goo blog サービス終了のお知らせ 

tamagoxのブログ

主にゲーム関連のことを綴っています ※二代目ブログ

【ネタバレ有】『MONSTER HUNTER WILDS』のストーリーを解説

2025-03-02 08:19:10 | モンスターハンターシリーズ

現時点をもって『モンスターハンター:ワイルズ』のスタッフロールまで進めることができたので、本作におけるストーリーを解説してみようと思います。

主に本筋に絡む話のみ解説します。

当然ながらネタバレ満載なのでご注意を。少し考察も含みます。

 

(2025/3/7:エンディング後のストーリーを追記しました)

(2025/4/5:タイトルアップデート第一弾のストーリーを追記しました。一部内容を訂正しました)

 

 

◇導入部分のあらすじ

洞窟のような通路で人々が未知のモンスターの襲撃を受け、一人の少年を逃がすシーンから物語は始まる。

 

一方ハンターズギルドは「禁足地」と呼ばれる大陸の東側の調査を開始した。

しかし東と西を隔てる砂漠に倒れている一人の少年を発見。少年は「ナタ」と名乗り、モンスターに襲われた故郷「守人の里」に戻りみんなを助けたいという旨をギルドの人間に伝える。

 

それから数年、かねてより計画していた禁足地探索がついに始まり、砂上船が大陸の東側を航行。この船にはナタも同乗していた。

そこでモンスターの群れに襲われる先住民を発見。知らない民族が暮らしていることが発覚する。

現地に住む人々の助けも借りながらナタの故郷探しと、里を襲ったモンスター「白の孤影」、絶滅種「アルシュベルド」を追う旅が始まる。

 

 

◆フィールド

どのフィールドにも

資源や食物に乏しい「荒廃期」、

過酷な天候の「異常気象」、

資源や食物に恵まれる「豊穣期」が存在し、決まってこの順番で環境が変化する。

 

・隔ての砂原

暮らしている民族は「クナファ」。異常気象として「雷を伴う砂嵐」が発生する時期があり、その後には荒地が草原になるほど豊かな地になる。

主人公一行はここで「リュウヌ」と呼ばれる未知の固形燃料のような物質を生活に使う村人を目撃する。

 

・緋の森

暮らしている民族は獣人族「モリバー」。異常気象として「集中豪雨」が発生し、その後はあらゆる植物が葉や花を開く。

古い遺跡と森が絡み合ったようなフィールド。

 

・油湧き谷

暮らしている民族は「アズズ」。異常気象として谷全体が業火に包まれる「火走り」が発生する。

絶えず油がそこかしこから湧き出している溶岩地帯。主人公一行はここで白い螺旋状の構造物が異常気象の原因だということを突き止める。

 

・氷霧の断崖

守人の一族が暮らしている寒冷な地。異常気象として「猛吹雪」が来るほか、浮遊している岩場、明らかな人工物で構成されたエリアなど他のフィールドとは異質。

当初は氷の壁に閉ざされていたものの火走りの影響で氷が溶け、ナタはここから白い螺旋状の構造物で出来た地下道を通って大陸の西側にたどり着いたことが判明する。

 

・竜都の跡形

氷霧の断崖の遺跡群の中にある白い構造物と白い植物で埋め尽くされた地。守人の里はこの場所にある。

 

 

◇「護竜(ガーディアン)」とアルシュベルド

旅の中で何度か「白の孤影」アルシュベルドと遭遇するものの、他のモンスターをひたすら襲ったり属性エネルギーを吸収したりとその目的や生態は謎に包まれていた。

その中でナタは里を襲ったアルシュベルドに強い怒りを露わにしていく。

また、守人の里に近づくにつれ白い物質を吸収し傷を回復する謎のドシャグマやリオレウスとも遭遇。

これらの討伐後の調査では食道や胃といった食に関わる部位や生殖器が存在しないという異様な個体であることが判明する。

 

物語の終盤でついにナタは守人の里に帰ることができ、一族と再会することができた。

そこで主人公一行とナタは白い繭の中に異様なモンスターたちが眠る場所で衝撃の事実を聞かされることとなる。

 

これらのモンスターやアルシュベルドは古代文明の技術で人工的に造り出されたモンスターであることが判明する。

1000年の昔、栄華を極めた「竜都」という大都市がこの地にあり、その成れの果てが氷霧の断崖周辺の遺跡群であった。

竜都は都市の繁栄のために既存のモンスターをベースとしてそれを都合のいいように造り高度な警備・外敵排除システムとして運用しており、

食事を必要とせず、寿命も無限なため生殖の必要もないモンスターを造り出し都市機能の一部としていたのである。

 

こうして造り出されたモンスターを総称して「護竜(ガーディアン)」と呼んでいた。

護竜は「龍灯」という無限のエネルギー源から「竜乳」と呼ばれるエネルギーを受け取ることで活動している。

途中で出会った異常なドシャグマやリオレウスも護竜であり、また本作ではオドガロン亜種やアンジャナフ亜種など原種が登場しないのになぜか亜種だけ登場しているモンスターがいるが、

これらも護竜としての登場であり、これは古代の人間が意図的に防衛・索敵に適したモンスターを選んで護竜として製造・運用していたためと思われる。

絶滅種であるはずのアルシュベルドがなぜ生き残っていたのかは、当時生息していたであろう本来のアルシュベルドをベースに造り出した護竜であったからというのが真相。

 

護竜はモンスター図鑑では姿かたちを問わずすべて「造竜種」として分類され、共通して「○○(元となったモンスターの名前)の力を宿した」という説明文が入る。

このことから護竜は既存のモンスターを改造したなどというものではなく、生命の基となる何かにモンスターの遺伝情報を流し込んだものを培養することで造り上げられている可能性が高い。

 

地下にあった白い螺旋状の構造物は「練竜脈」といい、竜乳のエネルギーを各地に伝達するためのパイプやケーブルのようなものであり、ほかの先住民がリュウヌと呼んで知らずに使っていたものは固形化した竜乳だったのである。

そして古代文明はこの竜乳のエネルギーを利用し天候や環境も思うがままに操作しており、その技術の名残が禁足地全体に起こる「異常気象」であり、環境が規則正しいサイクルで変化する正体でもあった。

(先住民族はこの環境変化を当たり前のことだと認識しており、これが自然だと思っていた。)

しかも氷霧の断崖近辺に関しては反重力エネルギーをも生み出していたことが示唆されており、我々の知る現代科学よりもはるかに高度な文明であったことがうかがえる。

反重力を用いることで「天まで届く建造物」を造っていたとも語られ、過去のシリーズで登場した「古塔」や「天廊」といった古代の建造物もこの技術で造られている可能性も出てきた。

 

しかし、その繁栄は自らが呼び寄せた「大いなる災い」によって終わりを迎えることとなる。

(この災いが何なのかは具体的には語られないものの、一国を瞬く間に壊滅させた「黒龍災害」、もしくは竜たちの怒りを買った「竜大戦」の可能性もある。特に黒龍災害に関してはシュレイド王国の滅亡時期と竜都の滅亡時期が同じく1000年前と重なる。)

 

そして守人の一族は古代文明で護竜を造り出した科学者たちの末裔であり、文明崩壊後もこの地に残り命の行く先を見守る責務を負った者たちであることも語られた。

守人はこの責務を守り1000年もの間、廃墟の地下で誰とも交流せず古代文明が遺した高度な技術を使って静かに暮らしていた。

 

アルシュベルドは本来必要ないはずの他のモンスターへの襲撃や、属性エネルギーの吸収を行っていた。

アルシュベルドは造られた生命であるにもかかわらず本来の生命の形を取り戻そうとしており、その手段として属性エネルギー(=自然の力)を取り込んでいた。

「鎖を断ち切って自然に生きる生命のひとつになりたかっただけ」というのがアルシュベルドの目的であり、

それを知ったナタは、自分の祖先が都合のいい生命を造り出し要らなくなったら閉じ込めていたという事実、そんなアルシュベルドに対し辛辣な感情を抱いてしまっていたことに苦悩を見せ、アルシュベルドに対する同情の念も見せるようになる。

 

アルシュベルドは本来のエネルギー源である竜乳の摂取も止めることは出来ず、そこに属性エネルギーをも取り込んだことでエネルギー過多となり暴走して各地で襲撃を繰り返していたのではないかということ。

そのため捕食とは名ばかりの殺戮を繰り返すアルシュベルドを討伐せざるを得ない状況となり、ナタに反対されながらも討伐することとなってしまう。

 

 

◆「龍灯」と竜都の切り札

古代文明の無限のエネルギー源「龍灯」、そのエネルギーを直接摂取し眠りにつく存在がいた。

それが「竜都の切り札」と呼ばれる最終兵器「ゾ・シア」である。

この存在も護竜(ガーディアン)であり、目覚めればとてつもない被害を出すことは想像に難くない。しかも少しでも刺激を与えればすぐに目覚めるという見解もある。

源である龍灯を停止させればゾ・シアも活動停止するだろうという意見の基、竜乳の性質を相殺する物質で作られたナタのペンダントを投げ入れることで龍灯を停止させる作戦が決行されることとなる。

しかしそれはこの地で暮らす人々の生活基盤が失われることも意味する。

作戦が決行される直前で主人公が取った行動は「ペンダントを投げ入れずゾ・シアを討伐する」というもの。生態系のバランサー「ハンター」としての最終決戦が始まる。

 

・「ゾ・シア」

白い竜乳の繭がまるで羽毛に見える天使のような風貌の超大型モンスター。しかし装甲が剥がれたり火炎を使いだすと黒い悪魔のような本体が姿を覗かせる。

戦闘が進むと全身が黒い禍々しい姿となり、見覚えのある火炎を使った技や赤い稲妻を使いだす。このとき主人公がこの姿を知っているような意味深なセリフを喋るが、

ゾ・シアのベースに使われているモンスターは複数のミラボレアス種である可能性が高い。もしくは「他の素材」を使うことで黒龍たる存在を模倣しようとしたのかもしれない。

翼や頭部にはおぞましい量の角らしきものが生えている様子も確認でき、古龍は角で属性エネルギーを制御する種が多いことと、

形がミラボレアス種のそれと似ていること、上記のように火炎放射、メテオ、プロミネンス、赤い稲妻など複数のミラボレアス種の技を使ってくることから、黒龍系統がベースとなっていることはほぼ確実。

作中で実際に「禁忌級モンスター」として扱われた。

 

 

◇終結

ゾ・シアを討伐したことで脅威は去り、龍灯を破壊しなかったことでこのエネルギーに支えられた禁足地の環境、護竜をも自然の一部として既に取り込んでいる禁足地の生態系、各部族たちの生活はこれからも変わらず続いていくこととなった。

鎖を断ち切って自由になる。そんなアルシュベルドの生き様から学んだナタは告げる、守人の一族ももう過去の鎖を断ち切って外の世界に旅立つときなのではないかと。

 

ナタは主人公を先生と呼び、作中でのセリフや恰好からも察するにハンターを目指すこととなると思われる。そんなおり、主人公はフィールドで発見したあるものをナタに見せる。

それは生殖能力を持たないはずのアルシュベルドの卵の殻だった。それは生命としての機能を取り戻しており生命の本懐である「子孫を残す」ことが既に出来ていたことを意味していた。

うれしそうな表情を見せるナタと砂原に去っていく一行。物語はここで終幕となる。

 

 

◆新たな生態系と狂竜症(エンディング後のストーリー)

ゾ・シアを討伐したことで各地に流れ込む竜乳のエネルギーに変化が生じ、生態系や気象のサイクル間隔がこれまでとは異なるものとなった。

これまで見られなかったモンスターも姿を見せるようになり、新たな生態系の調査を続けることになる。

しかし、その中に「狂竜症」を発症したモンスターが確認される。加えて各地で異常気象が続くという事態も発生。

この事態にファビウス卿も調査に参加。狂竜症の根源たるモンスター「ゴア・マガラ」の討伐に向けて動くことになる。

 

調査の結果、龍灯そのものが狂竜ウイルスに感染し暴走した結果エネルギーの流出が続いているのではないかという推論が立てられることになる。

ならば治療薬を精製すれば「治療」も可能となるとのことで、ゴア・マガラを討伐するとともに治療薬に必要な体組織を入手することになる。

 

このことから龍灯と錬竜脈は機械などではなく、生体組織のようなものである可能性が高い。

つまり古代人は生命を造り出すだけでなく、生体構造を自在に操作し都市機能や建造物として利用していたということになる。

 

 

◇「原種返り」

龍灯の治療が終わってからしばらく、今度は各地の頂点捕食者が相次いで襲われるという事態が発生する。

様子を見るにさらなる上位種による捕食ではなく、ただ強大な力でねじ伏せられたものであることが分かった。

調査で分かった特徴からこの事件の原因はアルシュベルドの別個体、人知れず子孫を残して繁殖していた内の一体であることが判明する。

 

そしてこの個体は錬竜脈を通して送られていたわずかな狂竜ウイルスを生物濃縮されたものとして体内に取り入れていた結果、狂竜症に近い暴走状態にあるという。

次にアルシュベルドが向かう先はまだ襲われていない「レ・ダウ」の根城であるという推測のもと、隔ての砂原最奥にある風吹き山に向かう。

 

風吹き山で確認された子孫のアルシュベルドは護竜としての特徴を持っておらず、「原種返り」を起こしており、本来のアルシュベルドに近い個体となっていた。

しかし暴走状態にあるため狩猟することとなる。

 

 

◆「最終兵器」の復活(タイトルアップデート第一弾のストーリー)

アルシュベルドの討伐からしばらく、龍灯に蕾状の竜乳の繭が確認されゾ・シアが再び現れることとなった。ハンターが再び討伐へ向かう。

しかしこの個体は新たに造られたものや、別に存在していた個体というものではなく、以前討伐したゾ・シアが復活したものである可能性が高いと結論付けられる。

わずかな細胞でも残っていれば龍灯のエネルギーを使い何度でも蘇る驚異の再生力を持つことも示唆された。

 

 

・本作のシリーズでの時系列について

『モンハン4』での登場人物が歳を重ねた姿で登場することや、ゴア・マガラが既知のモンスターとして新たに「亜龍種」として分類されていることから『4』より後の話なのは確定。

また、現大陸が舞台の本作で新大陸発祥の技術である「スリンガー」や「剣士とガンナーの防具の統合」が使われていることから、『アイスボーン』より後の時系列だと思われる。

(『アイスボーン』の最終アップデートで登場したミラボレアス戦の直前に、スリンガーの技術が現大陸の人間に初めて伝わったため)

このようにミラボレアス戦での出来事を本作の前日譚としてあてはめて考えてみると、大陸の東側の探索に踏み切ることができたのは東西を隔てるシュレイド城を根城にしていたミラボレアスを討伐できたからと考察することもできる。

 

 

 

 

 

◆所感など

本作は『モンハン』でありながらストーリーにかなり力を入れており、かつ「生命の在り方」「人の手による命」「どこまでが自然なのか」など結論を出すのが難しい攻めたテーマをあえて採用していることに驚きました。これらを踏まえると「ワイルズ」というタイトルも深い意味が込められていることがわかりますね。

序盤は正直ムービー続きでクエストもマルチも満足にできないし、もともとモンハンに凝ったストーリーなどはないだろうとタカをくくっていたので「なんか違うなあ」と感じていたのですが、最後までプレイしたら意外性と踏み込んだテーマと世界観に手のひらを返しました。

スタッフロールのあとに流れる、アルシュベルドの卵の殻が見つかるシーンでちょっと泣きそうになりましたし。

 

そしてついに出してきた人造モンスター。資料集に「イコール・ドラゴン・ウェポン」という人造竜が載って久しいですが、あくまで古代技術を垣間見る参考程度のもので本編にはまさか出ることはないだろうと思っていたら、

人間の駒として利用されていた正真正銘の生体兵器を出してきて、それを狩猟することになるとは夢にも思いませんでした。

アトラル・カやナルハタタヒメなど人間が作ったものを武器として利用するモンスターが登場してきてからそっち方面への期待めいたものは持ってはいたのですが、とうとう人間が造った兵器そのものとの戦いが実現してしまいましたか。

 

劇中で言っていましたが、人間の所業も含めて「自然」であること、それを忘れてはならないというファビウス卿のセリフは、

神のようにすべてを操った古代文明が「大いなる災い」によって滅びたということを踏まえると、そのようなことを繰り返してはならないという警鐘なんでしょうね。

自然の一部であることを忘れた時、その自然から手痛いしっぺ返しを食らうぞという。

 

今までのシリーズでは古代文明というと一部の武具やフィールドの遺構に出てくる程度でフレーバーくらいの登場にとどまっていましたが、話のメインに据えるとは思い切った方向に舵を取ったなと思うし、

未開の大陸を舞台とした『ワールド』とは正反対だなとも思いましたね。『ワイルズ』は未開どころか超高度な古代文明が既に存在していた地なわけで。

 

それと本作は登場人物といい、復活モンスターといい、『モンスターハンター4』を意識したネタが多いのがうれしかった。

ジェマ姉さんはセリフと服のロゴからして「我らの団」にいた鍛冶屋の娘でほぼ確定だし、筆頭ハンターとゴア・マガラが対峙する構図をまた見ることができるとは。

 

まだまだエンドコンテンツもアップデートも残っているのでこれからも遊び続けようと思います。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ARK:Survival Ascended』プ... | トップ |   
最新の画像もっと見る

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2025-04-05 15:23:13
(この性質のためアルシュベルドは他のモンスターからも恐れられる存在であり、クナファの人たちはアルシュベルドの鎖のような部位から発せられる音に似た音を出す装飾を村全体に付けることでモンスターの侵入・襲撃を防いでいた。)
>ここちょっと違います。あれの装飾は蒼雷晶なのでレ・ダウの発する音ですね
返信する
Unknown (tamagox)
2025-04-06 12:11:17
>Unknown さん
ありがとうございます。訂正しておきました
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

モンスターハンターシリーズ」カテゴリの最新記事