時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

年末恒例の大笑い

2023年12月26日 | 時のつれづれ・師走 

多摩爺の「時のつれづれ(師走の48)」
年末恒例の大笑い


歌を聴かせる歌手が、歌って踊るパフォーマーに変化を遂げた昨今、
ジェンダーギャップというか、年代によって歌に対する捉え方は、すっかり変ってしまったが、
お笑いの世界では・・・ ちょっとだけグレーな部分があるといえばあるが、
漫才とコントの領域を頑なに守りつつ、それぞれの世界で笑いのツボを競う、年に一度の舞台がある。 

その漫才の世界で、いまや最高峰に位置づけされているのが、
年の瀬を癒やし、小難しいことを抜きに・・・ マシンガントークを炸裂させながら、
見る者の笑いのツボを、片っ端から撃ち抜く「M-1グランプリ」ではなかろうか?

思いを綴るのが中1日空いてしまったので、
話題性には若干欠けてしまったが、
イブの夜を笑いで席巻した「M-1グランプリ2023」について、ちょっと語ってみたい。

まずはファイナルに残った3組から、1組を選ばねばならないという仕事について、
揺るぎない実績を兼ね備えた、ご意見番的な立場にある審査員とはいえ、
昨夜はホントに酷な仕事したのではなかろうか?
審査員の心中を察するとともに・・・ その任を労う声があっても良いだろう。

立て板に水の如く、視聴者にめがけて放たれたマシンガントークの3連発に、
小難しい爺さんの笑いのツボは、ものの見事に撃ち抜かれてしまった。
3組に共通するお笑いテクニックは・・・ 話術の巧みさ、回転の速さに加えて、
ギャグを巧みに繋ぎながらオチへと誘引する、4分間に凝縮されたレベルの高いネタだろう。

私の判定では優勝は「ヤーレンズ」、2位が「令和ロマン」、3位が「さや香」だった。
ファーストラウンドを見た第一感は、
勢いの「令和ロマン」、掛け合いの「ヤーレンズ」、安心安定の「さや香」ではなかっただろうか?

まずネタにフォーカスすると、「さや香」が決勝ネタにした四則演算をアレンジした新たな計算法は、
漫才にはなかった奇抜な発想であり、「おっ、勝負手を打ってきたな。」と思いはしたが、
「あっ、そういう展開なのね。」という気づきに、思いのほか時間を要してしまい、
気づかせた後から一気に捲し立てたものの、前半の持ち時間の浪費をカバーするには至らなかった。

続いてギャグというか、ボケた回数にフォーカスすると、三者三様ではあったが、
客席の受け具合をみても分かるように、
展開の掴みで出遅れた・・・ 「さや香」が、1歩遅れを取った感は否めなかった。

あとは「ヤーレンズ」と「令和ロマン」の優勝争いで、どこで差を付けるか悩みどこだが、
私の視点は・・・ ネタの好みは横に置いといて、
冷静にボケとツッコミの掛け合いというか、絡み合いの妙にフォーカスしてみた。


「ヤーレンズ」は、掛け合いが巧みで、相方突っ込みが小気味よく、声も頻繁に聞かれたが、
一方で「令和ロマン」は、ネタの高度さから、ボケ役が若干暴走してしまい、
突っ込み役の出番というか、絡みの一つ一つが合いの手程度になっていたように見えた。

テンポの速いマシンガントークになると、やたら絶叫型となり、
最初は良いが、だんだんネタが聞きづらくなり、せっかくのネタがぼやけてしまうんだが、
「令和ロマン」と「さや香」は、次第に声が大きくなってはいたものの、絶叫一歩手前の寸止めで、
「ヤーレンズ」は興奮気味でも、声は穏やかで聞きやすく、さすがの域にあるといっても良いだろう。

そんなこんなで・・・ 3時間、
私は「ヤーレンズ」に軍配をあげたが、
女房は審査員と同じ考えで、二つ目のネタに勢いを感じて「令和ロマン」を支持していた。

笑いのツボには、好みが多分に影響することから、評価が分かれるのは仕方ないが、
我が家では毎年こういった方式で、女房と二人で「あぁだ。こぉだ。」と勝手に採点しながら、
「M-1グランプリ」で大笑いをさせてもらっている。

結果だけ見れば・・・ 悲喜こもごもなんだろうが、
笑って一年を締めくくれるほど、嬉しくて楽しいことはない。
そういった意味からも、笑わせてくれた芸人さんたちには、感謝したいと思う。

ありがとう「M-1グランプリ」
また来年、芸人さんたちの頑張りに、拍手と大笑いで応えたいと願ってやまない。

追伸というか・・・ 余談
実は「M-1グランプリ2023」が始まる半日前、
朝のワイドショーを見ていた我が家でも、ボケとツッコミの間でひと悶着があったので、
併せてそのことも記しておく。

軽自動車の大手で安全試験の不正が発覚し、
全車種の製造ラインが止まるという、前代未聞の一大事が起こったなか、
会見した幹部は、納期に対するプレッシャーが、どうのこうのと言ってたし、
従業員は風通しが悪かったと言ってたことについて、傍で見ていた女房から鋭い突っ込みが入った。

「下請けもあるし、販売会社もあるし・・・ どうなるんだろうね?」と、女房が云うもんだから、
「風通しが悪かったんだから、窓を開けたらええんとちゃうか。」と、返したら、
「寒っ! ぜんぜん面白くない。」と、一刀両断に切り捨てられてしまった。

そこは「なんでやねん。」と、気持ちよく突っ込みを入れて欲しかったんだが、
生真面目すぎる女房には、私のレベルが高いジョークは通用しなかったようである。

その反動かどうかは・・・ 分からないが、
なにごとも予習しておくと、本番で期待値以上の成績がでるのは必然のことで、
半日後、笑いのツボの感度が、程よく磨かれていた女房が、
3時間ぶっ通しで笑い転げていたことは、語るまでもないだろう。

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2023年12月24日(日) テレビ朝日
M-1グランプリ 2023

審査員 ダウンタウン・松本人志、中川家・礼二、サンドウィッチマン・富澤、ナイツ・塙、
    博多大吉、山田邦子、海原ともこ

[ファイナルラウンド(出演順)]

 1.令和ロマン     4票 優勝
 2.ヤーレンズ     3票
 3.さや香       0票

[ファーストラウンド(出演順)]
             審査員の採点と順位  私の採点と順位
 1.令和ロマン     648( 3)    A ( 3)
  → 話術が巧みで、スピード感もあり上手かったが、最後の締めが・・・ ちょっとだったかも
 2.ししがしら     627( 9)    B ( 8)
  → つかみは盲点を突いていて面白かったが、笑いのネタが足りず、爆発力に欠けたかも
 3.さや香       659( 1)    A ( 2)
  → 回転の良い喋りで掘り下げ、最後のどんでん返しはさすがだが、ちょっと声が大きすぎたかも
 4.カベポスター    635( 6)    B+( 4)
  → 意表を突く面白いネタだったが、ネタそのものが、ちょっとシュールだった気がする。
 5.マユリカ      645( 4)    B+( 6)
  → 静かにジワジワくる相方に、突っ込みがハイトーンだったので、ドタバタ感が強すぎたかも
 6.ヤーレンズ     656( 2)    A+( 1)
  → すっごくウザい漫才だが、ネタがベタなのにボケの数が多いし巧みで、笑い転げてしまった。
 7.真空ジェシカ    643( 5)    B+( 5)
  → 面白と言えば面白いんだが、小刻みで高度なギャグが単発で、関連性に欠けたかも
 8.ダンビラムーチョ  631( 8)    B ( 9)
  → 歌ネタは良いとして、最初の1曲が長すぎて、後のネタがぼやけてしまった。
 9.くらげ       620(10)    B (10)
  → ミルクボーイのネタと被るが、個々のネタの応酬に笑いがなく、笑いのツボが少なかったかも
10.モグライダー    632( 7)    B+( 7)
  → すっごい面白かったんだけど、ネタがちょっと単調で、終いに行くにつれて伸びを欠いたかも      


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2 コメント

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Unknown (U1)
2023-12-26 06:37:58
はじめまして。
いつも楽しく拝読させていただいております。
充実した内容で勉強になります。

文は人なり。
Unknown (多摩爺)
2023-12-26 08:21:40
U1さん、おはようございます。

爺さんがぼやく拙いブログですが、読んでいただき嬉しく思います。
また、もったいない言葉をいただき恐縮です。
今後とも宜しくお願い申し上げます。

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