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早見和真著〖店長がバカすぎて〗感想。店長はバカか並外れた策士か

早見和真著〖店長がバカすぎて〗あらすじ・ネタバレ感想。
はたして山本店長は本物のバカなのか、それとも並外れた策士なのか?
主人公はめちゃくちゃ愚痴ってるが読み進めるうちに店長のずれっぷりに大笑いし、そのうち、この人バカのふりしてるんじゃないの、と思い始めるのだが……。
2020年『本屋大賞』ノミネート作(9位)。

〖店長がバカすぎて〗

店長がバカすぎて あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks
■著者:早見和真
■装画:田中海帆
■装幀:名久井直子
■発行:株式会社角川春樹事務所



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〖店長がバカすぎて〗あらすじ・ネタバレ感想




〖店長がバカすぎて〗登場人物 

<武蔵野書店 吉祥寺本店>
●谷原京子(たにはら・きょうこ)
 28歳の契約社員で店長の山本を嫌っている
 富田暁の『空前のエデン』推し
 先輩の小柳真理に憧れていたが……

●山本 猛(やまもと・たける)
 店長だがとてつもなくずれている
 小柳真理に好意を抱いていたが……

●小柳真理(こやなぎ・まり)
 京子が憧れる書店員で35歳
 部長との不倫、刃傷沙汰で退職
●磯田真紀子(いそだ・まきこ)
 アルバイト→文芸担当へ
 富田暁のファンだったが……
●木梨祐子(きなし・ゆうこ)
 大学生のアルバイト
 往来館への就職が決まる
●柏木雄三(かしわぎ・ゆうぞう)
 武蔵野書店の社長
●小野寺浩子(おのでら・ひろこ)
 京子の一つ下の正社員

<作家>
●大西賢也(おおにし・けんや)
 売れっ子の覆面作家
●富田暁(とみた・あかつき)
 デビュー作『空前のエデン』
 凄く面倒な性格の作家
●宮城リリー(みやぎ・りりー)
 デビュー『糸魚川断層連続ニラ殺人事件』
●竹丸トモヤ(たけまる・ともや)
 『やる気のないスタッフにホスピタリティを植えつける、できるリーダーの心得 77選!』
 朝礼で山本店長が取り上げること多し

<謎の人物>
●石野恵奈子(いしの・えなこ)
 京子の父の店[美晴]に現れる主婦
 本好きだが謎の人物
●藤井美也子(ふじい・みやこ)
 [武蔵野書店]吉祥寺本店のお客様
 52歳、独身、証券会社勤務の派遣社員
 大西賢也の小説のファン

<リバティ書店>
●田島春彦(たじま・はるひこ)
 神田本店の店長
●佐々木陽子(ささき・ようこ)
 神田本店勤務の33歳のカリスマ書店員
 京子と意気投合

<往来館(おうらいかん)>
●山中(やまなか)
 木梨さんの上司で熱い男

<そのほか>
●京子の父
 料理屋[美晴]を営む
 山本店長を本気でヤバい奴と思っている



〖店長がバカすぎて〗あらすじ 

店長がバカすぎて あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks
谷原京子は[武蔵野書店]の吉祥寺本店に勤務する契約社員だ。
本が大好きで本屋に就職したものの、店長の山本猛に対する不満と苛立ちで毎日仕事を辞めたくなっている。
それでも何とかやっていけているのは、学生の頃から憧れていた店員・小柳真理と一緒に働けていることが大きい。
真理は本の推薦コメントで有名な書店員だ。
京子は彼女が書く文章が大好きだった。


ある日、京子は真理から会社を辞めることを告げられる。
真理は部長と何年も不倫関係にあった。
それを知った部長の妻が刃物持参で本社に押しかけ、何の関係もない専務が怪我を負わされる事件が起きた。
信用していた先輩からそんな話を聞かされた京子はショックを受ける。
もう今の会社にいる意味はない。


ある日、アルバイトの磯田真紀子と本を読む時に利用しているお気に入りの喫茶店で遭遇する。
実は磯田は、京子と同じような理由で書店に勤めており、辞めようとしている京子に自分ばかり被害者ぶっていると言う。


磯田の言葉で辞める気が無くなった京子。
だが、そんなタイミングで山本店長に食事に誘われる。
店長は何を思ったか、京子の父が営む小料理屋[美晴]に予約。
京子は父親の前で山本店長が何を話すつもりかとハラハラ。
何と店長は小柳のことが好きだったと言いだして……。



〖店長がバカすぎて〗ネタバレ感想 

一言で言うと
愚痴多いな!ヽ(゜Д゜)
その愚痴に多さに若干引く。
だけど書店員が読めば共感できるポイントがたくさんあるのだろうな。
ブハッと笑えるまでには少々辛抱して読み進まねばならないが、我慢した分だけ笑いは大きくなる。
思わず声をあげて笑ってしまった。


一番重要なことは276ページから277ページに書かれているのではないだろうか。
これを言う為に愚痴と笑いを繰り返し店長をとことんバカ者にしたんだろう。


愚痴が多いとは言っても接客業に就いていれば思い当たるエピソードばかり。
特にクレームつけまくりのお客を「お客様は神さまです」に例えて“神様A”“神様B”と心の中で呼び、その神様たちがもたらす理不尽は書店に限ったことではない例ばかりで共感する。


こう言っては何だが、男はジーサンになると本当に厄介だ。
暇をもてあましているから、逆らえない人間を捕まえてはギャーギャー言うろくでもない生き物だ。
私も接客業に就いていた時は、40歳以上の男の客の偉そうぶった無意味な態度とドブにでも捨てて丁度良い程度の彼らの自尊心には振り回された。
何度心の中で客を塵になるまで踏みつぶしたことか(笑´∀`)
『店長がバカすぎて』を読みながら、そうそうジジイは特に大学出たての若い男を目の敵にし、それはそれはネチネチと因縁をつけるものよのぉ。
若い女は自分ちの女中か何かのように扱うなぁと思い出していた。


『店長がバカすぎて』はただの愚痴吐きと笑いの小説ではない。
実はミステリーなのだ。
と言っても殺人事件とかは起きない。
山本店長に脳みそぐにゃぐにゃにされながら、書店の日常の中で誰が〇〇なのか推理する楽しさも味わえる。
書店や出版社の裏事情も面白かった。
店長がバカすぎて あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks

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