出ず、結婚もしなかったアキコだが母の急死で退職。
アキコは母の店『お食事処カヨ』を改装し、自分のテイストの店『ä』を開く。
店の開店直後、店の横で雨に濡れうずくまっていた猫を見つける。
アキコは猫を“たろ”と名付け飼い始める。


体育会系の従業員しまちゃんと2人きりのアキコの店は母の店とは雰囲気が一変し、昔なじみの常連客の足は遠のいてしまう。
代わりにナチュラル思考の女性客が増え、アキコは、店の方で客を選んでいるようで心苦しくなったり、この先の商売のことを考えて苦悩する。
それでも、安心できる食材で手間暇かけて提供する日替わりのサンドイッチとスープ、サラダ、フルーツのみのメニューを変えない。


ある日、母の昔なじみの女性・タナカさんがやって来て、親切にもアキコの実の父のことを教えてくれる。
既に亡くなった父には家族がいて、その息子たちのことを聞かされたアキコ。
だが、もちろんあちらの家を訪ねようなどとは考えていない。
ところが、愛猫たろが突然亡くなる。
天涯孤独のアキコはペットロスに陥り、自然と父の家に向かい……。

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『パンとスープとネコ日和』ネタバレ感想 

タイトルに”猫”が入ると無条件で面白いような気がして手にとってしまう。
この作品は、小林聡美さん主演で映像化もされている。


母親がタバコ片手にお酒を飲みながら常連客の相手をする姿が嫌いだったアキコ。
でも、これは母と娘の確執を扱ったストーリーではない。
物語が始まった時点で母親は既に他界しており、アキコの商売に関する悩みと猫のたろへの愛情がメインかな。


母の昔なじみのタナカさんは、本当に余計なお世話でアキコの実の父とその家族のことを喋り倒していく。
私だったら相当鬱陶しい。
でも、アキコは頭が良い。
怒らず、おおらかに受けとめている。
そんな冷静で賢いアキコだが、たろが急死してからペットロスに陥る。
その辛さから、会ったこともない肉親に会いたくなってしまう。


アキコが独りでも寂しくなさそうだったのは猫のたろが心の大部分を占めていたから。
そのたろの死で、アキコは急激に弱々しくなってしまう。
やはり人は独りぼっちでは生きていけないのかなぁと考えさせられる。
まさか会ったこともない身内に会いたくなるとは思いもよらない展開だった。
父の家は大きな寺で、今は兄が住職だ。
兄の妻の女性にとても優しくしてもらい、アキコの心はほぐれていく。


そんな悲しい状態でも、群ようこさんは笑いを文章にそれとなく盛りつける。
50歳を過ぎて独り身の女性がこだわって営むお店、感じの良い店員さん(しまちゃん)と猫1匹。
じめじめした所はなく、心地良く時間が流れるお話となっている。



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ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

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