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→♂♀←_no.1_2009_若者はみな悲しい

2009-03-06 22:23:03 | 今月のお薦め_XX.20XX
若者はみな悲しい フィッツジェラルド 光文社

大当たりな1冊でした。

お坊ちゃん
ニューヨークとコネティカット北部で育ったお金持ちな長男アンソンのお話。
人心の掌握に長け、面倒見がよく、生まれた環境に相応しい素直な好青年である。
しかし、素直すぎる。ある船旅できれいな女性と知り合うアンソンをみて、友人は思う、
「愛してくれる人がいないと不幸になる男なのだろう」
文学っていう感じです。

冬の夢
とんでもなく魅力的な女性ジュディに翻弄?されるデクスター。
振り回されたことに決して、後悔のないデクスター。

物語の終わらせ方が見事。読後に思う、冬の夢を映像化するとして
ジュディを演じる女優は誰だろうか(ガラスの仮面の北島マヤか)、

いやいや、こんな想像は、はじめてだが、自らが容姿端麗な女性に生まれていたら、
是非ともやってみたい、演じるに面白そうな役である。
また、何かと引き換えにあることをあきらめるという発想は間違いかもしれない。
若しくは、あきらめるの定義がこれほどまで難しいとは、、、。

子供パーティ
最高、これぞトレンディホームドラマ。
イーディスの厭厭に対してジョンが静かにやるべきことを確実に伝えるところが圧巻。
だから、「…あとは会おうが会うまいが勝手だ」とか「…ずっと気が重かっただろうさ」
に素敵な大人を感じる。

大人だって感情は子供のままで、分別がある振る舞いを実践できることが大人ってことだ!を上手く表現している作品。
恐らく主題ではないだろうが、「大人になることは何かを失うこと、それが嫌なら大人になれない」って
ことはないことを私に語りかけてくる。
(ただし、聖人の多くは子供のころかっら聖人。)

で、ステーキ肉を買っておいてよかったというイーディスの描写は巧すぎ!、作者に脱帽。


赦免
十一歳の美少年、ルドルフ・ミラーの懺悔をきく、シュウォーツ神父。以上。

ラッグズ・マーティン=ジョーンズとイギ○スの皇○子
ジョンの一世一代の大芝居?!。明るい。

調停人
この小説は高尚です。私には語れません。
収録作品の中で幸せについてはもっとも単刀直入に問いかけている作品でしょう。


温血と冷血
結構好き。お人好しに対して、社会はもっともっと、ナントカしてあげなくてはいけないのが作中の時代も現在も同じ。
法整備、制度化みたいなことが必要。ちょっと無理かもに挑むのが法律家や政治家のお仕事のはず。
しかし、リーダ的立場にある方々における”お人好し”率の少なさがなお一層、お人好し法整備、制度化を難しくしているのが今の世の実状といったところか。
「有能なお人好しを食い物(使い捨て)にするのではなく、上手(効率的)に使う」べし

そんなことは置いといて、最終的に心温まる、ホッとするお話でした。

「常識」
『消え失せた四月の時間は取り返しがつかない。』、取り返しがつかない時間と
そうならざる得ないことを見事に表現している。

グレッチェンのひと眠り
コレを下敷きにホームコメディをかきたくなる、しっかりした出来。

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