夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

夢の中にいるみたい

2016-03-16 20:50:31 | 日記・エッセイ・コラム

                     夢の中にいるみたい

 

    突然の別れ

今月は二週続けてお葬式がありました。

一人は朝9時半。突然自宅で心臓病で急逝。

救急隊の指示で、お嫁さんに心臓マッサージをして貰いながら、救急車の到着前に、

亡くなったそうです。

89才の大往生です。

最後迄自宅で、愛妻と65年間も仲睦まじく過ごせたこと。

生まれ育った土地で一生過ごせたこと。

長男夫婦と同居生活。屋敷内には孫夫婦も新築の家で居住。

お二人共認知症とは全く無縁な様子でした。

   羨ましい位です…

      寿命でしょうか……

  御冥福をお祈り致します。

 

                                     カタクリの里のカタクリの花

                夢の中にいるみたい。

突然、「オーイ」と言ってその辺から出て来るような気がする……

              カタクリの里の大家さんの奥さん

私がお線香をあげさせて貰いに自宅に伺った時に、夢の中にいるような眼でしみじみと呟いていらっしゃいました。

年齢は私より一回り年上、外見だけで無く、気持ちも若々しい女性です。

 ご主人が倒れてから、一年数ヶ月の看病中、毎日彼の好きな音楽の入ったテープレコーダーを枕元で二人で聴いていたそうです…

いつか意識が戻ると信じて、マッサージも根気よく続けて、回復を信じていました。

「今迄も何度も何度も入院したり、瀕死の怪我をしたりしたけど、必ず帰って来た。」と

力強い言葉。

転倒に起因した脳幹挫傷で即死寸前のところを、九死に一生を得て、一年数ヶ月の闘病。

本人の生命力の強さだけで無く、奥さんの愛の力が強かったのだと思います。

         何事にもスケールの大きな豪快な方でした。

         明るくて楽しくて、人や花が好き。      

    

  倒れる半月程前に、「私がこんな身体になってしまった交通事故の加害者が

よりによって、目の前に引っ越して来る。」と話した時に、驚いた顔をして

「仲良くやって。」と言ったのが、最後の会話です。

    私も、「オーイいるかい?」と言って、我が家の庭先に突然現れるような気がしています…

       御冥福をお祈り致します。