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ひびこれこうじつ

とりとめなく、日々の覚書です。

武相荘

2018-12-25 16:18:01 | 旅行
初めて白洲正子のことを知ったのは、いつだったか覚えていない。なぜか自伝を読んで、
「この人すごいな」
とびっくりした。
白洲次郎のことはさらにその後だった。
とにかくこの夫婦はかっこいい。
逸話がいちいち、ビシッと決まっている。
本やテレビや雑誌の特集や、目に止まると何となく気にしていて、ずっと憧れていた。
夫婦が暮らした武相荘の暮らしも、ずっと前から引っ越し願望のある私にはまさに理想で、そんなに遠いわけじゃなし、いつか行こうと思いながら伸ばし伸ばしにしていた。
それでいつものことながら、すっかり忘れていたんだけど、が、なぜか四、五日前に、ふと、
「そうだ、きっとクリスマスの飾りも綺麗だろうし、武相荘に行こう」
と思い立った。
ここで伸ばすとまた忘れて、そうするとこの夏みたいに、
「死んでも死に切れない」
という思いにとらわれそうなので、絶対に行くぞ、と思ったら、その日からBSプレミアムカフェで、二日連続で白洲正子の特集をやるという。
「……」
まあ、行け、ということだろう。

そして思い立って、24日に会う予定だった友達を武相荘に誘ってみたら、
「よし、行こう!」
ということになり、これも思いがけず、三人で行くことに。
まあ、テレビとか写真で見てから行くとよくあることだが、思ったより小さな家だった。
でもみっちりと濃くて、なんか、肚が座ってるというか芯が通っているというかな、ああ、やっぱり家というのは住んでいる人を表すんだなと思った。

国文科の学生だった頃、教授に、
「読んでごらん」
と言われた小林秀雄が全然読めなくて、ああ、私は頭が悪いんだと、すっかり自分を諦めたことがあった。それ以来、小林秀雄と聞くとその頃の虚無感を思い出す。白州家のソファを見て、そこに小林秀雄が座っていた写真を思い出して、
「近代日本の知性もここに座ってたんだな」
とちょっと身近になったような気も……。
またいつかトライしてみよう。

ちなみにクリスマスは、武相荘ではまったく無視されていた。

お友達がとってくれた写真。


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