75歳から生死の選択権…倍賞千恵子さんの切なく愛おしい演技に胸が締め付けられる 早川千絵監督「PLAN 75」
7/24(月) 17:00配信
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©2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee
【志らべのユー、次なに見る】 昨年、話題となった邦画の一つがこの作品でしょう。早川千絵監督による「PLAN 75」です。 少子高齢化が進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度〝プラン75〟が国会で可決・施行されます。夫と死別して独りで暮らす78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は、ある日突然、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を解雇され、〝プラン75〟の申請を検討し始めます。同年代の仲間の切ない死や、若いスタッフとの交流を経てミチは…。 47歳の私にはやはり内容が重いですな。どこぞの海外の有名大学を出たインテリっぽい人が「高齢者は集団自決すればいい」なんて胸糞悪いこと言ってましたが、この映画を見ると胸がザワザワして仕方ないですよ。 倍賞千恵子さん、よくぞこの役を引き受けてくださりました、と言いたくなります。倍賞千恵子さんだからこそ、この切ない状況がより鮮明になります。 私が印象に残っているのは、ホテルの仕事を解雇され、ロッカーを整理しているシーン。私物を自分のカバンに入れ、最後にロッカーの扉を拭いて、ロッカーにお礼を言って立ち去るのです。年配の方には、実に上品な、丁寧な方っていますよ。そんな人をサラッと演じていて、私みたいな人間からすると、こういう人こそいつまでも生きていてほしい! と思いますなあ。とにかく胸がキュッとなります。 今までお年寄りを大事にしようって言ってきたのに、高齢化社会になり急に「年配の人は不要」となった世の中の風潮には、もうとにかく反吐が出る思いですね。架空の世界を描いているのに、やたらと真に迫っていてそんな思いになりますな。 出演は他に磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美、他。もはや映画と現実の境界線がわからなくなり、倍賞千恵子さんが、角谷ミチが愛おしくてたまりません。
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