たろおの小屋

昼間は「聖職者」を演じる永遠の若造「たろお」のつぶやき。
仕事のこと,家族のこと,そして脳出血や失語症のこと・・・。

再起動編【学校の生き物たちの行方】

2024-04-25 21:29:35 | 脳出血・失語症
 私は犬派である。しかし、動物は全般的に好きな方である。
 学校に、近所の方が飼っている犬猫や野良が迷い込んでくることもある。
 以前だと、皆で可愛がって楽しめた頃もあった。
 今は感染症が危険なので、追い返すのが教頭の役割である。
 そういう時は、自分の心を殺して、職務を全うする。
 児童が嘔吐した時の対応に似ている。

 学校の建物はガラスが多い。
 鳥が勘違いして激突することがある。
 脳震盪で済めば、自然に飛び立っていくが、そのまま絶命することも多い。
 以前は「動物たちのお墓」に埋めていた。
 今は鳥インフルエンザの可能性もあるので、厳重に装備してポリ袋に入れ、消毒する。
 「可燃物」として処分するように指導を受けている。
 公務員として、職務を全うする。

 以前は「鳥小屋」で買っていた生き物たち…
 鶏や兎、孔雀が居た学校もあった。
 狂牛病が騒がれた時期から、子供たちに動物を触らせることがタブーになった。
 動物の引き取り手を募った時期もあったが、ほとんどは「飼い殺し」であった。
 一羽一匹と減り、全員がいなくなると、鳥小屋も撤去された。
 その都度、職務を全うし続けた。

 今の学校の隣が公立幼稚園である。
 小学校の校庭を使って、幼稚園の運動会を行っている。
 その運動会当日、幼稚園の教頭が泣きついてきた。
 「保護者が動物の死骸を見つけて困っています。」

 確認すると、確かに死骸があった。猫だろう。
 だけれど、妙である。
「顎から上の頭部がない!」
「出血がないのはおかしい。他の場所から持ち込まれた?」
などと考えていたが、運動会の当日に悩んでいる時間もない。
「私が処分します。」
その時も、教頭の判断で職務を全うした。

後日、交番の駐在さんが来校した。
「保護者から『動物の死骸が捨てられていた』と通報があった。
状況を教えてください。」
 事実を報告した。
 簡単な聞き取りであったが、その時の確認事項は忘れない。
 「教頭先生も容疑者です。」
 生き物の処分については、私は教頭として、心を殺して職務を全うしてきた。

 子供たちに聞かれることがある。
 「死んでしまった動物はどうしているの?」
 「病気が心配だから『捨てる』のがルールです。
  でも、かわいそうだから、こっそりと埋めて、手を合わせて、冥福を祈っています。」

 私が勤務した学校では、旧鳥小屋周辺には小動物のお墓がある。
 「ゴミ」として捨てることはできない。心を捨てられない人として…



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