goo blog サービス終了のお知らせ 

時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

電子決済の落とし穴

2020年09月11日 | 時のつれづれ・長月 

多摩爺の「時のつれづれ(長月の5)」
電子決済の落とし穴

ある新聞の今朝の社説に、
電子決済サービスについて「安全守れぬ事業は失格」との厳しい論調があった。

通信キャリアと銀行が連携して行う決済サービスとして、
インターネットメールを介してネット上に仮想の口座を設け、取引銀行の口座と紐づけることにより、
電子決済サービスの利便性を図るというものがある。

ところが、いまこのサービスの盲点(本人確認のあまさ)を突く、悪意を持った第三者が、
予め不正に取得した口座情報を紐付けることで、ネット上の仮想口座を経由して、
預金が不正に引き出されるといった詐欺事件を引き起こしてしまった。

昨日、サービスを提供した通信キャリアが会見を行い、
本人確認があまく、口座の開設に不備があったことを陳謝するとともに、
被害額の全額を補償すると発表した。

今回の被害がメディアに取り上げられてから数日経っていたことを思えば、
対応がワンテンポ遅れた感は否めないものの、
まずは誠実に謝罪するとともに、連携している銀行での新規口座の開設を中止するとともに、
混乱を避けるため、既設の口座は停止しないものの、
新たな被害が生じた場合は、全額保証するとしたことは評価に値する。

確かに社会問題にはなったが、
危機管理としては、ギリギリのタイミングでセーフだったんじゃなかろうか?
対応があと数日遅れて、週を跨いでいたら、株価は急落し袋叩きになっていただろう。

残念なのは、連携する銀行の声が聞こえてこないことだろう。
おそらく、ホームページで対応を発表してるものと思われるが、
多くのメディアはそれを取り上げない。

35行もあれば、ここを取り上げて、こちらは取り上げないでは、
扱いに不公平が出てくるからだと思うが、
キャリアが保証すると云っても、実際にお金が戻るのは、ネット口座ではなく、銀行口座なんだから、
ボード等を使って、もう少し知恵を絞って取り上げてほしいと願う。

社説では、まず通信キャリアの本人確認のあまさを指摘し、
なりすましで口座開設ができるはステムに不備があるとしたうえで、
連携する銀行のセキュリティもあまく、本人確認が容易に突破できるレベルだったとして、
手口は不明としながらも、知らぬ間に蛇口が取り付けられ、そこからお金が流れ出たと総括している。

社説が訴えたいことを否定するつもりはない。
しかし、銀行の口座情報(銀行名・口座番号・口座名義・暗証番号)が既に漏れていたことについて、
指摘してないのはなぜだろうか?

通信キャリアと銀行のセキュリティの不備は指摘されて当然だが、
それだけが原因でもないような気がしてならない。
口座番号や口座名義、さらには暗証番号が、なんらかの形で漏れていた可能性がある。

口座番号か暗証番号のどちらかが分かれば、
コンピューターを使って、予め想定される数字の組合せを設定し、
ランダムな数字を何度も繰り返して検索すれば、もう一方の番号をヒットさせることもできるらしい。

また、SMSなどを使ったURL付きのメールを、不用意にクリックしたことから、
偽物のホームページに接続してしまい、
個人情報を盗み出す、フィッシング詐欺に引っ掛かってた可能性もあるだろう。
悪い奴らは、お金が儲かると思えば・・・ いろんな知恵が回るらしい。

さらには、銀行のキャッシュコーナーで現金を引き出す際、
横からカードをチラ見するだけで・・・ 記憶する輩もいるという。
そんな記憶力があるなら、別の仕事で活かしてほしいと思うが、そういった考えはないようだ。

我が家ではネット通販を利用することはないが、
世の中的には、コロナ禍でネット通販が伸びているという。
「電子決済は、何処に落とし穴があるか分からないので恐ろしい。」
それが女房の口癖だから・・・ ある意味で助けられてるのかもしれない。

テレビでは、細心の注意を払ってくれと云ってたが、年寄りにそれを期待されても困ってしまう。
そこで、あさイチで銀行と郵便局に出向き、3カ月ぶりに記帳してきた。

全てを確認した結果、何事もなかったが、
それでも関係者から、セキュリティ対策が全て終わったとの報告があるまでは、
なにかしらのモヤモヤ感が残り、完璧にスッキリすることはないから、
不安が払拭されたわけではない。

いくら良いシステムを作っても、どこかに穴はないかと、悪い奴らは知恵を絞ってくる。
ところが・・・ システムを作った側は、何年か経ってシステムが落ち着くと、
メンテナンスはするものの、そのシステムを更に良いものにしようと知恵を絞ることより、
新しい何かを作ろうと知恵を絞るのが世の常である。

時が経つにつれて、悪い奴らより先行していたはずの技術は、
いつしか穴を見つけられ・・・ 餌食にされてしまう。
残念だが、それが現実なんだろう。

悪い奴らに狙われるということは、それだけ魅力的なシステムなんだから、
バージョンアップを怠らないでほしい。
AIと5Gが主流となる、これからの時代は、
良いSE(作る側)と、悪いSE(破る側)が、知恵比べと我慢比べをする時代になるのだろう。

便利が良くなることには大賛成だし、
自力で対応することも、可能な限り頑張り、自己防衛にも努めるが、
一度始めたサービスは、利用者がいる限り、常に悪い奴らの先を行っていてほしいし、
その努力を怠らないでほしい。

そして、もう一つ・・・ 実は、これが一番大事なことなんだが、
年寄りへの注文は、最小限にしてくれないだろうか?
あれを設定してくれ、これを設定してくれは・・・ 勘弁してほしい。

手順が複雑になり、様々な確認作業などの設定が追加されれば、
セキュリティが高まり、安心できるというのは、確かにそのとおりで間違いないが、
高齢者や、さまざまな障がいを持った人々が、
高度化が進む社会システムから、置き去りにされることがないような、
優しい視点を忘れないでほしいと・・・ 願っている。

コメント    この記事についてブログを書く
« 地に堕ちた大河ドラマ俳優 | トップ | スポーツと様々な宣伝活動 »

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

時のつれづれ・長月 」カテゴリの最新記事