●RSS(Rich Site Summary)
アールエスエス
Webサイトの見出しや要約などのメタデータを構造化して記述するXMLベースのフォーマット。主にサイトの更新情報を公開するのに使われている。
RSSで記述された文書には、Webサイトの各ページのタイトル、アドレス、見出し、要約、更新時刻などを記述することができる。RSS文書を用いることで、多数のWebサイトの更新情報を統一的な方法で効率的に把握することができる。
指定したサイトのRSS情報を取り込んで更新状況をまとめたWebページを生成するアンテナ(巡回)ソフトや、デスクトップに指定したサイトの更新情報を表示するティッカーソフトなどが開発されている。また、ニュースサイトや著名なウェブログなどでは、更新情報をRSSで公開するところが増えている。
RSSにはいくつかのバージョンがあるが、数字の大きいものが上位互換性を持った後継規格というわけではなく、いくつかはそれぞれ別物になっているため注意が必要である。最初のバージョンはNetscape Communications社が「My Netscape」サービスのために1999年に開発したバージョン0.9である。これはコンテンツのメタデータを記述する包括的な仕様「RDF」をベースにしたものだったため、RSSバージョン0.91では、サイトの更新情報の配信に特化した仕様に改められた。
その後、RSS関連の技術から手を引いたNetscape社に代わり、RSS-DEVワーキンググループという開発者集団が再びRDFベースの仕様「RSS 1.0」( 1.0)を提案した。高度な機能をモジュール化して追加できるなど本格的な仕様だったが、0.9x系列の方を好むユーザも依然として多く、こうした人々の手によって0.9xの後継となる「RSS 2.0」( 2.0)が提案された。こうした経緯のため、RSSの仕様は大きく「0.9-2.0系列」(Really Simple Syndication)と「1.0系列」(Rich Site Summary)の2系統に分裂している。
●CGM(Consumer Generated Media)
シージーエム
インターネットなどを活用して消費者が内容を生成していくメディア。個人の情報発信をデータベース化、メディア化したWebサイトで、Web 2.0的なもののひとつとされる。商品・サービスに関する情報を交換するものから、単に日常の出来事をつづったものまでさまざまなものがあり、クチコミサイト、Q&Aコミュニティ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、ブログ、COI(Community Of Interest)サイトなどがこれにあたる。
従来、インターネットメディアは雑誌や書籍などと同様にプロの書き手と編集者が内容を構成していく出版社型の事業モデルが多かったが、CGMでは一般の消費者が直接情報を投稿し掲載される。これにより実体験や生の声がリアルタイムにかつ膨大に提供・集積されるようになった。メーカーやマスメディアでは想定しえない特殊な事例や利害関係に束縛されない自由な意見が情報として集積されるため、消費者にとっては重要なサポート環境であり、メーカーにとっては商品の良し悪しがそのまま商品の人気に直結する場となっている。
例としては、「価格コム」「@コスメ」などのクチコミサイト、「はてな」「OKweb」「教えて!goo」などのQ&Aコミュニティ、「mixi」「GREE」といったソーシャルネットワーキングサービス、「ココログ」「ライブドアブログ」をはじめとする多くのブログサービス、「関心空間」「ベネッセウィメンズパーク」「みんなの就職活動日記」などのような共通の趣味や関心についてまとめられたCOIサイトなどがある。
●データマイニング
data mining
小売店の販売データや電話の通話履歴、クレジットカードの利用履歴など、企業に大量に蓄積されるデータを解析し、その中に潜む項目間の相関関係やパターンなどを探し出す技術。従来は、こうした取引の「生データ」は、経理処理に必要なだけで活用されていなかったが、情報技術の向上により、潜在的な顧客ニーズが眠る「鉱山」として「採掘(mining)」されるようになった。例えば、スーパーの販売データをデータマイニングで分析することにより、「ビールを買う客は一緒に紙オムツを買うことが多い」「雨の日は肉の売上が良い」など、項目間の相関関係を見つけることができる。また、クレジットカードの利用履歴を解析することにより、不正使用時に特徴的なパターンを見つけ出し、あやしい取引を検出するなどの応用も考えられる。
●スパム
SPAM
公開されているWebサイトなどから手に入れたメールアドレスに向けて、営利目的のメールを無差別に大量配信すること。インターネットを利用したダイレクトメール。
インターネットではメール受信のための通信料は受信者の負担になるため、スパムのように受信者の都合を考慮せず一方的に送られてくるこうしたメールは、極めて悪質な行為とされている。また、スパム行為は同内容のメールを一度に大量に配信するため、インターネットの公共回線に負荷がかかる点も問題となっている。最近はiモード携帯電話など、インターネット接続機能を持つ携帯電話に対するスパムが社会的な問題になっている。
「SPAM」とは、Hormel Foods社の味付け豚肉の缶詰の商品名のこと。イギリスのコメディー番組「Monty Python’s Flying Circus」(モンティ・パイソンの空飛ぶサーカス)の有名なコントに次のようなものがある。レストランに夫婦が入ってきてメニューを選んでいると、近くに座っているバイキングの一団が「SPAM、SPAM、SPAM!」と大声で歌いだす。次第に店員も「SPAM」を連呼しだし、最初は嫌がっていた夫婦も最後には屈してSPAMを注文せざるを得なくなる、という筋書き。ほしくもないのに大量に送りつけられてくる広告メールから、このコントでしつこく連呼される「SPAM」を連想したのが由来と言われている。
Hormel社は迷惑メールをSPAMと呼ぶことは許容しているようだが、社名や商品名に使うのは認めておらず、迷惑メール対策ソフトを開発していた「SpamArrest」社がHormel社に商標権侵害で訴えられるという事件も起きている。広告メールのほうは小文字で「spam」と書いて区別すべきという主張もあるが、一般にはこうした区別は定着していない。
●SEO(Search Engine Optimization)
エスイーオー
サーチエンジンの検索結果のページの表示順の上位に自らのWebサイトが表示されるように工夫すること。また、そのための技術。Webサイト構築などを手がける事業者の中には、SEOをメニューに用意しているところもある。
サーチエンジンは登録されているWebページをキーワードに応じて表示するが、その際の表示順位はそれぞれのサーチエンジンが独自の方式に則って決定している。この順位が上にある方が検索エンジン利用者の目につきやすく、訪問者も増えるため、企業などでは検索順位を上げるために様々な試みを行なう場合がある。その様々な技術や手法を総称してSEOという。
ディレクトリ型サーチエンジンは手作業で登録している場合には順位を変動させることは困難だが、Webページの全文検索を行なって一定のアルゴリズムに従って順位を決定しているロボット型のサーチエンジンでは、そのアルゴリズムを分析することで、特定のキーワードで検索された時に上位に表示されやすいWebページを記述することができる。 … 続きを読む
具体的なSEOの手法には、ターゲットにするキーワードの適切な選択や被リンク先サイトの増加などの手段があるが、サーチエンジンのランク付けのアルゴリズムは年々高度化が進み「攻略」しにくくなっており、さらに頻繁に変更が行われ激しく順位の変動が繰り返される。このためSEOには王道は無く、地道にコンテンツを充実させて認知を広げていく以外に着実な手段は存在しないと言える。
●CC(Creative Commons)
シーシー
新しい知的財産権の行使のあり方を提唱している非営利団体。法律が認める知的財産権をすべて行使したいわけではないという人たちも存在するという認識に基づいて設立された。著作物の広範な頒布を求める著作者が、著作権に関する法律が規定するすべての権利を留保するのではなく、一部の権利のみ留保したり、すべての権利を留保しない場合に、その意思を明示する簡便な方法を提供している。
著作権においては、著作権に関する表示をしなくても保護される無方式主義の国(ベルヌ条約加盟国)と、登録や作品の納入、著作権の表示などを要求する方式主義の国とがある。方式主義の国においても、万国著作権条約に加盟している国であれば、丸囲みに「C」を入れた記号と著作権者の氏名および最初の発行の年を表示することで著作権が保護される。しかしこれらはすべて著作権保護が目的であったため、著作者がどの程度の権利を留保するかを自由に選択することはできなかった。
インターネットの普及とあいまって一律の保護を望まない著作者が増加したため、インターネット関連法と知的財産権の専門家であるJames Boyle氏、Michael Carroll氏、Lawrence Lessig氏、MITのコンピュータサイエンス分野のHal Abelson教授、弁護士でドキュメンタリーフィルム制作者のEric Saltzman氏、そしてパブリックドメインによるウェブ出版者Eric Eldred氏が2001年に米国で設立した。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは誰でも無料で自由に使用することができる。ただし、米国と日本の著作権関連法には、権利の扱いや保護機関の差、著作権の制限条項などに違いがあるため、日本での推進団体にあたるCCJP(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン)が日本法への適応を図っている。
●ロングテイル
long tail
インターネット上での現象は、生起頻度の低い要素の合計が全体に対して無視できない割合を占めるという法則。少数の上位で全体の大半を占めるという、いわゆる「20:80の法則」に対するアンチテーゼで、ネット上での人々の行動の特徴を表す理論として注目されている。米WIRED誌の編集長だったChris Anderson(クリス・アンダーソン)氏が2004年10月に発表した「the Long Tail」という記事の中で提唱した法則。
マーケティングなどの分野では伝統的に「上位2割の合計が全体の8割を占める」という経験則が知られてきた。これは「2割の顧客から8割の売り上げ」「2割の社員が8割働く」などの形でよく知られているが、オンラインショップの売り上げなどを調べると、少しずつしか売れない商品の売り上げをすべて合計すると無視できない割合になり、逆に売り上げ上位の少数の製品を合計しても大した割合にはならないことが分かった。
この現象をグラフに描画し、縦軸に生起頻度(オンラインショップで言えば販売数量)を取り、横軸に頻度の高い順に要素を並べると、頻度の低い要素(あまり売れていない商品)の部分が横に長く伸びていることが分かる。これを動物の尻尾に見立て、「ロングテール」(long tail:長い尻尾)と名付けられた。物品の販売だけでなく、オンライン広告やWebページのアクセスなどでも見られる現象と言われている。
●フォークソノミー
folksonomy
インターネットのウェブサイト上で、写真や映像や文書などのコンテンツの投稿者や閲覧者が、投稿されているコンテンツなどに「タグ(tag、「猫の写真」「漁業」「人工知能」など、そのコンテンツの内容・属性を一言で記述する索引語やキーワードやラベルの様なもの、タグをつけることをタグ付けという)」を自由に追加し分類し、検索などに役立てるシステムのこと。サイトの作者や管理者自身がコンテンツの分類作業を行い閲覧者が関わることのできない従来の分類・検索手法とは異なり、分類作業が万人に開かれ終わりのないオープンなものであること、共同作業によるものであることが特徴。folks(人々)とtaxonomy(分類法)を合わせた造語。
フォークソノミーによるタグ付けは、インターネット上の情報の集合体の中から目指す情報や隣接した情報を、より探しやすく、見つけやすく、たどり着きやすくするために考え出された検索手法である。フォークソノミーがよく発達したサイトでは、ユーザーにわかりやすいようユーザー自身が考えた言葉による分類がなされ、情報へのアクセスがしやすいものとなっている。フォークソノミーの代表例として広く指摘されるウェブサイトは、多くの人々が写真を共有するサイト、Flickrと、多くの人々が興味あるブログ記事やニュースへのリンクを共有するソーシャルブックマークサイト、Del.icio.usである。
フォークソノミーはインターネットが媒介となる社会環境下で発達したものであるため、ユーザーは普通、リンクをたどってタグをつけた人物を確認することやその人物がつけた他のタグを確認することが可能である。こうしてユーザーは自分の考えや感覚に合うような投稿物(コンテンツ)の読み方、分類、タグ付けをする人物を気にするようになり、その結果あるコンテンツに関係する別のコンテンツを見つける能力は急速に向上する。
フォークソノミーの魅力のひとつはその固有の「破壊力」である。フォークソノミーはウェブサイトがトップダウン式に提供する検索ツール(検索エンジンなど)の巨大な能力に抗して、検索エンジンが一方的に重要とみなした検索結果を表示するような現状を拒否する動きである。また、ユーザーたちによる自発的なコミュニティに利益をもたらすよう、コミュニティ内で開発されたボトムアップ的な分類・検索ツールを支持する動きといえる。
フォークソノミーの創造物や検索ツールは、ワールド・ワイド・ウェブの基礎部分にあるプロトコルの一部ではない。フォークソノミーはウェブ・コミュニティの中で、タグの創造や使用のための技術が提供されることによって勃興した。こうしたコミュニティは、ユーザーたちに対して、写真、映像などユーザー自身の作り出したコンテンツを共有し分類(タグ付け)することを可能にするため創られたものである。また、ウェブサイト、ニュース、本、ブログ記事、論文などすでに存在するコンテンツを共同で分類するために創られたものである。
●アルファブロガー
Alpha Blogger
ブロガーの中でも特に議題設定効果が高く、他のブログへの影響力の強いブログの書き手を指す。アメリカでは、このようなブロガーをA-list Bloggerと呼ぶ。日本では特に、FPN主催の「アルファブロガーを探せ」企画で投票され、選ばれた人たちをアルファブロガーと呼びがちであるが、FPNの専売特許ではない。FPNの投票自体、メジャーなものでなく、そのブロガーの影響力や、人気が正しく評価できてるとはいえない。アルファブロガーをみつけだして紹介するという賞の性質自体が、アルファブロガーという言葉の定義に矛盾している。また、切込隊長、きっこといった嘘をついているとして炎上をしたブロガーも過去に選考された問題がある。最近の日本では経済的な問題を取り上げて 記事を書いているブロガーが人気。
●パレートの法則
経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説。
80:20の法則、ばらつきの法則などと呼ばれることもあるが、本来は別のものである。
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)が発見した冪乗法則である。経済以外にも自然現象や社会現象等様々な事例に当て嵌められることが多い。
ただし現代で言われるパレートの法則の多くは、法則と言うよりもいわゆる経験則のたぐいである。自然現象や社会現象は決して平均的ではなく、ばらつきや偏りが存在し、それを集約すると一部が全体に大きな影響を持っていることが多い、というごく当たり前の現象をパレートの法則の名を借りて補強している場合が少なくない。
また主要な一部(80:20の法則で言う20%の部分)だけが重要で、残りは重要ではないという説明がまれに見られるが、それも本来のパレートの論旨とは無関係である。
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