垂水神社のつれづれ

森と滝とお社でのできごと

田植えの準備

2020年05月31日 | 日記

阪急千里線の豊津駅と関大前駅の間にある垂水上池は自然の湧水です。

古来、ここから垂水の水田に水が行き渡り、米作りが行われてきました。

注連縄の稲を育てる神田にも水が入りました。

まもなく田植えが始まります。

今日の神田は、明け方からの雨に蛙の鳴き声が響き、梅雨入り前のしっとりとした良い光景です。

周囲は開発されて、ビルやマンションに囲まれていますが、懐かしい大切な光景です。

コロナウイルスとの共存を試行錯誤する現代にあって、常に自然と共生してきた先祖の営みに心を寄せたいと思います。

 


掲示板

2020年05月27日 | 日記

春祭が終わり、お初穂料をお供えされた方のお名前を掲示していた献札板を、神社に関する諸々をお伝えする掲示板として活用することにしました。

その最初の掲示物として神社蔵の江戸時代の辞書をご紹介しています。

「大全早引節用集」といい、文化14年(1817年)発行ですので、約200年前のものです。

こちらは、今の辞書と同じように、言葉の説明の他、日本の年号や子どもの名前に使う文字などが680頁にわたって記載されています。

この資料をもとに、垂水神社と関わりのある事項を掲示していますので、お参りの際にご覧ください。

↓ 「大全早引節用集」 和紙340枚を綴じた分厚い物です。

↓ 辞書の裏表紙に発行年などが書いています

↓ 掲示板の全体図

↓ 「た」の項にある『垂水』

↓ 文化14年から令和2年までの年号 文化までが掲載されています。その後に14の年号があります。


静かな春祭

2020年05月21日 | 日記

新型コロナウイルス感染症への対策として緊急事態宣言発出の中、春祭は御神事のみ斎行となりました。

太鼓・神輿巡幸や神楽の奉納、献花、屋台の出店はすべて取りやめ、人が集まる空間を作らないという政府の要請に応えました。

20日の御旅所祭と本日の大祭も、役員さんおひとりが氏子を代表して参列されるほかは、神職のみでご奉仕という形をとりました。

ただ、そんな中でも、参拝の方たちは拝殿前に来られていました。

流行病(はやりやまい)や疫病は古来から人々を苦しめるものとして恐れられてきましたが、人々がそれらを乗り越えたからこそ今の時代があります。

厳しい状況の中でも、人々が残してきた祭礼を粛々と伝えていくことの大切さを、今一度再認識する大祭となりました。

奇しくも、大阪府では本日、緊急事態宣言解除が行われるとの報道がありました。

なお一層、慎み、恐れ敬いながら神明奉仕に勤しみたいとの思いを深く致しました。

↓ 祓所でのお祓い

↓ 大祭

↓ 参拝者


神饌

2020年05月09日 | 日記

神饌とは「しんせん」と読み、神様に献上するお食事のことをいいます。

基本的には米・酒・塩・水、そして海の幸、山の幸に加え、地元で収穫された季節のものがお供えされます。

先日は、氏子の方々が畑でとれましたので、と空豆を御供えにご持参下さいました。

いずれも美しい色・形で、早速ご神前や不動社御前にお供え致しました。

開発されて、かつて田園風景であった垂水の面影はほとんど見られなくなっていますが、こうしてご神前にお供えされた空豆に、時の流れを越えた人々の深い思いを感じました。

垂水神社が創始された飛鳥時代から今日まで、1300余年の間には、幾たびも疫病がはやりました。

そのたび、人々は苦しみながらも誠実に田畑を耕し、日々の糧を得て命をつなぎ、そのことを恐れ慎みつつ感謝して暮らしてきたのでしょう。

ことのほか心に染み入る神饌でした。