ニッカ シングルモルト終売へ

今日のヤフーニュースを見て、ショックを受けた方も多いのではないでしょうか。

ニッカが8月末をもって「余市」「宮城峽」全ラインナップを終売することを決めました。
「マッサン」ブームに原酒生産量が少なかった時代が直撃し、
需給バランスがどうにもならなかったのでしょう。

しかし、わずか放送開始から1年でシングルモルトを終売にするほど、
原酒在庫を危機的状況に追い込んでしまったのであれば、それはニッカの失態だと思います。

マッサンの放送期間は、一部の時期、場所を除けば
竹鶴NA、余市NA共にやたらと陳列されていましたし、
モルトベースのハイボールもガンガン売っていました。
(もっとも、ハイボールは竹鶴ハイボールながら竹鶴ベースとは違いましたが)
何故どこかでブレーキをかけられなかったのでしょうか。

どうやらブランドネームは残して新ラインナップを発売するようですが、果たして
「新余市」「新宮城峡」はシングルモルトでいてくれるのでしょうか。


昨年は、ザ・ニッカという素晴らしい銘柄も発売されました。
ブレンデッドにはブレンデッドの「美味しさ」があります。
ブレンドの神秘、熟成の妙味が楽しめるお酒です。
しかし、ザ・ニッカはシングルモルトではないのです。

シングルモルトにはシングルモルトの「美しさ」があります。
1ヶ所の蒸留所で生まれたモルトだけで作るシングルモルトには、
その土地の水、空気、温度、風土が閉じ込められています。
単純な味、香りはもちろんのこと、その背景まで楽しめるのがシングルモルトです。

竹鶴政孝が理想のウイスキー作りの(再)出発点に選んだ余市。
運命的な地名との巡り合わせもあり、第二の蒸留所となった宮城峽。
どちらも素晴らしい背景を持った蒸留所です。
その2つの蒸留所の名を冠するシングルモルトが無くなってしまうのは、
残念、寂しいでは片付けられないものです。

サントリー同等価格までの値上げ、品薄、ラインナップ変更・・・
あらゆる手段を尽くしてでも、シングルモルトは継続してほしいものですね。


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