おかしいなぁ!?
寒の入りと共に寒さが厳しくなって、あちこち痛くて参っているところに、9時に会社の固定電話が鳴った。
ベッドから起き出して、机の受話器を取ると、
開口一番
Гお婆さん?」とお年寄りの男性の声。
多少、不愉快な気持ちを極力抑えて、
目一杯事務的な声でГおはようございます。ケビン会社でございます。」とそれなりに爽やかな声で対応。
「お婆さんちじゃないのかね?」
Гハイ、一応私はおばあさんですが、こちらは、ケビン会社でございます。」
Гケビン会社なんか掛けていないよ。」 少々の沈黙
Г失礼ですが、どちらのおばあさんにお掛けになったのですか?」
「丸々さんだよ!」
Г間違い電話のようですね…私は丸々さんではありませんし、此処は会社です。」
Гおかしいなぁ!?丸々さんに掛けたんだけど…」
ガチャン。
一分以内にまた
Гお婆さん、丸々さんのお婆さん?」
「間違い電話のようですね。此方は、12-3456ですよ。」
Гそこに掛けているんだよ。」
そうだろう。繋がっているんだから
Г失礼ですが、あなたはどちら様ですか?家族の方はいらっしゃいますか?」
Гいるよ。子機で話しているから、良く聞こえないよ。」
数字は理解しているようだ。完全な痴呆症ではなさそう。
Гお宅の電話番号は何番ですか?」
Г12-1234」
Гお名前は」
Г富士山だよ!」
Г解りました。富士山さん、此処はケビン会社と言う会社で丸々さんのおばあさんのお宅ではないので、
家族の方に正しい電話番号で掛けて貰って下さいませんか?」
Гおかしいなぁ!?」
Гこちらの電話番号は12-3456です。」
Г解っているよ。いつも掛けているんだから。」
イヤこのお爺さんからの間違い電話は初めてだけど…
「スミマセン。会社なので、仕事に差し支えますので、宜しくお願いしますね…」
ガチャン…
二分位して、またまた同じことの繰り返し!
9時から9時20分迄この男性の間違い電話に付き合わされた…
ヤレヤレ
帳票の整理や計算等をして午前中の事務を片付けて昼食。
12時28分
またまたまたまたあのお爺さんから間違い電話!?
このお爺さん、若い時には物凄くやり手だったんじゃないのかしら?
熱心にもほどがありますよ……
Гお婆さん、丸々さんのおばあさん?」
Г違います。家は丸々さんではありません。この電話番号は10年位使っています。」
「おかしいなぁ?」
いきなりガチャン!
ちょっと、お爺さん、おかしいのはあなたですよ……
家族がいると言っていましたが御家族は毎日さぞや大変なことだろうとお察し致します。
後日タウンページが届いたので、丸々さんの電話番号を調べて見ました。
案の定
ケビン会社の電話番号と数が一つだけ違っていました。
6と1を間違えたようですね…
普通一回間違えたら、ダメだと思って確認すると思うのですが‥……
お爺さん、余程丸々さんのお婆さんと話がしたかったのでしょうね…
シラン
彼の事情は知らん
以上
間違い電話に振り回されたケビン家のおばあさんのろくでもない愚痴です。