↑ 調査員
垂水神社北側に広大なグランドを所有していた日本生命保険相互会社が、昨年、敷地を大林新星和不動産株式会社に売却しました。
グランド跡地は300戸の戸建て分譲住宅地として開発されることが決まっています。
その開発事業によって周囲の環境がどのような影響を受けるのかを調査するため、開発事業を請け負う会社が本日神社に来ました。
今日の主な目的はサワガニの生息についてということです。
毎朝の境内清掃時によく見かける場所に調査員の方を案内しました。
基本的に水辺の落ち葉の下にいますので、そこへ行って落ち葉を掻き分けると、案の定いました。
しかも稚ガニが母ガニの腹部で保護されているタイミングでしたので、ワラワラと出てきました。
調査員が写真を撮って、すぐに元の場所に戻しました。
サワガニは日本固有種で、一生を淡水域で過ごす純淡水性のカニです。
川の上流域から中流域にかけて生息し、和名どおり水がきれいな渓流(沢)や小川に多いので、綺麗な水の指標生物ともなっています。
垂水の水がきれいであることの証拠ともいえる生き物です。
宅地開発は時代の流れでありましょうが、長くこの水を寄る辺として生命をつないできた小さな生き物たちが、住み処を奪われることの無いよう切に願うものです。
このサワガニが住めなくなった場所に、人間が幸福に暮らしていけるとは思えません。