時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

幇間(太鼓持ち)が跋扈する。

2020年07月21日 | 時のつれづれ・文月 

多摩爺の「時のつれづれ(文月の11)」
幇間(太鼓持ち)が跋扈する。(東京アラートを茶化したことから始まった。)

ネットや地方のトップの声に、マスコミが悪乗りし
徹底的に叩きまくった「GoToトラベルキャンペーン」

政府は東京都民の利用と、上京を対象から外すということで落としどころを探ったが、
「既に予約したキャンセル料をなんとかしろ。」といった声が日増しに強くなり、
どうやら国費で負担することになりそうである。

先週末の国土交通大臣の発表では、対象となる22日から起算して5日前になることから、
通常の場合キャンセル料はかからないと、事務レベルでは想定していて、
キャンセル料の負担はしないとしたが、実際はそうではないことが判明したため、
ドタバタになったものの、キャンセル料の負担をするとの発表に至っている。

確かに制度設計が拙いということは否めないし、あまりにもお粗末すぎるだろう。
それにつけても・・・ 不思議に思うのは、
ジャーナリストや専門家と云われる人々が発する同調圧力である。

制度設計が拙いことは否定しないが、寄って集ってキャンセルの嵐に追い込んだのは、
マスコミだといっても・・・ 過言じゃないだろう。

政策の拙さをボロクソにいうのは、百歩譲って可としても、
どんなにボロクソの政策だろうと、これをしくじったら、
どれだけ地方の観光業界に打撃を与えてしまうのか・・・ ?

そこまで踏み込んだコメントをするコメンテーターはいないし、専門家も見かけない。
彼らからしたら、地方の観光業界など、どうでも良いとは云わないが、
どうにでもなると思っているのだろう。

コメンテーターや専門家の肩書でワイドショーに出て、
制度の不備を指摘した後は、滔々と持論を展開したうえ、
極めつけは「ほれ、みたことか?」のような捨て台詞を吐き、
まるで、あざ笑っているかのような姿を・・・ 恥ずかしげもなく晒している。
いったい、何様のつもりなんだろうか?

申し訳ないが・・・ こういった人たちは、学生時代にちょっと頭が良かったこと(学歴)に加え、
達者な口と、物怖じしない度胸で業界に幅を利かす、目立ちたがり屋であって、
ワイドショーというお座敷に、掛け持ちで呼ばれた、
主(あるじ)や、お客のご機嫌を取ることを生業とする幇間(太鼓持ち)だと思えば実に分かり易い。

また、制度の抜け穴(例えは適切じゃないが)を指摘するのは良いとしても、
その指摘の仕方が高飛車過ぎる。
「こういった場合は、どうするんだ? どうしてくれるんだ?」といった上から目線じゃなく、
「こういった手順なら、利用することもできる。」といった視点で説明すると、
テレビを見てる側もムカつくことなく「あぁ・・・ そうなんだ。 その手があるんだ。」で済む。

例えるとするなら、昨年のM1で3位になった「ぺこぱ」というコメディアンが用いる、
否定しないギャグで、ボケてくれれば・・・ 悪い気はしない。

極論だが、こういった政策を100%間違いなく運用するのは至難の業である。
団体旅行の人数は、何人から何人までか?
高齢者や若者の年齢は、何歳から何歳までか?
住所を確認できるものを持ってなかったら、どうすればいいのか?
それを決めろと云うのは正論だが、ごまかす業者や旅行者が出てくることまで抑えこむのは難しい。

よって「それで良い。そんなもんだ。」とは言えないが、
だからといって、地方への効果を無視することは出来ず、
政策を小ばかにするまでの必要が、いったいどこにあるんだと申し上げたい。

業者や利用者が怒るのは尤もだが、
ちょっと知恵を使い、ちょっと工夫すれば良いだけのことであって、
ズルくなれとは言い辛いが、世の中ってそんなもんじゃないんだろうか?

マスコミが騒ぎすぎるから、それすら出来なくなってしまい、
結果的に自分で自分の首を絞めることになっている。

制度設計がどうであろうと、時間がなかろうと、
感染を拡大せず、税金を無駄にせず、キチンとお金を現場に落とす。

そういった知恵出しをする番組があれば、視聴者の意識も変わると思うが、
それがないことから・・・ マスコミの声が大きくなるにつれて、
観光業界の声はどんどん萎んでしまい、
無責任な第三者のコメントと、旅行予定者のキャンセルだけが、日々増えて行く。

お上は無理をしてまで「旅行しろ。」と云ってるわけではない。
普段の生活と、現在の健康に自信ある人が、旅行にでかければ良いだけのことである。
また、そういった人たちは、東京がキャンペーンの対象外であっても、普通に行動するだろう。
旅行にでかける人たちを、玄関の前で見張って、その行動を阻止することはできない。
ただ、それだけのことである。

「ぺこぱ」の松陰寺なら、ボロクソに突っ込まれた政策を、どんなボケで笑わせてくれるだろうか?
不謹慎とのお叱りを受けるかもしれないが・・・ 聞いてみたい気がする。

くれぐれも言っておくが、こういった政策を多とするものではないし、
そういった意見があることも当然だと思っている。

ましてや・・・ 政府の肩を持つつもりもない。
とはいえ、初めての試みに、最初から完璧な制度設計が出来るわけがないと捉えれば、
何度も何度も見直しが必要になるわけであって、
地方のトップからも臨機応変な対応が必要との声が出ている。

にも拘わらず、「この政策は間違ってる。」と一刀両断に切り捨て、
あたふたする政府を、あざ笑うマスコミの姿勢は・・・ ホントに正しいことなんだろうか?

幇間(太鼓持ち)を使ってまで、一方通行だけしか報道しないマスコミの劣化が、
この国の民度を、引き下げているような気がしてならない。

キャンペーンの恩恵を受けることなく、この4連休に、自らの意思で上京してきた地方の人々が
地元に戻ってしばらくした後、感染していたなんてことが起こらないよう願ってやまないが、
それでもそうなったら、マスコミは必ずと言って良いほど、政府の責任に転嫁するだろう。

SNSやワイドショーなどに、数多いる幇間(太鼓持ち)のなかで、
最も罪な発言だったと思うのは・・・ 1か月半前に東京アラートを茶化したことじゃなかろうか?

内容的にはいろいろあったかもしれないが、
多くの幇間(太鼓持ち)たちが、面白おかしく茶化したことにより、
都民の緊張感は一気に緩み、危機感があっという間になくなってしまった。

そして・・・ 若者を中心とした多くの都民は、
都知事が発する警報を、全く持って気にかけることなく、舐め切った行動を取るようになっている。

この責任は、極めて重たいはずだが、そこに触れるマスコミは、どこを探しても見当たらない。
いまさらだが、寄って集って東京アラートを茶化したことを、
キチンと総括して欲しい思うが・・・ どうだろう?

SNSとマスコミで跋扈した、数多いる幇間(太鼓持ち)による、
人災の影響はあまりにも大きかった。
政策の批判はあって良いが、政策の実施阻止に繋がり兼ねない軽率な発言が、
数多あったことを忘れてはならない。

偉そうなことを言うほど、たいした生き方をしてきたわけじゃないが、
発言に影響力のある人たちが、こういった状況下において「言いっ放し。」はないんじゃなかろうか?
そんなことを思いつつ、細心の注意を払って、
虚しい日々を過ごしている人は、私だけではあるまい。

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