時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

メンツと見栄とプライドの祭典

2022年03月14日 | スポーツ観戦

多摩爺の「スポーツ観戦(その31)」
メンツと見栄とプライドの祭典(北京2022)

「北京2022冬季パラリンピック大会」の開幕が1週間後に迫った2月24日、
ロシアがウクライナへ侵略戦争を仕掛け・・・ 平和の祭典はすっかり興醒めしてしまった。

IOCを始め、FIFAなどの国際的なスポーツ連盟の多くが、
ロシアとベラルーシを、国際大会から閉め出す決定を次々と下すなか、
開会式が前々日に迫った2日、IPC(国際パラリンピック委員会)は、
個人資格でメダルがカウントされない、中立という立場での出場を一旦は認め、公表したものの、
相当の批判があったのだろう・・・ 前日になって、ロシアとベラルートの参加を認めないとした。

スポーツに政治が介入すべきではないという声は・・・ 正論だとは思うものの、
国連の安全保障会議で常任理事国でもあるロシアが、ウクライナに仕掛けた侵略戦争で、
いままさに・・・ 多くの死傷者がでている最中(さなか)、
スポーツと政治を別次元のことだとして切り離すのは・・・ 無理がある。

砲撃によって・・・ 人が亡くなっているのである。
子供たちや老人を含め、病気の人々など、
自らの足での行動が困難な人々が標的となり・・・ 犠牲になっているのである。

そんななか、瓦礫と廃墟と化した町から、北京にやって来たウクライナ選手団は、
ニコリともせず、険しい表情で拳を突き上げながら・・・ 開会式の入場行進を務めると、
IPC会長は「いま、世界で起きていることに恐怖を感じている。」として、
「PEACE(ピース)」と絶叫し・・・ 平和を訴えたが、
ホストを務めた中国では、10数秒間の沈黙とともに同時通訳をさけ、無視することを選んだ。
これもまた・・・ スポーツへの政治介入と言わず、なんというのであろうか?

盛り上がりに欠け、すっかり注目度を失った「北京2022」の後半戦が・・・ 昨夜閉幕した。
まずは世界から北京に集ったパラアスリートたちと、
彼ら彼女らを、陰日向なく献身的に支えてきた、家族や関係者の労を労いたい。

さて、開催国は、それでも「北京冬季パラリンピック大会」は、大成功だったというのだろうか?
閉会式での注目はその一点だけだったが・・・ 中国のトップは語らなかった。
語るつもりがなかったのか? 語ることができなかったのか?
そこんところは分らないが・・・ メンツを重んじる、見栄っ張りの国だけに、
ロシアに泥を塗られた大会で語ることは・・・ プライドが許さなかったのだろう。

あくまでも個人的な主観だが、商業主義だと批判されているオリンピックだが、
スポンサーがいることで国際大会が放映され、選手のモチベーションにもつながると思えば、
一概に商業主義だからといって批判する必要はないと思っている。

しかし、北京2022のように、人権問題があり、尚且つ平和を訴えるスピーチを遮るような国で、
国際大会を行うことには甚だ疑問があり、当該国で戦火は上がってないものの、
こういった行為は、まさにスポーツへの政治介入だと思っており・・・ 正すべきだと思う。

IOCなど、国際大会を主催する組織に、その力がないのであれば、
あくまでも一時的にだが・・・ ロシアや中国を中心とした国際大会と、
民主的な国々で行う国際大会に分かれて開催するのも、
検討する必要はあっても良いとさえ・・・ 思ったりしている。

残念かもしれないが、スポーツに政治は介入しないなんてことは詭弁であって、
大規模なスポーツ大会などは、政治が補完していると捉えたら・・・ 実に分かり易い。
スクラップ&ビルドすれば良いと思っている。
こういったタイミングを好機と捉え、大会の狭間で一度バラバラにして再構築すれば良い。

他国を侵略し、ドーピングに開き直る国や、人権問題に頬被りする国と、
スポーツでメダルを競えといっても・・・ それは無理だと言える、絶好の機会ではなかろうか?

まずは、あるべき姿から議論を進めていけば良い。
併せて、多くの人々が疑問を持っている商業主義についても、
重要なような課題として・・・ 議論すれば良いのではなかろうか?

まぁ、そんなことを、そこら辺りに屯する爺さんがぐだぐだ言っても、だれも相手にしないが、
それにしてもだ・・・ 参加国数も、参加人数も、競技数そのものが少ないのも分るが、
国際的な平和の祭典なのに、ライブ中継がほとんどなかったのはなぜだ。

どうせ見るのは隠居した暇な老人だけだから、
視聴率が取れないって言われたら・・・ それまでのことだが、
民放ではニュース番組のスポーツコーナーでちょっと触れるだけだし、
NHKは、ほとんど録画で、結果は既にネットで知れ渡っており・・・ 感動の度合いが違う。

BS放送で、どこかで見たような再放送番組を流すぐらいなら、
パラリンピックのライブ中継をしてほしかったと思うのは・・・ 私だけではなかっただろう。


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2022年 3月 4日(金)~13日(日)
冬季パラリンピック 北京大会

[金メダル] 4個
 1. 5日(土) アルペンスキー     女子滑降(座位)        村岡桃佳
 2. 6日(日) アルペンスキー     女子スーパー大回転(座位)   村岡桃佳
 3. 7日(月) クロスカントリースキー 男子20キロクラシカル(立位) 川除大輝
 4.11日(金) アルペンスキー     女子大回転(座位)       村岡桃佳

[銀メダル] 1個
 1. 7日(日) アルペンスキー     女子スーパー複合(座位)    村岡桃佳 

[銅メダル] 2個
 1. 5日(土) アルペンスキー     男子滑降(座位)        森井大輝
 2. 6日(日) アルペンスキー     男子スーパー大回転(座位)   森井大輝


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