maaolaの旅日記

2008年は京都はもちろん、函館、伊豆、熊本、萩・津和野、香港・マカオへ行く予定

ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展

2008-03-23 22:22:40 | 旅の資料(本・記事・映画など)
滋賀県立近代美術館で開催中の「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展」(30日まで)に行ってきました。

滋賀県では有名なヴォーリズですが、全国的な知名度はどうなんでしょうね。
滋賀県の散策していると、ヴォーリズの名前がよく出てきます。数年前に改築問題で有名になった豊郷小学校もヴォーリズ建築の一つです。

【印象に残った展示】
○駒井家住宅(京都市左京区):[写真]
他のスパニッシュ・スタイルの建築の展示を見ていて、もしかしたら駒井家住宅もヴォーリズ?と思っていたら本当にそうでした。駒井家住宅は、日本ナショナルトラストが管理されていて、一般公開されています。(公開日に注意)
ヴォーリズの建築には関西学院大学などスパニッシュ・スタイルが目立ちます。


○東華菜館(京都市下京区)
四条通の南側、鴨川沿いにある中華料理店です。目立つのでよく知っていますがヴォーリズ建築とは知りませんでした。
4/12、写真を追加しました。


○日本基督教団大阪教会(大阪市西区):
以前に散策していた時、掃除をされていた方に、どうぞお入りくださいと親切に声をかけていただきいたことを思い出して、懐かしく見ていました。


○フロインドリーブ(神戸市中央区):
有名なドイツ菓子店です。うちでは毎年クリスマスに、シュトーレンを注文しています。

○活水学院本館(長崎市):
オランダ坂の「東山手十二番館」で、受付の方が、むかいに活水学院本館の建物が大きな珍しい建物があるんだけれど、残念ながら高台にあるので見えないと説明してくれたことを思い出しました。


【展示の構成】
1.湖国のユートピア
2.ミッション建築家として
3.都市の建築
4.軽井沢-自然の緑と住む
5.『吾家の設計』と住宅建築 ※『吾家の設計』ヴォーリズの著作

建築物の設計図面と写真パネル、模型が多いです。ほかにビデオ上映(前編見ると30分くらいかかります)のあとには、椅子などの装飾家具やヴォーリズの軽井沢別荘の実物大模型などがあります。
近江兄弟社やメンソレータムの展示は若干で、建築がメインです。その辺は「青い目の近江商人メレル・ヴォーリズ」(文芸社)が詳しいです。特設ショップでも販売されていました。

写真は、増田彰久さんの撮影のものが多数展示されています。芸術品です。なお、増田彰久さんの著作も、特設ショップで売られていました。


「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展」の公式HP
滋賀県立近代美術館の地図(google)

明日への遺言

2008-03-14 23:55:36 | 旅の資料(本・記事・映画など)
米軍の無差別爆撃は国際法に違反しており、それを実行した搭乗員は捕虜ではなく戦犯であり、それを処罰したとしても国際法には違反していない。
このことをアメリカ人の弁護士が立証しようというところに、当時の米国および民主主義の偉大さを感じます。

また「法戦」を訴えて、部下を守り、米軍の無差別爆撃に対して筋を通そうとした岡田中将の態度にも心を打たれます。
最後のシーンで裁判官が救いの手を差し伸べますが、毅然として従来の主張を変えることはありませんでした。

大半が法廷のシーンで、戦闘シーンは全くありませんが、女性2人の証人の証言によって、列車への機銃掃射と神戸の孤児院での空襲の体験が語られます。それが妙にリアルでした。思わず涙が出てきました。

ながい旅

2008-03-14 23:53:18 | 旅の資料(本・記事・映画など)
●ながい旅
大岡昇平著(2007.12)、角川文庫

映画「明日への遺言」の原作です。映画を見る前に読み始めたのですが、途中で断念しました。やはり、軍隊の組織、特に法務の組織体制や東京裁判といった背景がきちんとわかっていないと読みにくいです。

余談ですが、文庫本の巻頭に岡田中将ご本人の写真が掲載されています。あまりに男前なのでびっくりしました。


○主な登場人物
・岡田資(たすく)中将
・大西参謀
・フェザーストン博士(弁護人)
・バーネット検事
・ラップ裁判長
・温子(はるこ)夫人
※P55-60に、横浜法廷の説明があります。

○印象に残った文章
(P8)
私は昭和四十三年『レイテ戦記』執筆中、軍人は上級になるほど政治的になり、ずるくなるが、軍司令官クラスには立派な人物がいることを知った。

(P18)
「さんざん爆弾で人を殺しておいえ、自分はパラシュートで降りてきて、助かろう、というのは、虫が良すぎるわね」
これが当時の主婦のいつわらざる感情であって、それはまた降下搭乗員を斬首した日本軍兵士のものでもあった。

(P194)
温子連日法廷の傍聴御苦労である、話すことは規定が許さんが、私にはそなたの顔の表情を見れば、其の意味は十分に通ずる。笑を交換する丈で結構々々。

(P252)
お世話になった検事や弁護士には、左右に寄り添ふMPのために、遂に挨拶の黙礼も出来なかつたが、傍聴席にゐた妻には出る間際に相当接近し得たので、一言『本望である』といつた。

○目次
責任
軍律
横浜法廷
反対尋問
弁護側証人
公判の合間に
司令官の証言
法務官
判決まで
新生

加藤清正(上、下)

2008-03-12 21:20:29 | 旅の資料(本・記事・映画など)
●加藤清正(上、下)
海音寺潮五郎著(1986)、文春文庫

熊本への旅の準備です。熊本のことを直接知るというよりは、清正公が何をしたのか、どういう人だったのかを知っておきたいと思います。これで親近感がわきましたから、熊本の本妙寺へもお参りしようかという気になるものです。

○目次
★信長の時代: 清正、秀吉のやり方を学ぶ
<上巻>
初見参
佐吉と市松
落城遺芳
飛竜の時
武士の鑑
★秀吉の継承: 清正、七本槍の功績で五千石を拝領
山崎合戦  ←この前、天王山(山崎城跡)へハイキング
賎ヶ嶽以前
賎ヶ嶽合戦  ※七本槍(p177)
★小牧山・長久手の戦い~九州征伐: 清正、肥後北半分を領有
お篠
しッぱらい
半国の主

天草一揆
錦衣帰郷
★朝鮮出兵(文禄の役)
妙法の旗と薬袋
出しぬく
先登争い
<下巻>
再度の衝突
鬼上官
和戦虚々実々  ※清正の虎退治(p79)
★朝鮮出兵(慶長の役)
地震加藤  ※被災した伏見城で秀吉に釈明する
再征
撤兵
★関ヶ原の戦いの時代(九州での戦い)と論功行賞
領国経営
肥後全国の主
築城
★徳川の時代
六尺の狐
胡孫
金官
歌舞伎遊女
幼な妻千姫  ←この前、知恩院勢至堂でお位牌を見ました
六月二十四日

★は、後で読み返す時、わかりやすいように、私が勝手につけた区分です。
※や←はコメントです。

・大阪城冬の陣、夏の陣は清正の死後になります。

新建築 2008年3月号

2008-03-12 20:30:31 | 旅の資料(本・記事・映画など)
新しい建物や公共施設のオープンの資料として、毎号、内容をチェックしています。
建築雑誌なので、ちょっと変わった建物が紹介されています。掲載されている建物・施設は、会社や学校、個人の住宅などであることもあるので、公開されていないものが多いです。

●今月号で注目の施設・建物
○グラントウキョウ サウスタワー+ノースタワー(I期)
○プロジェクト:グランルーフ 
  ※東京駅八重洲口の再開発です。大丸のビルがなくなってしまうんですね。
○呉市音戸市民センター
  ※以前、音戸の瀬戸公園に花見に行ったので親近感がありまして。写真がそれです。
  「呉インターネット写真ニュース」の記事によると、賛否両論あるようですが。

○金刀比羅宮新茶所 『神椿』
  金刀比羅宮 神椿のHP http://www.kamitsubaki.com/
○箔座ひかり藏
  箔座のHP http://www.hakuza.co.jp/
  ※金沢のひがし茶屋町に金箔を貼った蔵ができました。

新建築社のHP(日本語)

ナショナル ジオグラフィック 2008年3月号

2008-03-08 00:45:04 | 旅の資料(本・記事・映画など)
●ナショナル ジオグラフィック 日本版 2008年3月号

【今月号の特集】
○動物の知力
◎古代の海を制した南太平洋の民
  古代ラピタ人はいかにして大海原を越え、太平洋に散らばる楽園の島々に住み着いたのか。
○米国西部を襲う干ばつの脅威
○宇宙を解き明かす神の素粒子
◎岐路に立つブータン 「国民総幸福量」政策の行方
  2008年に初の民主政体が発足するブータン。伝統とバランスをうまくとりながら、近代化を進めることはできるのか。

古代の海を制した南太平洋の民:
昨年(2007)、大阪の国立民族学博物館(みんぱく)で、「オセアニア大航海展」がありました。この展示も見ていましたし、最近「銃・病原菌・鉄」(ジャレド ダイアモンド著/草思社)を読んでいたので、多少物足りなく感じました。

岐路に立つブータン:
新聞記事になることが少ないブータンがまとまった記事になることは少ないので貴重な特集です。ブータンではみんな民族服を着ていると想っていたので、首都ティンプーの若い女性たちの写真で洋服を着ているのは以外でした。なお、本文にも書かれていますが、民族服は「ドゥクバ」というそうで、国王が着用を命令したのだそうです。そのあたりの政治面の話がメインです。
一般的な事情は「地球の歩き方 ブータン」で補強を。

スカイワード 2008年3月号

2008-03-07 23:50:14 | 旅の資料(本・記事・映画など)
●スカイワード 2008年3月号

【今月号の特集】
○オーストラリア 13歳、冒険の大陸へ
  ・シドニー ・ブルーマウンテン ・ウルル
○ベトナム 鉢の中の桃源郷
  ・ハノイ ・バチャン ・ハロン湾 ・ニンビン ・バンロン
○東京 幻を想う町
  ・根津、谷中、千駄木界隈

birdさんの「だから旅は一人旅がやめられない」
うんうんわかる、船長さんの「一人旅?何でまた?」最近は少ないですが、私もよく言われます。
『一人旅は旅先でいろんな人たちとの出会いをより感じることができるようになる気もするのだ』。一人旅の醍醐味はまさにこれです。

ニッポン御当地ランチ食遊記の「伊達巻寿司」(千葉県銚子市)
写真をみると「なんじゃこりゃ」とびっくりすること間違いなしです。玉子焼とごはんの量が逆転しています。「漁師のプリン」の別名もあるそうで、『食感はプリンそのもの』だそうです。宮崎県日南市の飫肥の厚焼(厚焼き玉子)を思い出しました。飫肥のそれもプリンみたいな感じです。

「ダーウィン展」が紹介されています。抽選で招待券がプレゼントされます。

2月から中国東方航空(MU)とJALマイレージプログラムと提携したと掲載されています。昨年(2007年)のロンドン往復は上海経由の中国東方航空でした。もっと早く提携していてくれたら、マイルがたまったのに...

来月号は「ドリトル先生に誘われて」がたのしみです。またイギリスに行きたくなるなぁ。困ったなぁ...

ダーウィンの足跡を訪ねて

2008-03-06 01:05:53 | 旅の資料(本・記事・映画など)
●ダーウィンの足跡を訪ねて
長谷川眞理子著(2006.8)、集英社新書ヴィジュアル版002V

昨年(2007年)、イギリスを旅するにあたっていろんな本を読みました。
ディケンズ、オースティン、ブロンテの小説、小池滋、出口保夫、高橋哲雄、川北稔の著作のほか、アーツ・アンド・クラフツ運動、産業革命(アークライト、ワット、運河、鉄道)、イギリスの近代史、政治といったキーワードを含む本、それに夏目漱石、南方熊楠のロンドンでの生活ぶりなど、主に19世紀~20世紀の大英帝国を知りたいと思って、手当たり次第に読みました。
結局、アイルランドをメインにすることにし、イギリスはロンドンだけに絞ったので、ダーウィンまで手が回らなかったのですが。

今年は「ダーウィン展」が開催されますので、これを機会に読んでみることにしました。
※東京上野・国立科学博物館、3月18日から6月22日まで
 大阪市立自然史博物館は7月19日から9月21日まで。
ダーウィン展の公式HP

タイトルのとおり、ダーウィンゆかりの地を著者が訪ねています。いわゆる伝記ではないのですが、ダーウィンの生い立ち、家族構成、職業といったことをひととおり知ることができます。特に学生時代の生活は、先に挙げたディケンズや小池、川北両先生の本を読んでいたので、目に浮かぶように理解できました。
地図や写真を見ていると、またイギリスを訪れたくなります。

なお、ビーグル号や進化論については、詳しく書かれているわけではないので、他の本で補足が必要です。


○目次
1 ダーウィンのおもしろさ
2 シュルーズベリ
3 メア・ホール ←母方の実家
4 エジンバラ ←父の仕事を継ぐべく医者をめざすが断念
5 ケンブリッジ Part1 ←英国国教会の牧師を志す
6 ケンブリッジ Part2
7 ウェールズの山
8 ビーグル号の公開
9 ガラパゴスの動物たち Part1
10 ガラパゴスの動物たち Part2
11 標本のゆくえ
12 エマとの結婚
13 ダウン・ハウス Part1
14 ダウン・ハウス Part2
15 モールヴァン&イルクリー
16 ダーウィンの死

ドイツ・ポスター 1890-1933 PLAKATE

2008-03-01 13:30:00 | 旅の資料(本・記事・映画など)
京都国立近代美術館で開催中の「ドイツ・ポスター 1890-1933 PLAKATE」を見に行ってきました。

PLAKATEはドイツ語でポスターのこと。1933年はナチスが政権を握った年で、ドイツ近代ポスターの歴史はここで幕を閉じます。

ポスターは文字から絵画、さらには「画・背景・文字」というデザインへと発展する一方で、小さなものから大きなものへと発展していったそうです。初期の時代には、コストを抑えるために、テンプレートが用意され、広告主は空いた余白などに文字や画を上書きするというようなこともあったようです。
ホームページの発展と似たようなところがありますね。歴史を知ると、「なんだいまと同じじゃないか」って思うことが多々あります。

パンフレットには、ベルリンで活躍したルツィアン・ベルンハルト(Lician Bernhard)しか書かれていませんが、ミュンヘンのルートヴィヒ・ホールヴァイン(Ludwig Hohlwein)も印象的です。ヴィルヘルム・モーザー食料品店のポスターなんか今でも使えそうです。エビがおいしそうー。

ベルンハルトの作品では、(遠くから眺めていると)コーヒーハーグ、カフェイン抜きとボッシュ給油器が目を惹きます。同じ並びにあるユリウス・ギプケンス(Julius Gipkens)の「S-i印、ザロッティ、お菓子を買うならS-i印パッケージだけ」も目に留まります。(あとで売店に行くとポスターになっていました)

ベルンハルトとホールヴァインはともに第一次大戦の戦争公債のポスターでも登場します。ともにサインがいい感じです。ホールヴァインのサインの変化はちょっと興味を持ちました。

戦争の暗いポスターから一転、20年代のポスターになると、鮮やかな色遣いの大きなポスターが多く展示されています。中でも「エルスター温泉」のポスターが印象的でした。戦間期のドイツというのはずっと暗い時代のイメージがあったので、少し以外でした。


最後になりましたが、ドイツ・ポスターの収集家であったハンス・ザックスのことを書いておきたいと思います。彼はユダヤ系の医師で、雑誌「ポスター」の出版者でもありました。彼のコレクションは、ナチスによって没収され、行方不明になっていました。戦後、東ドイツで一部が発見され、ドイツ統一後、エッセンのドイツ・ポスター博物館で展示されることになったものです。


○展示構成
第Ⅰ章 ドイツ近代ポスターの先駆者たち 1890-1900年
第Ⅱ章 ドイツ近代ポスターの黄金時代 1900-1914年
第Ⅲ章 第一次世界大戦中のポスター芸術 1914-1918年
1.ドイツ諸都市に開花したポスター芸術
2.ミュンヘン-ポスター芸術先進の地
3.ベルリン-ポスター芸術のメトロポール
4.ハンス・ザックスとポスター愛好家協会
第Ⅳ章 ポスター芸術の新潮流 1918-1933年
1.政治的ポスター
2.黄金の20年代-新しいライフスタイル
3.新たな造形言語の獲得
第Ⅴ章 日本にみるドイツ近代ポスター、その受容と展開
1.「六人組」、ドイツ商業美術の紹介
2.七人社と『アフィッシュ』
3.カルピス国際懸賞

googleの地図
京都国立近代美術館の公式HP

庭と日本人

2008-02-29 22:25:05 | 旅の資料(本・記事・映画など)
●庭と日本人
上田篤著(2008.1)、新潮新書246

帯に「なぜこれほど京都の庭に惹かれるのか」とあります。
たしかに紹介されている庭は、日向大神宮、伊勢神宮、熊野本宮大社、大覚寺(大沢池)、観修寺、平等院、西芳寺(苔寺)、妙心寺東海庵、東福寺龍吟庵、正伝寺、大徳寺大仙院、酬恩庵(一休寺)、円通寺、修学院離宮、水無瀬神宮、桂離宮、紫織庵など伊勢神宮と熊野本宮大社以外は、ぜんぶ京都の庭です。

【印象に残った点】
・庭の白い玉砂利や砂は音を立てて人に知らせる「警報装置」であるとともに、害虫の侵入をふせぐため。
・『方丈の庭は本来儀式をするところだから何もないのがあたりまえだ』P113
・『月がうつくしくみえるとき桂離宮は最高の姿をみせるのだ』P159

○目次
一 ストーンサークル - 太陽をのぞむ
二 白砂 - アマツカミをまつる
三 神泉 - 神々とあそぶ
四 宝池 - 極楽浄土をつくる
五 枯山水 - 仏をおがむ
六 露地 - 月をみる
七 借景垣 - 野をいだく
八 回遊路 - 名所をあるく
九 前栽 - 祖霊をまねく