今更ながら『ゼノブレイドクロス』の謎や考察とかを自分なりの考えも含めていろいろ書いていきたいと思います。
まず記事内に何度も出てくるであろう基本的な用語をおさらい
当然ながらネタバレだらけです
※2025/6/09 一部リマスター版で明かされた部分を追記しました
・惑星ミラ
異星文明同士の争いに巻き込まれた人類が地球を脱出、航行の末に落着した惑星。
環境の異なる5つの大陸が確認されている。
大気成分、放射線レベル、重力ともに地球人類の生存に適している。
多種多様な原生生物が複雑な生態系を築いている。また、先住民としてノポン人がいる。
航宙図にも載っておらず、ゆがんだ時空が囲んでいたりと謎が多い。
・ドール
地球人類が開発した対異星人用人型兵器。
地球が異星文明に対抗するために造り上げた兵器で、地球が蹂躙された際には異星文明の戦力に全く歯が立たなかったが、その後は研究・改良を加えて異星文明の機体を少数くらいなら撃退できるくらいにはなった。
ミラ落着後は未知の鉱石や機関の発見、異星人の協力もあって異星文明のそれとくらべても遜色ない戦力となった。
後にフライトパックの完成により、大気圏内での飛行が可能になった。
また地球人は便宜上異星文明の搭乗兵器もドールと呼んでいる。
・白鯨
地球脱出の際に打ちあがった多数の移民船のうちの一隻。正式名称「地球移民船L-002」。
脱出に成功した後、2年間航行を続けていたが異星文明の追撃に遭い、主機関が大破したのち、惑星ミラに墜落する。
墜落時に残ったのは街をそのまま内包したユニットとセントラルライフと呼ばれる機関のみで、
そのほかの船体は砕けてミラ中に散らばった。
ドールはこの白鯨の主動力から動力を受け取って動いている。ちなみに半永久機関で動いており、光の速度を超えて航行できる。
・B.B.
地球人類が現在持っている機械の体。正式名称「ブルー・ブラッド」。
何十年、何百年かかるかわからない当てのない移住の旅に備えて開発されたもの。
基本的に元と同じ姿を忠実に再現されるが、大金やコネで違う姿になる者もいる。
コールドスリープされた本当の体から意識を転送して動いている…と表向きには言われている。
元の体に戻った際、生活に支障をきたさないよう生理現象も再現されている。
名前通り血が青い。
・セントラルライフ
地球人類や地球の動植物がコールドスリープしているとされている施設。
ミラ落着時に白鯨から分離しどこかに墜落してしてしまった。これを探し出すのが劇中での最大の目的。
主動力から分離しているので副動力で稼働しているものの、副動力のエネルギーには限りがありタイムリミットがある。
実際はコールドスリープしている体などは存在せず、地球のあらゆる動植物の遺伝子をデータ化し保存、同じく内部にある原形質溶液に遺伝子データを流すことで体を再生するというシステムだった。
唯一コールドスリープしていたのは異星人だったエルマのみ。
B.B.に意識を転送しているコンピュータも内部にあり、意識データはセントラルライフ下部のエリアにあるサーバーに保存されている。
・地球種汎移民計画
異星文明の争いが地球圏まで波及することをエルマの来訪により知った地球政府が立案した、
地球の生物を別の星へ移民・繁栄させようとする計画。
当初はコールドスリープの計画もあったが、遺伝子のデータベースと原形質溶液を乗せた方がはるかに多くの人や動植物を運べるということから遺伝子や意識のデータ化計画に決定された。
(これは倫理的な問題から幾度となく議論された)
・グロウス
地球人類を敵対視している異星人連合組織。総統はルクザール。地球を襲った勢力の内の一方。
地球人の生身の体を異様に恐れておりセントラルライフごと地球人を殲滅しようとする。
様々な星の異星人が所属し、バイアス、マルナーク、デフィニア、ミルサードなどの種族のほか、
強制的にグロウスに降るしかなかったラース、オルフェ、ザルボッカなどの種族もいる。
実はサマールと呼ばれる巨大星間連合組織の一角でしかなくルクザールもサマール連合内では「下級領事」でしかない。
その正体はサマールの民によって人工的に創られた生命体。
・サマール連合
グロウスを擁する巨大星間連合組織。
グロウスのもつ巨大な旗艦を兵のごとく膨大な数を保有しており、グロウスは氷山の一角でしかないことがわかる。
・サマールの民
ルクザール曰く別の世界からやってきた生命体。
人工生命体を造り出し、それがグロウスとなる。
ルクザールは地球人類をサマールの末裔と呼称していた。
残された謎
1:壊れていた意識データベース
エンディング後に流れるムービーでは、
「セントラルライフ下層にあるデータサーバがミラ落着時に既に壊れていた」という内容のもの。
当然意識のデータがなければB.B.は動かないため、本来ならミラに墜落したときに人類は全滅しているはず。
直後のエルマのセリフから、B.B.を動かしているのは惑星ミラのなんらかの力が作用しているとみられる。
推測1:ミラ、または生命を統べる者がB.B.の地球人類をミラで生きる生命と認識した。
推測2:リンやNPCのセリフから地球がまだどこかに存在するという推測ができるため、それを前提にミラ=地球とすると生身の体がミラのどこかに本当に存在し意識を転送している。
DE版で明かされた真相:宇宙と宇宙の狭間の世界にあるとされる「意識の結節点」というあらゆる宇宙の意識が集まる場が存在し、そもそもその場所に意識が存在するためセントラルライフのデータベースはその理を模したシステムでしかなかった。
2:目覚めるラオとそれに近づく謎の人物
最終決戦でラオはルクザールとともに原形質溶液に沈み、ルクザールや地球の生物と融合した姿になってしまうが、最後のムービーでは海岸に流れ着いており、
それに近づく謎の人物と目を覚ますラオでムービーが終わる。
推測:融合したとはいえ、B.B.であるために原型を留めていることは考えられる。謎の人物は黒い姿やマントが確認できるため、設定資料集に存在する「黒騎士」なる人物だと考えられる。(資料集の解説文から考えられるシーンもここのみ)
DE版で明かされた真相:海岸は惑星ミラではなく上記の「狭間の世界」。そこに近づく人物は白鯨落着前に狭間の世界に迷い込んだ英雄「アロイス・ブルノルト」。
この時点でラオのB.B.は機能停止しており、意識だけの存在となっていた。ラオはこの時英雄アルにリンへのメッセージを託した。
3:歪なミラの大陸
ミラには現在確認できるだけで5つの大陸があるが、そのどの大陸にも文明レベルがことなる遺跡や遺物が存在する。また環境が極端でNPCからもそういう話が聞ける。
設定資料集には各大陸を「召喚された異世界」や「作りかけの部分」などの記述で呼んでいる部分がある。その通りであるならば何者かによる意思で造られたということになる。
推測1:様々な星から切り貼りされた。黒鋼の大陸のことをラース星と呼んでいる記述も資料には存在する。
推測2:前作『ゼノブレイド』と同じ舞台か。構造は大きく変わっているが、草原の大地と機械のフィールド、南と北の大陸を結ぶ細い部分など構成が似ている。
DE版で明かされた真相:すべてが明かされたわけではないが、新プレイアブルキャラの「ニール・ネール」のキズナクエストにて忘却の渓谷の遺構や黒鋼の大陸の遺跡群はクリュー星系の技術によるものだと判明した。
忘却の渓谷のリングは環境改変システムであることも発覚。後に兵器に転用され滅亡の道をたどった。
4:地球を襲ったもう一つの勢力
片方の勢力はサマール連合だが、もう片方の紫色の生物じみた宇宙船の勢力は何者か明らかになっていない。サマール側は地球人類を滅ぼしに来たのであって、他勢力との戦闘は地球圏内で偶発的に勃発したことになる。
また、白鯨を追撃してきたのも紫の勢力側である。
サマールと戦闘になり、地球人類側も襲うことから第三勢力ということだけはわかる。サマール側が地球を発見したのは地球人の発したプレートを発見したということがわかるが、紫側はわからない。エルマはなぜこの衝突を予見していたのか
推測:宇宙船やドールなどではなく生物。設定資料集によると「ゴースト」と呼ばれている。後述するが、アレスというドールがこれと酷似した素体を持っており、生物的な解説も添えられている。
DE版で明かされた真相:宇宙を矯正する自然災害的な存在「ゴースト」と判明。
グロウスの創造主「ヴォイド」に呼応している様子も描かれている。この場合は惑星間、種族間規模の争いになると現れる。
ヴォイドは闘争から生きようとする意志が生まれる場に現れ「死」というものを知るために敗者を抹消しようとしていた。
ゴーストはコアが光ると目標物を文字通り消し去ることができ、地球もこの原理で消滅させた。消滅させたのは地球だけでなくその前にはエルマの故郷も消滅させており、さらに地球消滅と同時に地球があった宇宙そのものも消し去っていたことが判明。
5:異星人同士でも意思の疎通ができる
言語の全く異なる種族間でも意思の疎通ができる。言語が変換されているわけではなく、
相手の言っている言葉の意味が理解できるという状態。
言葉自体はそのままのためしりとりは成立しないということが劇中で明らかになっている。
惑星ミラそのものの謎として残っていることが会話からわかる。
6:テレシアの存在
前作『ゼノブレイド』で登場した、巨神側が生み出した「不浄な命を刈り取る者」。
本作でもテレシアの名を冠する生命が同じく不浄な命を刈り取る者として存在する。
推測:『ゼノブレイドDE』の追加ストーリー「つながる未来」にて別の世界に繋がる次元の裂け目にテレシアたちが特効を仕掛けていた。
その中の一部個体が惑星ミラに流れつき棲みついた可能性も考えられる。
7:ルクザールの言う「あのお方」の存在
ルクザールが幾度となく呼ぶ「あのお方」。
暗黒物質で構成された機体であるウィータがその人物を呼ぶ「器」らしい。
その人物でなければウィータは本来の力を発揮できない。
推測:ルクザールの言動から物理的に来るというより、高次元的な場所から召喚するというニュアンスのほうが近いか。
サマール連合の上司とかよりはるかに崇高な存在と思われる。
DE版で明かされた真相:グロウスの創造主「ヴォイド」のこと。ヴォイドの本体は「狭間の世界」に存在し、実体を伴って宇宙内に存在できないためウィータを依代として降臨する。
その正体は元サマールの研究者であり、「ゲート」を使い禁忌の研究に手を染めたことで狭間の世界へ永遠に幽閉された。別の世界からの干渉により狭間の世界に亀裂が入り活動を再開した。
グロウス自身もヴォイドの「敗者は消えるのみ」理論の対象だと思われる。ミラでグロウスに勝利した地球人も消そうとしていたのは地球での戦闘で敗者扱いになっていたためしつこく追撃していたと考えられる。
8:エルマやナギの言う「あの人」の存在と英雄
エルマとナギの会話で何度か出てくる人物。ダグもちらっと口にする。
ミラ落着時に行方不明になっている。
戦闘終了の掛け合いから、どうやら「いない人」らしい。
白鯨が追撃されたときに敵を撃退した英雄だということだけわかっている。
推測:没になった名あり主人公のことか。というのも敵を次々と撃破しているムービーに映っているのが謎多きドール、アレスであり、設定資料集によるとアレスは主人公機だったもよう(もしくはなる予定なのか)。
つまり乗っていたのが元主人公(これから主人公かも)であり、「いない人」もメタ的な意味で考えられるセリフでもある。
DE版で明かされた真相:ゴーストを退け白鯨を守った英雄「アロイス・ブルノルト」。愛称は「アル」。ゴースト追撃部隊との戦闘中に「狭間の世界」へ飛ばされ漂っていた。
この時様々な並行宇宙の存在を知覚しており、『ゼノブレイド』『ゼノブレイド2』『ゼノブレイド3』の世界を観測している。
乗機「オリジナルアレス」の導きによって惑星ミラへ戻ることができ、ゴーストやウィータ(ヴォイド憑依)との戦いに参加した。
ちなみに地球人では唯一生身の体を持つ人物。DE版の新規プレイアブルキャラでもある。
9:アレスの謎
他の機体とは一線を画すドール、アレス。
オリジナルアレス、プログアレス、生産アレスの3種が存在する。
推測:オリジナルアレスはおそらく上記で元主人公と思われる人物が乗っていた。複座式。プログアレスと生産アレスはコックピットが既存ドールと同じことからオリジナルを再現したものだと思われる。
資料集ではアレスの素体姿が載っているが、これが地球を襲った紫の勢力「ゴースト」と酷似している。
また、「細胞の増殖を抑えるレザーアーマー」の解説や変形ではなく「変体」と呼べるほどの形態変化から生物と思われるような要素も多くみられる。
劇中に実際に登場するのは、素体にレザーとアーマーをマウントし、その上に車両形態用の追加装甲とタイヤ、そしてフライトパックを取り付けた姿である。
DE版で明かされた真相:オリジナルアレスはエルマの母星で造られたもの。高度な技術力を持つエルマの母星でさえ全容が理解できていない特殊なドール。
超古代のサマール文明の遺物からエルマの母星で再生された存在であり、その上でパーツを取り付け何とか制御できるようにしたものでしかないという。
その後エルマによって地球へ持ち込まれ、すべての地球製ドールの始祖となったと考えられる。地球人にも扱えるように一部地球規格にローカライズもされた。
「コア」と呼ばれる並行世界を転移できる機構が備わっており、ウィータ(ヴォイド)にコアを奪取されてしまったが後に取り戻している。
その起源はまだサマールの民の一人であったヴォイドが「ゲート」の力を使い製造した機体。
なおオリジナルアレスは生身の体でしか扱えず、しばらく使いこなしていると機体と深くリンクする。
コアを通じて狭間の世界と繋がっているらしく死者の意識と会話が可能で、これによって既にいない人物から力や導きを受けることができる。
生産アレスもプログアレスもオリジナルアレスを模して造られたものだと思われるが、狭間の世界へのアクセスや並行宇宙への移動能力は備えていない。
オリジナルアレスは登場からしばらくはアル専用機だが、最終局面で主人公が乗り込み13章後編をクリアすることですべてのキャラが乗ることができるようになる。
10:タツの存在と言葉
『ゼノブレイド』にもタツというノポン族が存在した。
また、地球人類のことを「ホムホム」と呼ぶシーンがある。(『ゼノブレイド』で人の姿をした種族は「ホムス」という名前で、前作でもノポンはホムホムと呼んでいた)
単なるファンサービスか?
推測:前作とのつながりを考えるならば、矛盾を解決しなければならない。
前作は地球の衛星軌道上での実験に失敗、結果別の宇宙、『ゼノブレイド』の世界が誕生した。
つまり本作のストーリーと矛盾する。
しかし矛盾を解決できるような要素がいくつか存在する。
ミラが航宙図にすら載ってない惑星であること、別の世界からきたサマールの民など
多世界解釈、別の世界やパラレルワールドを行き来するような描写が散見される。
その場合、前作と本作のどちらを時系列の前後にするかで解釈も異なる。
DE版で明かされた真相:『ゼノブレイド』およびそのナンバリングシリーズとは並行世界という関係が描写された。
(厳密にいうと『ゼノブレイド3』は他のナンバリングとは別の世界の話ではないがここでは詳細は語らない)
ただしノポンの存在については不明。
11:ミラを囲む時空間湾曲と先に落着していたグロウス
未来人ことドクターBが未来に帰ろうとしたときにミラを巨大な時空間湾曲が覆っているというセリフがある。
また、白鯨とともに墜落したはずのグロウスが先にミラに落着しており活動している。その他落着時にミラが急に現れたようなことを話す人物もいる。
(そもそも白鯨を追撃したのは紫の勢力でありグロウスではない)
推測:ここでもミラ=地球説。
地球は「光に包まれて消滅した」としか言われていない。バラバラに砕けたとか滅亡したとかは明言されておらず、リンの独白でも地球の存在を仄めかすセリフがある。
ミラが時間や空間、別世界などに転移されたか魔改造された地球であるならば、もともと地球を襲っていたグロウスは先にミラにいてもおかしくはない。
DE版で明かされた真相:冒頭で地球が消滅したシーンにて実は宇宙ごと消滅していた事実が発覚。
その後に惑星ミラが存在する別の宇宙へ白鯨やグロウスは丸ごと転移・落着という流れになっていた。
「眼下にミラが急に現れた」、「グロウスが先に落着していた」という現象や、そのほかウィータがミラに落着していたのはこれが原因。
ミラが存在する宇宙はそもそも宙域が極端に狭いため「コア」を使い別の宇宙へ転移しないと脱出が不可能だった。
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