時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

いよいよ大詰め、大阪秋の陣

2020年10月31日 | 時のつれづれ・神無月

多摩爺の「時のつれづれ(神無月の17)」
いよいよ大詰め、大阪秋の陣 (2020年 大阪市廃止・特別区設置住民投票)

遡ること約400年、そりが合わなかった三成の蜂起を、関ケ原で退けた家康は、
勢いそのままに、大阪城で待ち構える秀頼に、どうでも良いイチャモンを付けて攻め滅ぼした。
歴史の授業や、大河ドラマで学んだ「大阪冬の陣、夏の陣」を経て、
この国の中心地は・・・ 京都、大阪から東京へと移り、現在に至っている。

その大阪が・・・ 再び、都(みやこ)の役割の一部を担おうと、大きな戦(いくさ)を仕掛けた。
それは、現在24の区で構成されている大阪市を廃止して、
4つの区に再編成するとともに、行政システムを抜本的に見直すという大戦(おおいくさ)

錦秋の大阪に、いま中央政界とは捻じれた勢力図で、賛成・反対の勢力が陣を構え、
両軍が入り乱れて、バッチバチの抗争(激論)が繰り広げられている。
大阪市以外に住んでる者から、興味本位の視点でみれば「大阪秋の陣」と云ったとこだが、
世の中の一般的な視点は「大阪都構想」であり、
正確に云うなら「大阪市廃止・特別区設置住民投票」である。

この戦に刃を交えることはないが、
投票率に関係なく、大阪市の廃止に賛成なのか、それとも反対なのか、
その1点のみを記した投票の多数決で・・・ 勝負は決着する。

そもそも私は、この国の統治機構を大胆に組み替えて、国と地方の役割を明確に区分したうえで、
経済圏や、文化圏などの結びつきを熟慮した、8つ程度の道州に区分し、
その下には、住民生活に近い人口50万人程度の中核都市を300程度作る、
いわゆる道州制の推進を支持しているため、
今回の大阪市を廃止して、4つの区に分類する案については大賛成であり期待している。

とはいえ・・・ 東京都や横浜市に次ぐ、大人数が住居を構える大阪市が無くなるんだから、
メリットがあれば、デメリットもあるだろう。

前回の住民投票が否決された後、その後の対策として、
大阪府と大阪市の代表者が出てきて、
大阪のあるべき姿について議論する場(大阪会議)が設定されたが、
その場を雲散霧消させたのが・・・ いまの反対派と、現在は賛成に回った公明党だった。

しかし、公明党は、知事と市長の首長二つを持つ大阪維新が、大阪会議での決を問うため、
知事と市長のダブル選挙に打って出て勝利すると、あっさり維新のサイドについてしまっている。
節操がない、変わり身が早いと批判する人も多いが、
これもまた、一つの民意の尊重であり、成り行き的にはなんの問題もないだろう。

また、衆議院での小選挙区事情があるとの陰口も・・・ 多くあった。
これについては、正直なところ、全く持ってその通りだと思うし異論はない。
とはいえ・・・ これこそが政治であり、
違法でなければ、ギブ&テイクはどの政党もやってる普通のことであり、
これに対して違和感を持つのは・・・ やっかみとしか思えない。

大阪府民、大阪市民が、ダブル首長選挙で大阪維新を選んだという結果がありながら、
「大阪都構想」に反対するのは、それこそ民意の無視になってしまうだろう。
いまの反対勢力のように、民意を無視し、議論の場を蔑ろにしてまで、反対を唱え続けていては、
ただの駄々っ子でしかないと思うが・・・ どうだろう?

公明党については、バックボーン(支持母体)を毛嫌いする人が多すぎて、
政策の内容についてフォーカスされることは少なく、
一般的には好き嫌いがハッキリ分かれてしまう政党だが、
この件について、事態を客観的に捉えれば、民意を正しく汲み取っており、
私はその政治姿勢を評価したい。

公明党を持ちあげるつもりはないが、私自身が右でも左でもなく、
中道(第三の勢力)の必要性を重視しているので、
これこそが中道政治であり、第三の勢力の価値であり役割だと思っており、
この政治スタイルは・・・ なんら問題ではない。

むしろ・・・ 膠着状態となった大問題を、
よりブラッシュアップさせながら、迅速に前に進めるために、
あえて泥を被りながらも、民意に応えて方向を転換した勇気は、むしろ称えられるべきだろう。

よって、批判するのは自由だが、
当てこすりや、イチャモンであって、焼きもちを焼いてるとしか思えない。
仮に住民投票の結果が、賛成多数となれば、ここまでこぎ着けた大阪維新の改革努力に加えて、
大阪の歴史に深く刻まれることになるんじゃなかろうか。

一方で、大阪市が無くなるといって、情に訴えてる反対派の議員さんたちが、
けっこうな数でいるようだが、
なにを今さら、無意味なことを訴えているのだろうかと・・・ 笑ってしまった。

東京市がなくても、東京が東京であるように、大阪市が無くなろうと大阪は大阪である。
大阪ブランドに・・・ なんら影響はない。

京都に旅行に行く人が、京都市に旅行に行くとは云わないし、
大阪に旅行に行く人が、大阪市に旅行に行くとも云わないだろう。
それと同じで、大阪市があろうと、なかろうと・・・ 大阪は大阪である。

既得権益にすがる人たちにとっては、それこそ天下の一大事なのかもしれないが、
自分たちの住所から大阪市が消えることが、そんなに気になることだろうか?
それとも、それが日常生活に、なんらかの影響を与えるのだろうか、
もし、そうだったら教えてほしい。

生まれてこの方ずっと、慣れ親しんできた大阪市と云う文字と響きに、
愛着があるのは認めざる得ないが、
この国で、最も損得勘定に長けた大阪市民なら、あっという間に逆手に取り、
笑いに変えてしまうと思うが・・・ どんなもんだろう?

大阪都構想については、いろいろ勉強して、深掘りしてみたが、
大阪市民じゃないし、投票前ということもあり、
メリットやデメリットについては・・・ あえて、触れないことにしておきたい。

ネット情報では、行政サイドの誤報や、中立を無視したメディアの偏った報道など、
事態は泥沼化しているようだが、
このことについて、東京のメディアは殆んど取り上げることがない。

一昨日、若手芸人が起こした、ひき逃げ事件よりは、格段に重たい案件だと思うが、
東京のメディアの扱いは・・・ 殆んど無視である。
こういったこと一つだけ見ても、この国のメディアの偏向と劣化が、ハッキリと分かるんだから、
情けないを通り過ぎて、ソフトな圧力になっていることを、我々は知っておかねばならないだろう。

とはいえ・・・ ここまで来るのに、相当な時間を費やしたが、
大阪維新が仕掛けた、昨春の府知事と市長を選んだダブル選挙から1年と半年が経ち、
その答えが、明日には明らかになる。

2020年、霜月の朔日(ついたち)
約400年の時を経て相まみえた、天下の台所を分割する大戦(おおいくさ)が決着する。
さて、軍配はどちらに上がるのだろうか?


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