時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

都民の腹のなか

2020年07月03日 | 時のつれづれ・文月 

多摩爺の「時のつれづれ(文月の3)」
都民の腹のなか(本音のところは・・・)

ここんとこ1週間、東京都の新型コロナウイルスの感染者が50名強で推移し、
けっこう心配していたところ、
とうとうというか・・・ ついに昨日、一気に100名を越えてしまい、
昨日は、午後のワイドショーから夜のニュースまで、都知事と担当大臣の会見を挟んでほぼこれ一色
一夜明けても、その状況は変わらず、朝からどの局にチャンネルを合わせても、総てこれである。

都知事も、担当大臣も・・・ 感染拡大が始まった3月や4月ごろとは状況が違うという。
当時は高年齢層が多く感染し、有名芸能人も亡くなったし、
重篤者が多く、医療はひっ迫し、死者も毎日のように出ていた。

いまは・・・ 感染者の約7割が20代から30代の若手で、
無症状の者が多いし、病床の数も確保できてるし、
100名超の感染者が出ているのに、都内で死者の発表は無かった。

それにつけても・・・ 今朝の各局コメンテーターの声は手厳しい。
「担当大臣がキレてどうする!」
「対策を出してくださいというのに、気を付けてくださいとはなんなんだ。」
確かに、苛つく気持ちは分からんでもないが・・・ じゃぁ、どうしろというのか?

こういったワイドショーを見ている、
多くの都民の腹の中を代弁すれば・・・ たぶんこうなるんじゃなかろうか?

「ホストクラブや、キャバクラが、いい加減な対策で調子に乗りやがって、このバカヤロー」
「あれほど大勢で飲むな、大きな声でしゃべるなと言ってるのに、なにがカンパーイだよ。」
「自覚がない若者(バカモノ)たちが、皆で積み上げた苦労を台無しにしやがってなにやってんだ。」

マスコミは、口に出して言わない(言えない)が、
多くの都民の腹のなかは・・・ 恐らくそれで間違いない。

この国には、ロックダウンできるような法律はなく、取れる政策といえば、強い要請しかないなか、
その強い要請を受けて、一度は収束の兆しを見せたとき、
マスコミ各社は・・・ いったいなんと言っていたのか思いだしてほしい。

「日本人が素晴らしかっただけで、政策が良かったわけではない。」と云ってたはずだが、
それがこの結果である。
素晴らしいはず日本人が、政府の緊急事態宣言解除を受けて、
都知事の東京アラート解除を受けてこの結果である。

感染すると危険だと言われてる高齢者は、いまでも自覚を持って行動してるが、
若者が・・・ そうじゃなかった。
これを政府や都知事の責任にしちゃいけないだろう。

いまさらだが・・・ 勤勉な日本人の性格に働きかけた政府の政策が良かったから、
収束の兆しをみせていたのである。
無自覚な若者たちの、東京アラート解除後の行動が、
今日の結果になっているのだと・・・ 総括すべきじゃないのか?

個人的には、政府や、都知事の判断を庇うわけではなく、
判断や行動が遅すぎるといった指摘も・・・ そのとおりだと思う。

しかし、事態が悪化し、思惑とは違った方向に進み始めると、
この国のマスコミは必ずと云って良いほど、ワンチームを頑なに拒み、
為政者をスケープゴートにしてしまう。
これは・・・ 間違いなんじゃなかろうか?

担当大臣は「もう誰も、緊急事態宣言はやりたくない。」と強調し、感染防止策の徹底を訴えた。
すると・・・ 大臣の言葉尻を掴まえ「逆切れしてる。不安になる。」というコメンテーターがいて、
「気持ちも分かるが、大臣がそれを言っちゃダメだよ。」というコメンテーターがいた。
さらに・・・ 埼玉の知事が「感染は東京由来である。」と云うと、
そこまで言うかというコメンテーターもいた。

大変申し訳ないが・・・ この国のマスコミは、どこまで上から目線なんだろうか?
自分たちは政策を批判するのに、為政者が思い余って、胸の内を吐露することは・・・ 許さない。
こういった報道姿勢が、本当に正しいことなんだろうか?

政府は5月の連休明け、8都道県を除く39県の緊急事態を解除したとき、
子供を諭すかのような「新たな生活スタイル」を発表し、
これからはこれをスタンダードにしてほしいと訴えているし、
都知事は、5月後半に東京アラートを解除するとき、
これからは自粛ではなく、自衛に努めてほしいと訴えている。

申し訳ないが・・・ 対策は、既に1カ月以上も前に提起されている。
三密を避け、手洗いと、うがいを励行し、「新たな生活スタイル」と「自衛」に努めてほしい。
それ以外に、なにか良い対策があるんだったら・・・ 教えてほしい。

もちろん、経済活動を止めないように、
テレワークや時差出勤の推進や奨励は、とっても大事なことだが、
客観的に捉えれば、ひとり一人の自己防衛の積み上げしかない。

再び緊急事態を宣言し、夜の街で接待を提供するサービス業に、
営業自粛を求めるという案もあるにはある。

しかし・・・ 東京アラート解除前から営業を再開するような、夜の街が素直に応じるのだろうか。
言うことを聞かなきゃ、何度か注意して、
それでもダメだめなら、パチンコ屋の時のように店名を公表する。
この国の法律では、残念ながら・・・ それしか、出来ないのである。

都民が、再びそんなことを求めているとは思えないが、
この国のマスコミは、そんなことをやるために、東京アラートアゲインを求めているのだろうか?

政府や都知事が訴える政策の、全てが正しいと思ってるわけじゃないが
この国のワンチームを悉く邪魔して、面白おかしく茶化すマスコミに・・・ 私は同調できない。

都民の腹の中に鬱積しているのは・・・ 事態を悪化させるべくして悪化させてしまった、
無自覚で自分勝手な若者や、
会食という言葉を隠れ蓑にした、どうしようもない飲んべぇたちであって、
不幸にも感染してしまった人たちではなく、
都知事や担当大臣に対しては、マスコミが云うほど苛ついてないことだけはハッキリさせておく。

夜の街で、対策をしてないお店を虱(しらみ)潰しに探し、営業を止めることは困難だが、
客として新たな生活スタイルを自覚し、自衛することができれば、
そういったお店に行くことは止めることができる。

休業補償するべきだとか、条例を作るべきだとか、
いろいろ対策を議論することは大事なことでやれば良いが、
数カ月前に「素晴らしかった日本人」とマスコミが評価した国民なんだから、
まずは、そこからなんじゃなかろうか。

図らずも、それを吐露したのが・・・ 担当大臣の会見なんじゃなかろうか? 
大臣が、多少キレ気味だったことは否定しないが、
それが都民の腹のなかであり・・・ 都民の声である。

新型コロナウイルス対策において、
この国のマスコミが、ワンチームを形成したいのであれば、
対策の粗さがしをするんじゃなく、報道の視点を逆サイドに変えてみてほしい。

夜の街で営業する人たちの声も大事だし、
駅前や繁華街での街頭インタビューも大事だと思うが、
町の片隅で慎ましやかに暮らす人たちの、
腹の中にある小さな声、切実な声を拾って発信してほしい。

報道したい声じゃなく、
報道して欲しい声を・・・ 発信して欲しいと願ってやまない。


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