よろず戯言

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静岡旅行 沼津で一泊編

2017-04-25 00:48:16 | 旅行・まち歩き

先月行った静岡への旅行記、富士サファリパークのつづき。

 

義妹の厚意で、富士サファリパークから直接、沼津市にあるホテルまで送ってもらえた。

小高い山のふもとにある、パッと見、古いたたずまいの年季の入ったホテルだ。

ホテル・・というより、旅館って表現した方がしっくりくるかな。

 

一週間前にネットで予約したのだが、

御殿場市や裾野市周辺で、もうここしか残っていなくて仕方なく予約したホテル。

仕方なくとはいえ、駿河湾を臨む港町・沼津市にも興味があり、

ホテルの謳い文句が、"駿河湾の新鮮な海の幸を満喫","沼津市で唯一の温泉旅館"となっていて、

・・・あ、やっぱり旅館なんじゃん。

じゃらんじゃ、区分"ホテル"ってなっていたけどな。

そもそもホテルと旅館の区別がよく判らないな。

ホテル=洋室,旅館=和室 みたいなイメージなんだけど、違うよなあ。

 

旅館から見た沼津市内。

 

話がそれた・・・。

まあ、本来宿泊しようと思っていた場所とは少しズレてしまったが、

沼津に宿泊することになって、有名な干物をはじめ、

金目鯛やしらす,桜エビなど、特産品が堪能できる!と期待した。

そして一泊した翌日には、前から興味のあった深海魚水族館へ行くことに決めた。

なにはともあれ、これでよかった。

 

中央の独特の形状をした建物は、

沼津港にある、水門と展望台を兼ねた観光施設、"びゅうお"。

明日はここを目指して歩く。

 

さっそく旅館に入ると、入口のすぐ脇に、

よくある"歓迎"のプレート。

団体客だけかと思ったら、個人の客も書かれていて、そのなかに自分の名前もあった。

靴を脱いで、並べられているスリッパに履き替える。

フロントへ行くと、厚化粧のおばちゃん。

いや、もう、おばあちゃんと称してもおかしくはない年齢だ。

 

旅館から見た富士山。

 

部屋のキーを受け取り、さっそく案内してもらう。

案内してくれるのは、これまた高齢の仲居さん。

まずは目玉である、この旅館の温泉の説明。

温泉は大浴場となっていて、男性は19時までで、それ以降22時までが女性。

22時以降は早い者勝ちで、先に入ったひとが、

「男湯」or「女湯」の札を入口に提げてから入浴してくれとのこと。

チェックインしたのは18時過ぎ。

これから夕飯だろ・・男は19時まで・・もう温泉に入る時間ねえじゃん!

さすがに22時まで入浴待てんわ。

 

茶菓子として置かれていた、銘菓栗せん。

おいしかったので帰りに買おうと思っていたのに、すっかり忘れていた。

お茶が粉末茶だったのでがっかり。

静岡だから、ちゃんとした煎茶を期待していたのになあ。

 

温泉を諦めて、ちょっとがっかりしながら部屋に案内される。

狭いエレベーターのなかで、うちの息子に話しかけながらベタベタと触れる。

実年齢よりも幼く見えてしまう息子。

先日もどっかのお店で、高齢の店員さんから、

「ぼくちゃん、どうぞ!」って、ペロペロキャンディをもらったとかエピソードを聞かされた。

このおばちゃんも、きっと小学校中学年くらいだと思っていたのだろう、

話しかけ方が、小学校高学年や中学生向けではなかった。

見知らぬバアさんにベタベタ触られて、苦笑いして避ける息子。

「なあに?おばちゃんに触られるのイヤなの~。」

「かわいいから触るわよお~!」

そう言ってさらに触るバアさん。

苦笑しながら体をくねらせて嫌がる息子。

あーあ・・・と憐れんでその光景を見る自分。

 

部屋に着き、荷物を下ろす。

ご丁寧に、既に布団が二組敷かれていた。

ぐてっと横になる。

昨晩は寝るのも遅く、さらに今朝は早く起きて疲れた。

電車のなかでも一睡もしなかったし、しばらく布団のうえに大の字になる。

そして、楽しみにしていた夕飯を食べに食堂へと向かう。

さあて、見せてもらおうか!駿河の海の幸とやらを!!

 

ホッキ貝って北国のイメージなんだが、駿河でも獲れるのね。

それよりも静岡なんだから、もうちっとワサビ盛りませんか?

 

広い食堂の中央付近に自分たちの食卓が用意されていた。

他のテーブルにも別の宿泊客が座って既に食事をしていた。

どうやら自分たちが最後だった模様。

自分たち含め4組。

・・・って、宿泊客こんだけなの?

建物の大きさの割に部屋数少ないのね。

そう思っていたら、パーテーションの向こうでワイワイと子どもらの騒ぎ声。

同時に子どもらを叱る、ドスの効いた低いおっさんの声。

団体客も居た。

 

カサゴの唐揚げ。

太い背骨と頭の眉間、目ん玉のガラス体以外、ぜんぶ食べたった。

美味かったけれど、うちのお母んが揚げるアラカブの唐揚げの方が美味い。

 

既に並んだ料理を見やる。

よせ鍋,刺身盛り,鰆の焼き,カサゴの唐揚げ,茶碗蒸し,貝汁,etc・・・。

確かに海の幸多めだが、そこまで駿河感がない。

まあ、スタンダードな料理プランだからこんなものか。

奥のテーブルに座っていた若いカップルは、サザエやアワビを焼いていた。

そうそう、予約する際、その料理プランも載っていたが、プラス4,000円くらいだったのよね。

サザエとアワビ、あとボタンエビだったかな。

それだけで4,000円プラスだと割高に感じてやめた。

どうせ翌日には沼津港へ行くんだから、浜値でそれらを食べたほうがずっと安いと思ったからだ。

 

しかしだ、こっちが食事をしている間じゅう、やかましいパーテーションの向こう側。

「自分で注いだ分は残さずに食べろよ!」

「好き嫌い多すぎなんだよ、なんで野菜食べられないの?」

「黙って食えよ!家でもふざけて食べてんのか!?」

「観光で来てんじゃないんだぞ!?」

「そんなんだから、シュート決められねえんだよ!」

ドスの効いたおっさん、でかい声で子どもらを叱りまくってやがる。

パーテーションで仕切られているので、その様子を目視することはできないが、

そんなおっさんが、やかましく叱っているにも関わらず、

ガキどもは あまりそれを聞いちゃあいないようだ。

まあ、騒ぐなだの、うるさいだの言って子どもたちを叱っているが、

お前が一番うるさいよと。

 

少年サッカークラブか何かか?

遠征試合か合宿で、泊まりがけでよそから来ているって感じかな?

パーテーションから出てくる子どもをみると、らしきジャージ姿だ。

ということは、あのドスの効いた声のおっさんは、コーチってところか。

ひとりの、ひょろっとした少年が食堂から出て行った。

トイレらしい。

しばらくして戻ってきたものの、食卓には戻らず、食堂の入口付近で別の子に何か耳打ち。

その子がコーチらしき ドスの効いた声のおっさんに報告。

「えぇ!吐いたって!? 便器汚したままなんだろ!?」

「他のお客さんも使うのに、そのままにしてんじゃねえよ!まったく迷惑を考えろ!」

他の客のことを考えるのならば、まずはテメエだろうがよ!

ゲロだの便所だの、そんな汚い光景を逐一明確に、

食堂全体に聞こえるようなでかい声で喋ってんじゃねえよ!

こちとら食事中なんだよ!

 

ちょっと迷惑な団体客も居たけれど、美味しく料理をいただいて、風呂へ―。

既に19:00を過ぎていたので、温泉の大浴場は女性専用になっている。

仕方なく小浴場へと向かう。

こっちは温泉ではない、ただのお風呂。

しかも、かなり狭くて湯船もちっちゃい。

自分ら親子の貸し切り状態だったので、それでも伸び伸びと湯につかることができた。

温泉じゃなくても、広い風呂だとリラックスできていいわ。

 

沼津の夜景。

けっこう静かな街なのね。

自分の住んでる田川の方が田舎だけど喧騒だ(暴走族とか)。

 

部屋に戻る。

テレビを付けてチャンネルの多さにビビる。

福岡じゃ7つしかないのに、10以上あったような・・・。

あんだけ料理食べたけれど、なんとなく物足りない。

お菓子かパンか、なにかつまみたい。

それに飲み物が欲しい。

窓際のテーブル脇には小さな冷蔵庫。

なかにはキンキンに冷えたビールやジュース、ウーロン茶が入っている。

しかし、誘惑に負けてこれらに手を出すと、チェックアウト時にすごい請求されるんだよな。

コーラ1本300円とか、ふざけろ!って・・・。

そんなわけで近くのコンビニまで買い出しに行くことにした。

 

外出する際は、フロントに鍵を預けなきゃいけない。

ところが、フロントのおばちゃん不在。

ベルを鳴らしても出てこない。

先客で着飾ったおばあちゃん3人組も待っていた。

「ゴリラじゃないよ、あれはあれよ、アフリカにいるの、ほら、オランウータンじゃない?」

「ああ、そうか、オランウータンかあ。」

何の会話だ?と思ったが、ばあさん達の視線の先に、木彫りのサルが連なった飾り物。

それは、どう見てもニホンザルなんだが?

どこがオランウータンだよ?

あと、オランウータンはアフリカじゃなくて東南アジアだぞ。

 

この晩に飲み食いしたもの。

 

ホテルから最寄りのコンビニまで徒歩5分。

山梨の美味そうなスパークリングワインが売られていた。

飲みきりサイズのミニボトル。

車で来てるわけじゃないし、息子との父子水入らずの旅行。

友人と一緒とかで騒ぐわけでもなし。

アルコールもよかろう?

そんなわけでスパークリングワインを2本購入。

ワインのあてはチョコレート。

旅館へ戻り、まったりとテレビを観ながらワインを飲む。

自宅以外で初めてアルコールを飲んだ。

沼津の夜は静かでよかった。

田川だと暴走族やら緊急車両やら、やかましいからなあ。

 

 

かまぼこ。

この近辺だと、小田原がかまぼこで有名だよな。

 

しらす。

地で食べる釜揚げしらすは美味かった。

 

翌朝、着替えて食堂で朝食。 

湯豆腐,かまぼこ,しらす,佃煮,味噌汁,そしてメインのアジの開き・・・。

アジちっちゃ!

"当ホテルでは朝食に沼津名物の干物をお出ししております"

そんなことを自慢気にアピールしていたが、いや確かに干物だけどさ、

頭から尻尾まで15cmあるかないかのサイズ。

小さ過ぎんだろ。

 

アジの開き。

思いのほか小さかった・・・。

 

まあ、サイズ云々は置いといて、昨晩の夕飯よりは駿河感はあった。

釜揚げしらすをごはんに乗せて、疑似しらす丼にして食べた。

昼には、沼津港で、もっと美味い本物のしらす丼を食べるぞ!

朝食を終えて、身支度を整えてチェックアウト。

事前にフロントのおばあちゃ・・・いや、おばちゃんに、

沼津港まで歩いてどれくらいか訊いていた。

まっすぐ行けば40分くらいとのこと。

ただ、まっすぐ向かうのではなく、海岸沿いを通って駿河湾を眺めながら歩いた方がいいよ!

そうアドバイスしてくれたので、せっかくなのでまっすぐに港を目指さず、

海岸沿いまで向かい、それから海岸に沿って港を目指すことにした。

 

沼津のご当地マンホール蓋。

駿河湾と富士山と松の木と、この花はハマユウかな?

 

海岸沿いの路地で見つけた、戦国武将、福島正則ゆかりの史跡。

小田原城攻め,北条征伐の際、この地の味方陣に立ち寄り、

そのときに、この大きな石を持ち上げて味方の士気を上げたという。

 

旅館を出て住宅街を抜ける。

車や自転車があり,プランターに花が植えられ、洗濯物が干されたりした、

生活感あふれる、ごくごく ふつうの住宅街。

だが、その路地の先には、でかい富士山がドーンと見える。

ふだんの生活の光景に富士山があるってのは、なんて凄い光景だろうか。

歩きながら、そう感動していたものの、地元のひとには当たり前で何でもないことなんだろうな。

  

沼津港からは遊覧船らしき船も出ていた。

 

しばらく歩くと、海岸沿いの道へと出た。

堤防があり、砂浜。

遊歩道が整備されていて、そこをひたすら北上する。

駿河湾の眺望も素晴らしく、イヌの散歩をするひと、ジョギングするひと、さまざま。

パネルバンが止まっていて、その荷台でシャレたカフェなんかオープンしていた。

海ではボードセーリングを楽しむ団体も。

釣りをしているひとも居たが、若くてオシャレできれいな女性が釣りをしている光景も!

何年か前から、"釣りガール"なんて言葉を耳にしていた。

フィッシングマガジンや、釣り番組で見たことはあれど、実物は初めて見たわ。

 

 

駿河湾の のどかな光景。

 

釣りガールが数人居た。

 

立派な松の木。

 

しかし・・・海岸沿いを歩くと、思った以上に時間がかかった。

途中、岸壁で道が途絶えている場所なんかがあり、仕方なく引き返したり、

また港の手前に一本大きな川があり、入江のような地形になっていたため、

すぐ先に港が見えていても、2・3kmも大回りしなきゃならかったりと、

予定よりもずいぶんと時間がかかってしまった。

歩くことが好きなので自分はそれでも苦にならなかったが、息子はへばっていた。

けっきょく旅館から港まで、どれくらいの距離を歩いただろうか?

2時間近く歩き、沼津港に到着したのは、午前11時過ぎだった。

 

沼津港の飲食店街が立ち並ぶ通りの入口。

 

日曜日の沼津港。

大勢の観光客でにぎわっていた。

ちょうどお昼前だったので飲食店には列ができていた。

そして、ひときわ長い列を発見。

それが、この日の目的である、沼津港深海魚水族館の入館待ちの列だった。

うわぁ・・・並ぶのは嫌いだけど、沼津に来てここに入らないでは帰られない。

仕方なく最後尾に並ぶ。

が、すぐに後ろにもどんどん人が並んで最後尾がずれていく。

もうすぐ、深海生物に会える!

そう思うと、しばらくの順番待ちもどうということはない。

 

つづく。

 

 



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