時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

あなたならどうする。

2020年04月11日 | 時のつれづれ・卯月 

多摩爺の「時のつれづれ(卯月の6)」
あなたならどうする。

昨日あたりから、政府が全戸に配布る再利用可能な布製マスクに、再び批判が集中している。
その原因は、当初の予算額200億円から、実のところは466億円かかることが判明したからだ。

野党の女性幹部が、倍増した予算に対して、
配布を中止して医療や休業補償に充当すべしと声高に発すると、
芸能人やワイドショー、さらにはSNSで・・・ 同調する声が噴出した。

ちょっとまってくれ!
首相官邸のホームページから布製マスクに関する説明があった4月2日の官房長官会見を確認すると、
布製マスクの全戸配布に関して、官房長官は1枚当たり200円程度になるとは云ったが、
予算については、予備費や補正予算で措置できるよう関係省庁で詳細を調整していると云っただけで、
質問した記者が総額で200億円になると云ってたものの、
官房長官が自らの口で・・・ 予算は200億円だとは云ってない。

こういうのって・・・ マスコミサイドが仕掛けた、自作自演の罠っていうんじゃないだろうか?
普通に考えれば「 単価200円 1世帯当たり2枚 5,000万世帯 200億円 」と
なることから、これに梱包費、配送費などを加えれば、必然的に1.5倍か2倍になると思うが、
にも拘わらず・・・ マスコミ各社が予算は200億円と決めつけて発表したことから、
200億円が一人歩きを始めた。

そして、SNSやワイドショーを通して、
予算の無駄遣いなどといったコメントが飛び交うようになっている。

改めて経緯を確認すれば・・・ マスコミが仕掛けて、国民の不満を煽ったことになる。
いまになって判明した、466億円が無駄かどうかという議論は、
金額だけ捉えれば高額だけに、話題になってよいと思うが、
国民一人当たりに換算すると400円弱であり、
使い回しがきく布製マスクを2枚もらう価値がないともいえない。

さらに・・・ 配布された布製マスクを使うことによって、市中に出回る予定だったマスクが、
玉突きで医療関係者に回されることも想定され、大きな効果が生まれるはずだ。

これぐらいのことは少し考えれば分かることだが、こういったことを分かり易く説明することなく、
詳細を確認せず発表した200億円の根拠を説明することなく、
倍増したということだけにフォーカスした批判は、
いたずらに不満を煽ってるだけで、とても真面な指摘とは思えない。

この国には、皆が協力して頑張ろうとするとき、
とっても残念なことだが、事の後先を考えず足を引っ張る者がいる。
表現の自由というお墨付きに守られた無責任な者たちが、
そこかしこで跋扈していることに・・・ 気づかねばならない。

さらにもう一点、気になることがあるとすれば、
休業補償と給付金をチャンポンにして取り上げていることも問題だと思う。

規模の大小を問わず、利益求めて行う営業活動に対して、その損失を補償をするということは、
想定される利益(いわゆるタラレバ)を補償することであって、
申し訳ないが、それは無理というものだ。

平たく言えば、一日で1万円程度の利益が出るか出ないかの八百屋さんや散髪屋さんなどと
一晩で10万円を超えるような利益が出ると想定されるナイトクラブやガールズバー、
さらには風俗店などを、同じ土俵で補償することなんて、申し訳ないが出来るわけがない。

だから・・・ 休業補償じゃなくて、一時金なのである。
政府が云う上限を定めた給付金であり、行政が云う一定額の協力金なのである。

さらに一時金について、政府や行政は「これで最後」とか、
「これっきり」などと云ってないにも拘わらず、
このことについて、マスコミは何故だか触れようとはしない。

本来なら・・・ 第一弾の対策を批判するよりも、後に続く第二弾、第三弾の対策を早期に検討し、
出来る限り早く実施すべきだと言うのが、筋というものじゃないのだろうか?

休業補償と、給付金や協力金などの一時金が、一つ土俵の上でチャンポンになって論じられている。
それぞれの意味や趣旨を、正しく説明しないで番組を構成し、さらに結論ありきで誘導するから、
なにを言いたいのか曖昧になり、結局のところ頭の中に残るのは、政策に対する不満だけ、
これで・・・ 良いんだろうか。

政府がやろうとしている緊急経済対策の、全てが正しいとも思ってないし、
スピード感にも問題がある。
いや、大いに不満有りと言いたいぐらいだ。

しかし・・・ 国民の多くは、政府や行政の発表を確かめることなく、深掘りすることもなく、
マスコミやSNSが発する情報を鵜呑みにして、
彼らの手のひらの上で動かされていることが残念でならない。

国民の多くが不安に駆られ、SNSというツールを使って不満を発信し、
その結果が・・・ 負のスパイラルである。
自由を否定するわけじゃないが、あまりに奔放で自由過ぎる者たちが、
この国がスッポリと嵌まってしまった
「負のスパイラル」の運営管理者だということに気づかねばならない。

自覚しなきゃならないのは「自分はどう考える。」「あなたならどうする。」ということだ。
余談だが・・・ 半世紀前の1970年に、
切なく甘い声が特徴の歌手・いしだあゆみさんが「 あなたな~ら どうする 」と歌った
ヒット曲があった。
50年も前の歌なのに、歌詞の行間に意味深なコメントが隠されているような気がしないでもない。

  嫌われてしまったの 愛する人に
   捨てられてしまったの 紙屑みたいに
   私のどこがいけないの それともあの人が変わったの
   残されってしまったの 雨降る町に
   悲しみの眼の中を あの人が逃げる
   あなたならどうする あなたならどうする
   泣くの歩くの死んじゃうの あなたなら あなたなら・・・

マスコミのレベルが低下していることや、無責任な芸能人のSNSでの発信は、
いまに始まったことじゃないが、キチンとしたコメンテーターが大半とはいえ、
なんでもありで放言を連発するコメンテーターの影響はあまりに大きい。
なにより拙いのは、その放言をたしなめるコメンテーターがおらず司会者が容認してることだろう。

なにが正しくて、なにが間違っているのか。
どちらも正しいんだろうが、いま選択すべき最善手はなんなのか?
そして、どこが落としどころになるのか?
大事なことは・・・ 情報を取捨選択する判断力、さらには強い意志を持った自分力じゃなかろうか。

番組で予め着地点を決めて、無理やりそちらに誘導する手法じゃなく、
「だから・・・ あなたならどうする?」と、問いかける番組であってほしいと思うがどうだろう?

さて、週が明けて、布製マスクが2枚送られてきたらどうしよう。
ありがたくいただくが、我が家では既に、
洗えば使い回しがきく手作りのマスクに切り替えており、必要枚数があるので、
普段からお付き合いさせてもらっている、ご近所の家族が多いお宅に声をかけてみようと思っている。

そんな家庭の一コマを切り取って「あなたなら・・・ どうしますか?」なんて問いかける、
ちょっと考えさせられるようなワイドショーやCMがあったら、
ストレスが溜まる巣籠生活でも、ふと我に返り、新たな気づきとなると思うが・・・ どうだろう?

立て板に水の如く、意図する目的地に誘導する情報番組に惑わされてはいけない。
自ら考え行動することを放棄してはならない。

コメント    この記事についてブログを書く
« 広島エレジー | トップ | おもしろきこともなき世を »

コメントを投稿

時のつれづれ・卯月 」カテゴリの最新記事