よろず戯言

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ひるね姫

2017-04-23 01:16:43 | 映画

先日の休みに映画を観てきた。

アニメ映画、"ひるね姫  ~知らないワタシの物語~"だ。

神山健治監督の映画オリジナル原作・脚本。

キャッチコピーは、"夢をみるのには、理由がある"。

 

 

それまでアニメ映画に抵抗があった。

子どもと一緒にポケモンアニメやディズニーアニメを観に行くことはあれど、

昨今のアニメ映画にさして興味もなかったし、

昔好きだったジブリアニメも、最近のものはどれも食指が動かない。

ところが、君の名は。のときに書いたけれど、

ブログフレンドさんからの薦めで、食わず嫌いせずに鑑賞してみた。

 

君の名は。と、この世界の片隅に

立て続けに二作品のアニメ映画を観たのだが、

どちらも面白くて、これからはアニメ映画も敬遠せずに観るようにしようと思った。

そしてさっそく、そのとき予告編を観て、公開されたら観に行こうと決めたアニメ映画があった。

主人公は女子高生・・・うーん、最近のアニメは女子高生好きだな・・・。

でも、その女子高生が喋っているのが、広島弁?!

後ろに見えている大きな橋は、しまなみ海道?!

これは観んといけんじゃろ!

 

劇場内には既にそのポスターも貼られており、特典付きだった前売券も購入。

例のごとく作品の詳細を調べることなく公開日を待った。

ただ、アニメの舞台は広島ではなく、お隣の岡山だというのが判る。

てことは、主人公が喋っていたのは岡山弁で、背景にあった橋は瀬戸大橋か。

ともかく、ローカル色が強くて面白そうじゃないか。

そんなわけで、公開されて間もなく、期待して鑑賞に臨んだ。

 

 

2020年、東京オリンピック開幕直前。

岡山県倉敷市で小さな自動車整備工場を営む父と暮らす、

女子高生、森川ココネ(高畑充希)。

母親はココネが赤ん坊の頃に事故死。

以来、口数が少なくて無愛想だが娘想いの父、モモタロー(江口洋介)とふたり暮らし。

 

モモタローは自動車整備の傍ら、友人の車や高齢の客の車に改造を施していた。

どの自動車メーカーも開発に成功しておらず、政府も認可していない、"全自動運転システム"。

タッチパネルに目的地を入力するだけで、勝手にそこまで運転してくれる。

ドライバーは寝ていても構わないという、究極の安全運転システムだった。

モモタローの世紀の発明のことなど知らず、天真爛漫に育ったココネ。

 

 

そんなココネも高校最後の夏休みを迎えようとしていた。

少し朝寝坊して、慌てて起きるココネ。

なぜか最近同じ夢ばかりみる。

そして、なぜか四六時中眠い。

 

夢の世界――。

そこは機械によって発展している、ハートランド王国。

国王(高橋英樹)は国民に国営の自動車工場での勤務を科し、

それで得た給金で新車を買うことを義務付けていた。

国王には、ひとり娘の幼い王女、エンシェンが居た。

夢のなかでのココネの姿が、このエンシェン。

 

 

エンシェンは魔法のタブレットを持っていて、

その魔法の力で、プレゼントされた犬のぬいぐるみに生を与えたり、

自動車工場の機械をオートメーション化して、工場のラインを無人化にしたりした。

だが、国王は魔法の力を嫌って危険視し、大臣ペワンの進言で、

エンシェンからタブレットを取り上げて、エンシェンも塔に幽閉してしまう。

――。

ココネは最近、そんな夢を毎回みるのだった。

 

 

終業式を終えたココネだったが、モモタローの友人から連絡が来る。

モモタローが警察に捕まった!

「お父さん、何やったんじゃろうか・・・?」

不安になるココネ。

モモタローからのLINEメッセージで、

お母さんの墓にタブレットが置いてあるから、それを守って欲しいといわれる。

タブレットを狙っているのは、大手自動車メーカーの役員の男。

墓には母の形見のイヌのぬいぐるみが供えられていた。

そのぬいぐるみのなかに、タブレットをみつけるココネ!

家に着くと、やはりモモタローの姿はなく。

途方に暮れるココネは疲れきって眠る――。

 

 

エンシェンは生を与えられたイヌのぬいぐるみのジョイ(釘宮理恵)とともに城を脱出し、

モモタローによく似た青年のピーチをしもべに加え

タブレットを取り返して、灯台の基地へと隠れる。

だが、そこへ城から大臣のペワンがやってきて、

ピーチを捕えタブレットを返せとエンシェンに迫ってくる。

――。

 

しかし、そのタブレットを狙って、

モモタローの言っていた役員の男、渡辺(古田新太)が家に侵入してくる。

目が覚めて、とっさに押入れに隠れるココネ。

渡辺と部下の男たちが、タブレットを探して家じゅうを探りだす。

うっかり居間に置いたままにしていたイヌのぬいぐるみ。

渡辺にみつかり、とうとうタブレットを奪われてしまう。

 

 

モモタローが逮捕され、ココネひとりで不安だろうと、

親同士が友達でもある、幼馴染の大学生、モリオ(満島真之介)が、

夕飯を持ってココネのうちへとやって来る。

モリオが来たため、渡辺たちは裏口から慌てて逃げる。

渡辺はタブレットのみならず、モモタローの娘であるココネも捕まえようとしていた。

部下をひとり残し、娘が帰ってきたら捕まえるよう命令する。

ココネは隠れていた押入れから出てきて、

ガレージにあったサイドカー付きのバイクに乗り込み、

渡辺の部下の目を盗み、モリオと共に自宅から逃げ出す。

 

 

渡辺の行方を追って、高松空港へ―。

そこでまんまとタブレットを取り戻すココネ。

東京の工科大学に行っている、理系オタクのモリオ。

タブレットの中身を確認してみると、全自動運転システムのプログラムだった!

渡辺はそのプログラムを利用して、志島自動車の乗っ取りを画策していた。

 

お父さんが、なぜこんなものを持っているのか?

そもそも、なぜ逮捕されてしまったのか?

そして渡辺が志島自動車の役員だと判る。

"志島"といえば、お母さんの旧姓・・・。

志島自動車の会長と関係があるのか?

タブレットを手に、ココネは真相を知りたくなるのだが、

色々あって疲れ、またも睡魔に襲われて眠ってしまう――。

 

 

エンシェンと一緒にモリオが居る。

モリオは魔法のタブレットによって生を与えられたサイドカー付きのバイク、"ハーツ"。

いや、バイク型のロボットとなったハーツに乗り、

エンシェンとともに、ペワンに捕えられたピーチの救出に向かう。

 

同時に目覚めるココネとモリオ。

ふたり同じ夢をみていた!

それ以上に驚いたのが、香川県の高松市、小さな神社で眠っていたはずなのに、

目覚めた場所は大阪の街のど真ん中だった!

ふたりが眠っている間に、サイドカー付きバイクが勝手にここまで運転していたのだ。

このバイクのサイドカーには、全自動運転システムが搭載されていた。

 

 

ここまで来たら、東京へ向かうしかない。

そこで志島自動車の本社へ行き、志島会長に会って直接話がしたい。

捕まったモモタローのこと、タブレットのこと、そして亡くなったお母さんのこと・・・。

新幹線で東京へと向かう、ココネとモリオ。

その車内で眠り、そこでみた悲劇の夢で、ココネは知らなかった"ワタシ"のことを知る。

夢のなかのハートランドの物語、それは遠い日、

自分がまだ幼かったころ、お父さんが枕元で毎晩語ってくれた物語。

その物語が、いろんなことを教えてくれていた。

お母さんのこと、お父さんのこと、・・・そして、おじいちゃんのことも・・・。

 

 

けっこう面白かった!

個人的には、君の名は。よりも楽しめた。

君の名は。と同じく、眠っているときにみる"夢"が物語のキーになっている。

あっちは、夢といっても現実だったが、こっちは現実とリンクしているだけで、あくまでも夢。

ただ、ラストの夢だけは、どうもイマイチ解りにくかった。

けっきょく、何がどうなってああなったのやら・・・。

けっこう端折られている感がしたので、

あの辺もうちょっと解りやすく画かれていたらなあと思った。

 

 

説明不足な部分が多いのも難点。

とくに夢の世界では、物語が飛び過ぎてしまっている。

あくまでも夢なので、断片的なものとしてアリといえばアリなのだが、

飛躍し過ぎたり唐突過ぎたりして、?な部分も。

でも、実際にみる夢のなかの物語って、大概そういうもんだよなあと納得できたりも。

夢の物語は劇中で画ききれなかった部分が、

"エンシェンと魔法のタブレット ~もうひとつのひるね姫~"というタイトルで、

フールーで配信されている。

興味あるけれど、フールー契約してまで観ようとは思わない。

 

現実と夢をいったりきたり、

けっこうバタバタしているので、ストーリーに追い付けない人も居るかもしれない。

とくに子どもには難解だろうから、観るとしたら中学生からかな。

小学生にゃ、ちょっと理解しきれないだろう。

夢の世界の登場人物、現実世界の登場人物。

夢の世界の物語と、現実世界で起こっている事件。

それぞれの真実が判ると、なるほど巧いなあと思った。

 

 

しかし、LINEやSNS、タブレットやスマフォ。

昨今のツールが活用されて、物語が進んでいく。

この映画に限らず、最近の現代劇の映画は、

実写にしてもアニメにしても、これらが使われないことはない。

どれも使わない、持っていない自分としては、

かなり出遅れているというか、取り残されたような気がしてならない。

だがしかし、わしはそんなもん要らん。

まだだ、まだ使わんよ。

それらを使わなきゃ生きていけないって時代になったら使う。

仕方なくだ。

 

 

ストーリーもよかったが、キャラクターもよかった。

とくに主役のココネ。

決して優等生ではない、ちょっとギャルっぽさのある快活な少女。

おてんばで天真爛漫なエンシェン。

ココネに振り回されるオタク男子のモリオ。

元ヤンのモモタロー、アウトローなピーチ。

厳格な志島会長とハートランド国王に、

ヒゲ面でいかにも胡散臭い渡辺、そして大臣ペワン。

ちょっと残念なのが、マスコットキャラのジョイ。

ぬいぐるみが素体なんで仕方がないのだが、

イマイチかわいさにパンチがない。

バイクロボットのハーツも同じく。

ちょっとベイマックス入ってるし・・・。

 

 

ココネの岡山弁がいい。

とと姉ちゃんこと、女優の高畑充希がココネの声を担当。

よく女の子の広島弁はとてもかわいいと言われるが、

よく似た岡山弁もなかなかだわ。

広島弁よりもパンチが効いとるかもしれん。

そして瀬戸大橋はじめ、描かれた倉敷の光景も美しかった。

倉敷の港町、児島や下津井地区ののどかな光景。

"ひっぱりだこ"の語源にもなった、名物の干しダコもたくさん描かれている。

岡山、行ったことがないが、倉敷はじめ行ってみたいのう。

岡山行くなら、まず最初は清水宗治の備中高松城址だな。

 

 

自分は面白いと思ったものの、あまり評判は芳しくなく、

公開一ヶ月で、既に上映が終了してしまった映画館もちらほら。

公開のタイミングが悪かったやも。

君の名は。の上映も細々と続いていて、まだまだ余韻が残っているときに、

似たような"夢"を題材にしたSFモノのアニメ。

春休みに合わせて公開したんだろうが、

もうちょっと待って、ゴールデンウィークか夏休みに公開すれば少し変わったかもしれん。

タイトルにインパクトあるんだけど、真面目だった君の名は。に対して、

このタイトルだと、どうしてもマンガチックな印象を抱いてしまわれがち。

夢の世界はファンタジーだったけれど、割と真面目なストーリーだった。

しかもこっちは深い家族愛が描かれていた。

こっちの方がぜったいに泣ける(自分は泣かなかったけど)はず。

DVDが出たらたぶん買う。

その時は、"エンシェンと魔法のタブレット"のディスクも封入されていると嬉しい。

 

 

前売り特典でもらえたクリアファイル。

二種類あって選ぶことができた。

自分が選んだものの表と裏。

 

劇場で購入したボールペンとクリアファイルセット。

前売特典でクリアファイルもらっていたの忘れて、またクリアファイルを買うという・・・。

デザインはまるっきり違うけどさ。

 

ボールペンには、ハーツのチャーム付き。

 

 

クリアファイルには絵コンテの原画カットも。

 

HMV店舗で映画の半券を見せるともらえたポストカード。

 

ココネのお母さんが08小隊のカレン曹長にみえて仕方なかった。

 



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