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食べる女

2019-01-08 12:12:58 | 映画

昨年秋に観た映画、小泉今日子鈴木京香ほか主演のドラマ、“食べる女”。

原作は筒井ともみ氏の同タイトルの小説。

キャッチコピーは、“女たちよ、もっともっとおいしくな~れ。”

だらだらと記事にしないでいたら、観た映画がたまっていき、

けっきょく記事にすることなく年を越してしまった・・・。

 

 

なんだかよく判らないが、シンプルでインパクトのあるタイトル。

豪華女優陣が多数出演のオムニバス的な内容なのか?

予告編には、その女性たちが美味しそうに料理を口にするシーン。

広瀬アリスや、沢尻エリカ、それに数年前の連ドラ、マッサンのエリー役だった、

シャーロット・ケイト・フォックスまで出演ってことで、こりゃあ豪華なキャスティング。

食べ物がテーマの映画ってのも興味大。

公開されてすぐに観に行った。

 

 

東京のとある場所、古書店を営むトン子(小泉今日子)、

作家でもあるトン子を担当する、出版社の編集者、ドド(沢尻エリカ)、

トン子の幼馴染みで小料理屋を営む、美冬(鈴木京香)、

それにドドの飲み仲間であり、美冬の店の常連でもある、多実子(前田敦子)。

それぞれの接点で4人はトン子の家に定期的に集まり、食べ飲み会が始まる。

 

美冬のオリジナルレシピで作られた、おいしい料理。

それをガツガツ食べて舌鼓を打ち、その後はお酒が入る。

女4人、男の悩みを吐露する者、それを聞く者。

ケチのつけようがない彼氏からプロポーズされた多実子。

だが、相手が無難過ぎて、イマイチ乗り気になれない。

ドドはしばらくご無沙汰で、欲求不満気味。

美冬に至っては、バイトに来た若い男を片っ端から食べてしまう、あっちの方は超肉食系。

 

 

飲み足りない多実子は、行きつけのバーに。

そこのママ、珠美(山田優)にも愚痴をこぼす。

珠美は離婚していながらも、その相手の子を身籠っていた。

しかもその相手もまだ、仲良く一緒に店をやっている。

珠美は自慢の自家製ピクルスを出しながら、

多実子の愚痴を聞きつつ、自身の説明のしようがない、

元夫のマスターとの複雑な男女関係を明かす。

 

 

キャリアウーマンとして自身でマンションを購入し、女ひとりで生きていける!

しばらく男とご無沙汰で、そう息巻いていたドドだったが、

偶然出会ったさえない中年男、タナベ(ユースケ・サンタマリア)。

当初 敬遠していたが、半ば強引に家に来られ、そこで振舞われた彼の手料理を口にしてから、

どういうわけか彼を受け容れ、自ら酒にベッドに誘ってしまう。

タナベの料理を満喫し、そして男も味わい、食欲も性欲も満たすのだった。

 

 

アメリカ出身の新妻、マチ(シャーロット・ケイト・フォックス)は料理がまったくできない。

いつも冷凍食品をチンして夫に出していた。

夫の修治(池内博之)は、そんな料理にうんざりし、ある日、離婚を告げられる。

愛する夫に捨てられたマチは、かばんひとつで家を出て、アテもなくさまよう。

たどり着いたのは、美冬が営む小料理屋。

そこで味噌汁をすすって感激したマチは、

美冬の元で見習いとして働き、料理を覚える決意をする。

 

珠美のバーでは、常連客の若い女が泥酔していた。

アパレル店員のあかり(広瀬アリス)。

またも男に都合よく利用されて捨てられたとか。

自分が安くて手軽なひき肉のようだといい、ステーキのような恋がしたい!と叫ぶ。

だが、その帰り道、またも酔った勢いで見知らぬ男を部屋に招き入れ、

気付けばセックスして朝が来ていた・・・。

そうしてその相手にまた、自分の得意なひき肉料理を振舞う。

 

 

シングルマザーで二人の子供を育てるツヤコ(壇蜜)。

ある休日の朝、手作りのサンドイッチを作り、

自分と子どもを捨てて、他の女の暮らしだした元夫の元へ、

だが、子ども二人を連れてきても、元夫はツヤコを門前払いする。

けっきょく母子三人でピクニック。

健気な二人の子どもを見て、思わず涙するツヤコ。

 

年齢も職業も異なる、8人の女性。

複雑な家庭の事情を抱えるもの、深刻な欲求不満にあるもの、

それぞれが、おいしい食べ物を口にして、

おいしいお酒を飲み、そしておいしい恋愛とセックスも。

悩みながらも食を楽しみ、前向きに生きていく―。

 

 

イマイチだったかな。

オムニバスっちゃオムニバスなんだけど、ところどころリンクしていて、

それがまとまりなくって、どうせなら完全にオムニバスにした方が良かったんじゃ?なんて思った。

脚本がまずかったのかな?

物語の構成がなんだかすっきりしなかった。

 

豪華女優陣の共演は良かった。

のっけから、小泉今日子,鈴木京香,沢尻エリカ,前田敦子の4人が集まり、

食べるわ食べるわ・・・その食べるシーンのインパクトは凄い。

一応調理するシーンもあれど、食べるシーンの方がメイン。

タイトルがそうなのも納得する。

 

 

そして食べるシーンと同等にインパクトがあるのがセックスシーン。

帰宅した夫にいきなりレイプばりに乱暴にセックスさせられてしまう、シャーロット・ケイト・フォックス。

夫役の池内博之に乱暴に一方的にやられてしまう・・・連ドラヒロインが、なんてこと!

沢尻エリカの唐突なセックスシーンも凄い。

しかも相手は、ユースケ・サンタマリア。

欲求不満だと女性は、こう乱れてしまうものなのか?

でもって広瀬アリスのセックスシーン。

妹はこんな濡れ場は、まだやれないよね。

 

メインテーマが食なので、劇中たくさんの料理が登場する。

料理の描写は良かったけれど、なんだろう?

凝り過ぎていたり、あまり身近でない食材だったりして、イマイチ シズル感を覚えなかった。

一番食欲をそそられたのは、やっぱりラストの卵かけご飯だろうな。

どんなに良い食材使ってたって、ダシから下ごしらえから手の込んだ料理を作ったって、

けっきょく卵かけご飯には敵わない!なんてふうにも捉えてしまった。

 

 

個人的に一番美味そうに映ったのは、

突然、美冬の小料理店に現れた修治に、マチが無言で差し出す小鉢。

堅茹でのブロッコリーに削りたての鰹節、そしてだし汁をかけただけのもの。

それを良い音立てて、これまた無言でパク付く修治。 

ブロッコリーが好きってのもあるけれど、やっぱりシンプルなものほど掻き立てられるものがある。

あと、池内博之の些細な演技が巧すぎる。

どのシーンもそうだったけれど、役者さんたちの食べる姿が良かった。

 

その役者陣、主演級の女優さんばかりなので、特に違和感もなく。

山田優も前田敦子も完全に女優さんになっているし、

シャーロットさんはエリーの時の健気な可愛さを保ったまま。

あのくりっとした大きな瞳から、ポロポロと無言で涙こぼすシーンなんてたまらなかった。

 

 

強烈な濡れ場も披露してくれた、沢尻エリカと広瀬アリス。

沢尻エリカなんて、数年前の騒動が何だったの?ってくらいの体当たり演技。

広瀬アリスもそれに負けない演技。

妹の方がちやほやされているけれど、やっぱり自分はおネエちゃんの方が好き。 

 

壇蜜は映画で、というかお芝居は初めて観たけれど、あの方はあのままなんだろうなあ。

元夫のことを忘れられずに、二人の子を思う母のつらさがひしひしと伝わって来た。

自分の元妻みたく、スパッと切っちゃえばラクなんだろうに・・・。

 

 

そしてこの映画でもっとも注目すべきキャスティングが、勝地涼

映画公開前に前田敦子と電撃入籍!できちゃった婚だ。

もう間違いなくこの映画共演が縁になっている。

で、どんな役だったかというと、小学校教師でありながら、実はオネエ。

珠美のバーの常連客でもあり、前田敦子演じる多実子とも馴染みという設定。

オネエなので、バーの若い男に惚れていて、女性の多実子はただの飲み友達。

ユースケ・サンタマリア演じるタナベと、池内博之演じる修治と、

女性陣に放置された男三人で盛り上がっていた最後は笑えた。

 

原作を読んでいれば楽しめたかもしれない作品。

キャラが錯綜し過ぎていて、もっと削ってもいい部分があったと思う。

子役の女の子の、世界中気ままに旅する母のエピソードとか要らないと思う。

その子が父親ではなく、不在母の恋人と同居とか、トンデもない設定だし、

壇蜜演じるツヤコの娘がその子と親友だったり、

その子たちの小学校の担任が勝地涼だったりと、

各キャラ微妙につながり持たせてあるもんだから、観ていてちょっと混乱を起こす。

やっぱりもうちょっと整理すべきだったんじゃなかろうか?

 

 

 



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