ポン太よかライフ

得した気分、首都圏見て回りの旅、美術館散歩

フェルメール本2冊、そして魅惑の青ラピズラズリに思いを馳せて

2009-11-20 08:43:13 | ブックレビュー
フェルメールの絵画芸術を見たことがあります。思ったより大きくて、間近で見るとスーパーリアリズムと呼ばれる絵画のように床や蜀台や布の質感がリアルで、細かな表現が素晴らしい魅力的な作品です。このところ立て続けにフェルメールに関した本を読みました。「私はフェルメール・・・20世紀最大の贋作事件」第二次世界大戦のごたごたの中で、オランダの至宝フェルメールの作品がナチズムの支配するドイツに流失するのをおそれたオランダの老美術史家の焦りに付け込んで、まんまと騙したハン・ファン・メーヘレンの話。名門ボイマンス美術館に贋作を展示させたり、敵国ドイツを騙したり、というしてやったりの快挙にまずは拍手ものです。贋作は写真で見る限り、フェルメールの自然で魅力的な人物像とはニュアンスが異なりますが、アルコールによる絵の具の溶解テストやキャンバスや木組みの古さを調べる当時の年代調査では見抜くことができず、表面を特殊なオーブンで焼いて細かいひびを入れて古色を出したり、使われた顔料を研究したり、フェルメールの物語画家から、風俗画家へ変化する過程で描かれたであろうテーマを描き、美術史家があるべきものと探してやまない新発見の作品にかなう作品に仕上げて、まことしやかにべらぼうな価格で売りつけるなど、したたか極まりない生きざまも面白い。
もう一作は「謎解きフェルメール」こちらは丁寧にフェルメールの作品とその時代そしてあの贋作事件や盗難事件など、多角的にわかりやすく解説した良書です。
それにしても、「青いターバンの少女(真珠の首飾りの少女)」や「牛乳を注ぐ女」の青は美しい、日本画もやはり青の魅力に引き込まれます。ラピズラズリの青は古代エジプト以来私たちの心をとらえて離さぬ魅力に満ちた魔力を持つ色のように思いますがいかがでしょう。

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