KYさん 23

KYさんスマホなんです。

 

二年前からスマホらしい。

 

 

すごいじゃない。

使いこなしてんの？

 

 

 

いえ。

使えてないんです。これが。

 

 

 

私の携帯鳴る。

あ、KYさんからだ。

 

 

「もしもし～」

「#/@&_〒☆♪@#//@',☆/」

「⁈」

 

 

携帯が勝手にダイアルしたんかな。

プチっ。

 

 

私の携帯鳴る。

KYさんからメール。

 

 

 

返信する。

 

 

 

私の携帯鳴る。

あ、KYさんから電話。

 

 

「もしもし～」

「#/@&_〒☆♪@#//@',☆/」

「⁈」

 

 

 

なんなんだ⁈

プチっ。

 

 

 

私の携帯鳴る。

KYさんからメール。

 

 

 

なぜだ！

なぜメールの前に電話鳴らす⁉

どこ押してんの！⁇

KYさん 22

コンビニで、

ポイント溜めて

キティちゃんのお皿がもらえる

キャンペーンをしていた。

 

 

各店舗、先着順だった。

 

 

 

期間が終わりかけた頃

溜まったポイント持って

コンビニ行ったけど

どこも限定数終わっていた。

 

 

KYさんがよく

コンビニで買い物しているので

メールして聞いてみた。

 

 

 

「何ヶ所か行ったけど

どこももう無いんですよ。

KYさんが行かれるコンビニにあるか

今度行ったら聞いてもらえます

か？」

 

 

 

次の日の朝。

9時すぎ。

KYさんから電話。

 

 

 

 

「あったよ！あったよ！

残り二枚だって！」

「ありがとぅございます！

後で行ってみます♩

 

「#→/♪/@☆#&」

 

 

どうやら店の人と会話しているらしい。すぐ電話くれたんだ。

 

 

 

「無くなるかもしれないから

今のけておくよう言ったから！」

「ありがとぅございます！」

「良かったね～！

あちこち行ったけど

どこ行ってもなくて、

◯◯にやっとあったよ！」

 

 

 

 

げっっっ Σ(￣。￣ノ)ノ

隣の市。。。

 

 

 

「あ…あの。

遠いし、あまり行かないんで…

引きとりに行くのもちょっと…

諦めます…(・・;)スミマセン…」

 

「せっかくあったんだから！

私が今から交換してあげるから

ポイントの紙用意しといて！」

 

「そんな、申し訳ないから…

なんかオオゴトになって

すみま…」

「じゃ待ってて！」

 

ブチっ

 

 

電話切れた(・・;)

 

 

 

 

わざわざポイント台紙取りに来て

また持って行くっての⁈

 

 

 

隣の市なのに∑(゜Д゜)

 

 

 

 

ちょっと聞いたつもりだったんだけど…(・・;)

 

 

 

 

てかさ、朝何時から

探し回ってくれたのさ！

 

 

 

市内中回って

今隣の市って…(・・;)

 

 

KYさん 21

人間誰でも

褒められたら嬉しい。

 

 

自分の作品を褒められたい。

 

 

私もKYさんを

いっぱい褒めたい。

褒めてあげたい。

 

 

 

でも。

 

 

 

 

 

「面白い家ができました！

見てくださいっ」

 

 

 

どれどれ。

 

 

 

「トイレが家の真ん中にあったら

窓が付けられないですよ？」

「あ、そっか。」

 

 

 

「このキッチン、

人が通れないですよ」

「あ、そっか。」

 

 

 

 

「マンションに暖炉置いたら

火事になってオオゴトですよ」

「あ、そっか。」

 

 

 

「廊下だらけで迷路みたいですよ。

廊下集めたら一部屋できますね」

「あ、そっか。」

 

 

 

 

 

「これ、二階建てですよね」

「はいっ♩♩」

「階段は…」

「あ、そっか。」

 

 

 

 

おいぃぃぃぃぃっっっ‼

 

KYさん 20

KYさんは

糖尿病をお持ちでいらっしゃる。

 

 

医者から制限されていて、

カロリーと塩分を気にしている。

 

 

 

ある日私は

美味しい漬物をお土産でいただいた。

 

 

KYさん制限してるしなぁと思いつつ

「お漬物をいただいたんですけど

KYさん食べてです？」

と聞くと

「漬物大好き～♩」

 

 

半分おすそ分け。

 

 

 

 

またある日。

甘いおやつを

食べたくなった。

 

 

KYさんがいたので

「KYさん甘い物食べないんですよね？」

「甘い物大好き～♩」

「大丈夫なんですか？」

「はいっ♩♩」

 

 

 

一緒に食べた。

 

 

 

 

KYさんはコーヒーアレルギー。

コーヒーを飲むと

ジンマシンが出るらしい。

 

 

お店のコーヒーメーカーを

新しくした。

コーヒーがすっごく美味しくなったと

喜んでいたら

それを見ていたKYさん

 

 

「私もコーヒーくださいっ」

「えっ？大丈夫ですか？」

「はいっ♩」

 

 

 

いいのか⁈

KYさん 19

「明日お休みしていいですか？」

 

 

と、KYさん。

 

 

えっと…

これ言うの三回目だけど…

初めて言うように

言った方がいいんかな。

 

 

 

「毎日じゃなくていいんですよ。

来たかったら来てもいいんですけど、毎日来ないといけないわけじゃないので、図面は家で描いて、分からなかったら聞きに来てくれるだけでも、いいんですよ」

 

 

 

「はいっ♩」

 

満面の笑み。

 

 

 

うち、お教室じゃないんだから。

ってずっと言ってるんだけど。

私が来させてるみたい。じゃん。

 

 

分かってんのかな。

 

 

分かってないな。

KYさん 18

家の設計を始めて

住宅展示場に興味を持つようになった

KYさん。

 

 

市内にできた展示場に行って来たという。

そして

私を連れて行きたがる。

 

 

私忙しいんだけど…。

 

 

「家にいてもゴロゴロして

テレビ見てお菓子食べるだけだから」

 

 

と、暇つぶしがてら

店に来ているKYさん。

 

 

私をランチに、展示場に、

連れて行きたがる。

 

 

 

連日のお誘いに

仕方ない、行ってこよう。

 

 

と、一緒に住宅展示場に行った。

 

 

 

綺麗な素敵な新築。

 

 

ふとKYさんを見ると…

 

 

Σ(￣。￣ノ)ノ

ノートとペン出して

間取りをメモしてるっ！

 

 

営業のお兄さんの

苦笑いに気づかない…

 

 

 

数日後

展示場の話になったので

 

 

「モデルハウスの中でメモは

マズイですよ^_^;

家も作品ですからね」

 

 

 

というと

「あ、そっか～」

 

 

 

 

いや、常識です~_~;

KYさん 17

金曜日は店の買い出しに行く。

 

 

連日通いで

店のサイクルが分かってきたKYさん。

 

 

木曜日の帰り際

「明日買い出し行くんですよね？」

「はい。行きますよ。」

「チーズ買ってきてくれます？」

「…あ、はい。」

 

 

どこにでもあるチーズなんだけど

頼まれた。

 

 

ついでだから、

全然構わないよん。

 

 

 

次週。水曜日。

 

 

 

「金曜日買い出し行くんですよね？」

「はい。行きますよ。」

「お茶買ってきてくれます？」

「あ、はい。どんなのですか？」

 

 

 

毎週末に他県まで

仕入れに行っているけど

金曜日の買い出しは

普通のスーパー。

 

 

KYさんちから

そう遠くない。

 

 

急ぎの買い物でもなく

特別な買い物でもない。

 

 

 

ならば

なぜ頼む？？？

KYさん 16

たまにKYさん

旦那を連れて店に来る。

 

 

「そこにコーヒーあるから

自分で入れて飲みんさい」

 

 

 

 

Σ（・□・；）

 

 

 

うち一応店やけぇ。

コーヒーは従業員用に

たてて保温してるけど。

 

 

まぁ、いいけど。

 

 

 

冷蔵庫に私物入れてるし

だんだん自分ちになってきた？

 

 

 

そのうち友達連れてきて

 

「コーヒー飲みんさい」

 

言いそう(・・;)

 

 

KYさん 15

生協で保存食品を購入したKYさん。

 

 

賞味期限が10年以上もある

乾燥餅のセット。

 

 

「これ、明日食べましょうよ！」

 

 

 

えっ∑(゜Д゜)

保存食なんじゃ…

 

 

 

「いいの、いいの。

一緒に作って食べよう！」

 

 

 

いいのかなぁ。

せっかくの保存食。

 

しかも

普通のお餅食べた方が

美味しいのでは？

 

 

 

それから一ヶ月たった今

まだ保存食品は店にある。

 

 

こうして店にKYさんの私物が

増えてゆく。

KYさん 14

デジカメ買ったKYさん。

 

 

テレビ買ったら電気屋がくれたと

箱のまま未開封で持ってきた。

 

 

 

オーナーが使い方を

一通り教えているのを横目に

私は仕事。

KYさん興味深々で聞いている。

 

 

説明を聞き終わったKYさん

「いい家見つけたら写真撮りましょうよ‼」

 

 

家の設計の参考にするのね。

熱心じゃない。

 

 

「置いておくんで使ってください」

 

 

 

えっ！∑(゜Д゜)

店に置きっぱ？

 

 

 

「デジカメの使い方

教えてもらったらいいですよ！」

 

 

 

……私がデジカメ使えないと

思ってる…(・・;)

 

 

 

 

こうして

KYさんの私物が増えていった。

KYさん 13

KYさんは鼻炎もち。

 

 

花粉の時期にはマスクする😷

 

 

「私、マスクのサイズが合わないんですよ～。」と私。

「子供用のがいいよ！これ、子供用の！ね、ちょうどいいでしょ！」

 

 

 

 

 

あ、だからアゴ出てるんですね（笑）

（イメージ画書いてみました）

 

 

話してるとマスクがどんどんずれて

口見えそう（笑）

 

 

KYさんにとってマスクは

鼻を隠すものらしい。

KYさん 12

うちの店野菜も売ってます。

 

 

ある日、颯爽と現れたKYさん。

 

 

プチトマトとラッキョを購入。

 

 

 

「キッチン借りていいです～？」

 

 

 

返事待たずにキッチン突入。

プチトマトとラッキョを刻むKYさん。

 

 

「すりゴマあります？」

「あ、はいっ」

 

 

プチトマトとラッキョとすりゴマを和えた。

 

 

「食べてみて！」

 

 

 

あ、美味しい♩

 

 

 

「ね！簡単で美味しいでしょ！じゃまた！」

「えっ？あ、これ持って帰ってください」

「いいの、いいの」

「でもわざわざ買われたのに」

「いいのいいの！美味しいでしょ？じゃまた～」

 

 

 

 

…なんだったんだ⁈

KYさん 11

KYさんが

お弁当を買ってきてくれた。

 

 

「うわぁすみません！

お金払います‼」

「いらんよ！一緒に食べよ！」

「ありがとうございます‼」

 

 

惣菜店のお弁当は

品数も多く

野菜もたくさんあって

ヘルシーで美味しかった。

 

 

KYさんも交えて

知人と話していたある日

KYさんがいつも店に来ている話になった。

 

 

「一緒にご飯食べたりするよね！」

「この前は、KYさんがお弁当を買って来てくれて、一緒に食べたんよ」

「だって、昼食べてるの覗いたら、こんなん食べててかわいそうと思って！」

 

 

 

「ぶっ💨💨💨」

…そうだったんすか。

 

 

 

あの～

KYさんがいつも

バッドタイミングでいらっしゃるから

ワンハンドでサッと食べられる

サンドイッチやパンに

なっちゃうんですけど(・・;)⁇

KYさん 10

「これ、着て！」

 

 

服をくれたKYさん。

 

 

「私もう着ないから♩」

「ありがとうございます！」

 

 

 

KYさん帰って服見る。

 

 

 

２０年前のデザインの服。

約10着。

なぜか全部黄色。

 

 

肩パットの入った黄色いブラウスを

私に着れ…と？

 

 

すみません。

ちょっと…着たくないぞ。

 

 

 

また、ある日。

 

 

 

「これ、着て。もらったけど私には大きいから」

 

 

恐る恐る開けてみると

身長１７０センチ近い女性用の

スカートとワンピース。

 

 

私が着ると

 

「殿中で御座る」

 

 

私さ、背低いのよ。

見たら分かると思うけど。

KYさん 9

KYさん、毎日来るので

生協の宅配先もうちの店指定。

 

 

ある日、冷凍食品をたくさん頼んでた。

帰り際

「これ冷凍庫入れててもらえます？」

「えっ！」

 

 

断れず、つい預ることに。

 

 

また他の週

「冷凍庫入れててもらえます？」

 

 

いや、うち保管場所じゃ

ないですから。

冷凍庫KYさんのもので

パンパンやし。

 

 

「冷凍庫いっぱいなんですよ」

 

 

 

断ると、残念そう。

すみません。

 

 

 

ある日、冷蔵庫開けたら

見知らぬ物が。

高さ20センチもある

筒状のタッパー。

 

 

「スープ作ったので、食べて！」

とKYさん。

あ、冷蔵庫開けて入れたのね。

 

 

「ありがとうございます！」

 

 

 

 

タッパー開ける。

 

 

底1センチに野菜スープ。

 

 

 

20センチのタッパーに

1センチのスープ。

 

 

冷蔵庫占領するの

好きなのね。