時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
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なんでも禁止は自縄自縛

2024年05月26日 | 時のつれづれ・皐月 

多摩爺の「時のつれづれ(皐月の47)」
なんでも禁止は自縄自縛

裏金問題を受けて、主要政党が各々提出した政治資金規制法の改正案について、議論が進むなか、
「兎にも角にも政治資金パーティーを禁止せよ。」との法案を提出した野党第一党の幹部が、
法律改正の前だからとの理由で、政治資金パーティーを計画していることが発覚し、
言うこととやることが違うと・・・ 守りに回っていた与党から、集中砲火を浴びてしまった。

野党第一党が提出した改正案は、2026年1月1日からの施行となっていて、
法案が成立しても、実質的には約1年半の猶予(移行期間)があり、
理屈的には、その間に政治資金パーティーをやっても・・・ 何ら問題はないし、
野党第一党はトップも、当該幹部も、与党からの質問にはなんら問題ないと反論していたが、
さすがにそれでは拙いと思ったのだろう・・・ 週末になって、とうとう中止すると発表した。

あらら・・・ いったい、どうしちゃったんだろう?
あれほど強弁した舌の根も乾かぬうちに・・・ 「まいりました。」と白旗を上げ、
いとも簡単に、あまりにもあっさりと降参してしまった。

分かり易い四字熟語で例えるとするなら、
これぞ非の打ち所がないぐらい完璧な・・・ 絵に描いたような「自縄自縛」である。

野党の幹部は自らの考えを正当化するために、強弁(言い訳)をしたことが、
結果的に墓穴を掘ったことになり、
政治活動には、お金がかかるということを・・・ 自らの口で証明してしまった。

止めるんだったら、強弁(言い訳)するまえに「ゴメンなさい。」をすれば良かったのに、
強弁(言い訳)した内容は、論理的で正しかったはずだが、
政治と金の問題を許すことができず、この話題に苛立つ国民からしたら、
ダブルスタンダードであって、聞く耳に値しないぐらいの・・・ アウトだと言わざる得ない。

また、ネット社会では・・・ 強弁(言い訳)は、半永久的に残ることから始末が悪く、
前科と言っちゃ、ちょっと大げさ過ぎると思うが、
それに近いぐらいの、消すに消せないペナルティが、今後ついて回ることになるだろう。

こんなときに、こんなことを言っちゃ・・・ お叱りを受けるかもしれないが、
入りと出の透明性を図るという条件付きなら、
政治資金パーティの実施を認め、政治活動に必要なお金を確保するのは有りではなかろうか?

政治にはお金がかかり、それを落ち着かせるのに2年半かかると、
野党第一党の幹部が・・・ 暴露したのである。
もちろん、政治にお金をかけないようにするってことには大賛成であって、
そうあるべきだと思いもするが・・・ 無理なことは、どう頑張っても無理なのである。

東京や大阪など都市部の、狭い狭い選挙区ならまだしも、
そうじゃない、めちゃくちゃ広い選挙区で、
必要な数の秘書を雇わず、電話を引かず、駐車場のある事務所を借りないで、
真っ当な政治活動をやろうとしても・・・ そりゃ、かなり難しいと云わざる得ない。

その総てを宗教団体や、市民団体などのボランティアで賄えるなら、話しは別なんだろうが、
限られた選挙期間だけならそれもありかもしれないが、通常からそれができるはずないし、
いくら巨大な宗教団体でも、それを強制してやらせていたら、
どこかで必ずボロが出るので、蜂の巣を突いたような大騒ぎになっているはずである。

裏方で汗を掻き、相応の仕事をしてくれる人には、キチンとお金を払わねばならない。
労働組合からの動員については、政治家はお金を払ってないかもしれないが、
組合サイドからは、間違いなく日当がでており、
組合の財布から賄われているはずだが・・・ 思い込みが過ぎるだろうか?

私が長年務めていた会社(上場企業)の労働組合では、
夏冬のボーナスのとき、政治闘争資金のいう名目の臨時組合費が、ボーナスから天引きされており、
本部にプールされた相当な金額の政治闘争資金は、
団体献金になったり、パーティー券の購入に使われたり、動員の日当に充当されていた。

政治にお金がかかることから目を背けてはいけない。
政治資金パーティーをして、あまったお金を政治活動に充当するのであれば、
取って付けたような綺麗事をグダグダ云わないで、
透明性を図ることを条件に、やるしかないんじゃなかろうか?

その総てをボランティアで賄えるというのであれば、それを否定するものではないが、
とはいえ・・・ 「与党・自民党とは違うよ。」ってことを強調したい思いは分かるものの、
できないことを、できるかのように云うのは、10数年前の民主党政権と同じである。

そう捉えれば、いささか残念ではあるが・・・ 人を雇い、事務所を構え、電話を引き、
政治活動をするってことは・・・ 視点を変えれば、お金を使うってことであって、
その総てをボランティアで賄うことの方が、
むしろ不健全なことをしていると思うが・・・ 如何なものだろうか?

政治と金の問題で、大きな大きな墓穴を掘ってしまった与党を、
庇うつもりなど・・・ サラサラない。

然は然り乍ら(さはさりながら)・・・ 透明化を図る法律にすれば納得なのに
この際だからということを意識し、必要以上に背伸びをしたアピールで、
政治資金パーティーや、企業、団体献金まで禁止してしまうと、
政治はいったい・・・ どうなるのだろうか?

野党が時々引き合いに出すような、野菜の値段を知らないで、口だけが達者な大金持ちか、
メディアによく出て、知らない者が少ない、名前が売れた芸能人や知識人か、
親や祖先を議員に持った、すでに地盤と看板が用意された、二世か三世の坊ちゃん、嬢ちゃんしか、
国会議員になれなくなるんじゃなかろうか?

4月に行われた衆議院の補欠選挙を、長崎と島根で勝った野党第一党の議員は、
同党がいつも嫌みったらしく云う・・・ 坊ちゃんと嬢ちゃんである。
それで良いなら構わないが、それもまたダブルスタンダードだと云わざる得ない。

企業や団体からの献金は禁止する。
さらに・・・ 政治資金パーティーも禁止する。

それはそれで理想的であって、美しい法律改正ではあると理解はしてるが、、
政党名を選んで、得票率で当選者数を決め、当選者を政党に託す比例代表制に変更するならまだしも、
選挙区で人を選ぶ、現行の選挙制度では・・・ 政治にお金がかかるってことを、
国民はそろそろ理解し、認めるべきではなかろうか?

そのうえで・・・ 企業や団体からの献金を含む、政治資金パーティーなど、
政治に関わるお金の総て透明化していくのが本来の筋で、そもそもその一点が本論だったはずだが、
いまの議論は、各論を中心に背伸びしたアピール合戦に終始しており、
論点がずれているように思えてならない。

また、パーティー券購入者の公開基準も、理想は5万円程度からだと思うが、
そこに個人情報が絡んで難しいのであれば、100歩譲って10万円でも構わないので、
なにに使ったのか・・・ 領収書を添付して透明化することを義務づけるのであれば、
政治と金の問題は、入りじゃなく出にあったはずなので、妥協しても良いんじゃなかろうか?

こんな議論と云っちゃ・・・ 大変申し訳ないが、
なにが本論であって、プライオリティはなにが最優先なのか、
腹立たしいような論戦が続くが、
なんだか、風雲急を告げてるような雰囲気があり・・・ 目が離せなくなっている。

大事なことは、議論が枝葉末節となってしまい、
政治活動を・・・ 自縄自縛にしてしまうことである。
今国会の閉幕まであと一ヶ月・・・ ダメダメ総て禁止で、本当にそれで良いのだろうか?
真面な議論をしていただきたいと願ってやまない。

旬な話題かなと思って、タラタラと能書きを垂れてしまったが、
本文はあくまでも個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、ご理解いただければありがたい

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