時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

わっ、ザビエルになっちゃう。

2023年10月20日 | 時のつれづれ・神無月

多摩爺の「時のつれづれ(神無月の43)」
わっ、ザビエルになっちゃう。

散髪から帰ってきた私の後方から・・・ 女房が気になるひと言を発した。
「綺麗になってるけど、後ろから見たらザビエルになりかけてるよ。」
「えっ、そんなにハゲてる?」
「まだハゲてはないけど、少しだけど地肌が透けて見えてる。」
「そりゃ大変だ。どうしよう?」
「どうしようもできないよ。ジイサマなんだから。」

女房の言ってることは、けっして間違ってないけど、
反射的に後ろ頭に手をやって、状況を確認した私としては、
心にグサッと突き刺さる、痛烈なパンチをくらったような気持ちになっていた。

そんな私の気持ちを、察したのかどうかは分からないが、
「ハゲてるんじゃないよ。髪が細くなって、薄くなってきてるんだよ。」
「いままで頑張ってきたんだから、これくらいは我慢しなきゃね。」と、
労いともとれるような、慰めの言葉をかけてくれたが、
「ちょっと待ってくれ。我慢するのはあなたじゃなくて、オレだから。」と返すと、
「どうでも良いじゃん。私は気にならないから。」と、さりげなく流されてしまった。

直ぐさま洗面所に行って、鏡を見てると・・・ 再び女房がやって来て「気にしてるの?」とひと言、
「そりゃ、気になるさ。」と私
「大丈夫だよ、人は後ろから声をかけてきても、後ろ向きで話すことはないから。」と
なんのことやら、わけが分らん、説法めいたことを云ってきた。

頭の中身の善し悪しはべつにして、頭の外見だけはフサフサで普通だと思っていたが、
30代の半ばに、人生を左右するようなターニングポイントがあって、
同僚が驚くほど、一気に白髪が増えると、
40代に入ったころには、髪の7割方は白髪になっていた。

よって、シルバーヘアーとのつきあいは長く、すでに30年ぐらいになるが、
これからは、薄くなった髪の隙間からチラつく地肌を気にせねばならないようである。

髪は女の命と言うが、無くなりかけてくると・・・ 男だって気になるものだ。
病気や加齢などで髪を失った方々には、大変に申し訳ないと思うが、
その昔・・・ 髪という文字を分解して、
「髪は抜け始めて分かる長い友達」っていってた、整髪料のCMを思い出していた。

もちろん、友達は大事にしたいが、
嫌われてるわけでもないのに、友達が少なくなるのは辛いものである。

ザビエルさんのようなヘアスタイルは・・・ 私の好みではないものの、
こればっかりは、成り行きに任せるしかないのだろう。

返す返すも残念なのは、20年ぐらい通ってた馴染みの床屋の店主なら、
散髪中にけっこう無駄話をしてたので、
もっと早く「薄くなって来ましたよ。」なんて・・・ もっと早く教えてくれていたと思う。

ところが、3年ぐらい前に浮気がバレて、養子だった店主は追い出されてしまい、
数ヶ月は奥さんが1人でやってらして、こちらから聞いてないのに、いろいろ喋られたので、
知らなくても良いことまで知ってしまったが・・・ これはちょっと残念だった。

そんなこんなで、行きつけの床屋を変えざる得なくなり、
歩いて5分ぐらいのところにある、若いニイチャンがやってる床屋に行くようにしたんだが、
店主との会話はほとんどなしだから、
薄くなってるなんて、店主は知ってても、口に出すことはできなかったんだと思う。

追い出された店主のときには・・・ 「今日はどうされますか?」と店主が話しかけてくると、
「いつもどおり。」じゃなくて、「男前で。」でと返すと、
「じゃ、いつもどおりで。」と店主が返してくれる、ちょっとほんわかする会話があったんだが、
若いニイチャンじゃ、なれなれし過ぎるので・・・ そうもいかないようである。

それにつけても・・・ 私の後頭部は、いったいどれくらいいっちゃってるんだろうか?
もう一度、女房に確認したら
「そんなに気にするとは思わなかったけど、気にするほどじゃないよ。」と、言うと続けて、
「ハゲてはないけど、やばいかも・・・ 。」と、含みを持たせた、曖昧な回答が返ってきた。

こんなことを言われたら・・・ 気にするなと言われても、
素直に「はいそうですか。」とはならないものである。
潔くなり行きに任せるか、それとも、手遅れ感は否めないが育毛剤を買いに行くか、
トホホだが・・・ 究極の二択しかなくなったようである。

追伸
因みに故郷の下関市には、北九州市の門司港との間にある関門海峡を就航する連絡船の発着駅があり、
そのすぐ近くの岸壁には、ザビエルさんが、ここに来たことを示す記念碑があって、
県都の山口市には、県庁の近くに記念聖堂もあるので、
ザビエルさんとは、古いつながりがあったことを記しておきたい。

コメント (14)    この記事についてブログを書く
« 忘れられない「こころの風景」 | トップ | どうせ減税するなら・・・ 。 »

14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (馬鹿も一心です。)
2023-10-20 08:08:26
不確かな記憶ですが
30年前
税務署が主催する講演会で
三浦半島にある
長寿医療センターの医師の講話
高齢男性が頭髪が少くなった。
白髪が増えた。
その方達に、
低脂肪乳に海苔ときな粉を混ぜて
コップに飲ませた。
1年経過すると、頭髪の減少が止まり
白髪の方は、黒髪が増加。
私も数年続けました。
台湾の取引社長は同年齢で白髪
「何故あんたは頭髪が黒いのか」
上記を説明した。
早速 実行した。
数年後、会うと頭髪は黒
「効果あったか」
「いや 染めた」
私も実行した。
白髪が前に少しあっただけでだが
前立腺癌放射線治療副作用で
若干白髪が増えたが、頭髪も減少
しかし、見た目は大して変わらない
戯れ言と聞き流してください。
返信する
Unknown (多摩爺)
2023-10-20 08:31:43
一心さん、おはようございます。

情報提供ありがとうございました。
30年前に聞けたらもっと良かったのですが、試してみる価値があるかもしれませんね。
返信する
Unknown (1948of)
2023-10-20 10:55:38
ごめんなさい。ご夫婦の会話が何か微笑ましく楽しく拝見しました。主人が同じように悩んでいましたが、毛染めも見た目に違和感が有り、結局短く刈り上げています。自然が一番良いかな?と思います。
返信する
Unknown (水仙)
2023-10-20 11:00:10
私は、というより女の人はそんなに男の人の頭髪を気にしないと思います。が、男の人は気になるんですね。だってユル・ブリナーの『王様と私』はユル・ブリナーのあの頭がなければ、魅力半減ですから、多摩爺さんも自信を失くさないでいてください。
返信する
Unknown (多摩爺)
2023-10-20 11:14:25
1948ofさん、こんにちは

私はけっこう気を遣って喋ってるつもりですが、女房はいつもストレートです。
裏表がなく分かり易くて良いんですが、時々へこむこともありますが、
不思議なことに喧嘩にならないので、それが良い関係になってるんだと思います。
歳も歳なんで、髪のことはなり行きに任せることを覚悟しました。
返信する
Unknown (多摩爺)
2023-10-20 11:17:53
水仙さん、こんにちは

いまだから言うと、30年もの間付き合ってきたシルバーヘアは、けっこう気に入ってたので、
できることなら、あと10年ぐらいは頑張ってほしいなと思っています。
返信する
Unknown (馬鹿も一心。)
2023-10-20 11:22:30
追記です。
高齢者なので低脂肪牛乳
きな粉は、タンパク質
海苔は、鉄分
全て自然食品
相互作用で
身体に優しい。
返信する
Unknown (forever-green)
2023-10-20 11:24:37
ザビエルは日本に初めてキリスト教を伝え、スペイン国王に日本占領を企て無いよう進言し、日本のカトリック教会の守護聖人とのこと。
ザビエルになるのは名誉なことかと。
返信する
Unknown (多摩爺)
2023-10-20 11:29:26
一心さん、こんにちは

丁寧な情報提供をいただき、大変に感謝です。
たぶん手遅れなんでしょうが、参考にさせてもらうつもりです。
返信する
Unknown (多摩爺)
2023-10-20 11:38:15
forever-greenさん、こんにちは

コメント、ありがたく頂戴いたしました。
ザビエルさんが、偉い方だというのは知ってましたが、如何せん私は仏教徒なので、
当面はなり行きに任せるつもりですが、どちらかを選択せよといわれたら、
ザビエルさんの名誉あるヘアスタイルより、坊主頭の方を選ぶかもしれません。
その際は、ご容赦いただければ幸甚です。
返信する

コメントを投稿

時のつれづれ・神無月」カテゴリの最新記事