Q.成分栄養剤とはどのようなものですか。
A.成分栄養剤は、ほとんどの栄養剤が消化(分解)された形になっているものです。消化された栄養素は消化管に負担をかけずにそのまま吸収されるので、腸管に炎症がある場合も効率よく栄養を補給することができます。
たんぱく質を例にくわしく説明しましょう。たんぱく質を多く含む食品(肉や魚、大豆、卵、乳製品など)を食べると、アミノ酸またはアミノ酸が2~3個結合したペプチドにまで消化してから体内に吸収しますが、クローン病の人は、たんぱく質の一部がそのまま吸収されると考えられています。
小腸は、体に必要な栄養素は摂取しますが、有害な物質は体内に入らないように見張る賢い臓器です。小腸の壁は細かい網のようになっていて、必要なものと、そうでないものとをふるいにかけているのです。
しかし、クローン病の人の腸壁は目があらいとイメージしてみてください。そうすと、まだ充分に消化されていない栄養素(たんぱく質など)がそのまま体内に入りやすくなります。消化されていない栄養素は、体内で異物と認識されて攻撃対象となり、腸に炎症が起こる、と考えられています。
その点、成分栄養剤は、たんぱく質が完全に消化されたアミノ酸なので、体内にとり入れても異物とまちがわれず、腸管の安静が保てると考えられています。また近ごろは、クローン病に対するアミノ酸の効果も報告されています。そのほか成分栄養剤に含まれる栄養素は、炭水化物はデキストリン(炭水化物をさらに細かくしたもの)にまで消化されています。また、脂質は大豆に由来するもので、ビタミンは11種類、ミネラルは14種類入っています。
Q.潰瘍性大腸炎およびクローン病の人が一日に必要とするエネルギー量はどのくらいですか。
A.一日に必要なエネルギー量は、理想体重(標準体重)に対する必要エネルギーkcalとして求められます。
理想体重は、身長(m)2 X 22で算出します。身長が170cm(1.7m)の人は、1.7 X 1.7 X 2.2=63.6kgとなります。緩解期の潰瘍性大腸炎およびクローン病(以下IBDと略す)の人の一日に必要なエネルギー量は、理想体重1kgあたり約40kcal(一般の成人は28~30kcal)なので63.6 X 40=2544kcal。つまり身長170cmの人は、一日に必要なエネルギー量は2544kcalになります。事務所など激しい動作を必要としない場合や、炎症がないときは、体重1kgあたり約35kcalでもいいでしょう。
A.成分栄養剤は、ほとんどの栄養剤が消化(分解)された形になっているものです。消化された栄養素は消化管に負担をかけずにそのまま吸収されるので、腸管に炎症がある場合も効率よく栄養を補給することができます。
たんぱく質を例にくわしく説明しましょう。たんぱく質を多く含む食品(肉や魚、大豆、卵、乳製品など)を食べると、アミノ酸またはアミノ酸が2~3個結合したペプチドにまで消化してから体内に吸収しますが、クローン病の人は、たんぱく質の一部がそのまま吸収されると考えられています。
小腸は、体に必要な栄養素は摂取しますが、有害な物質は体内に入らないように見張る賢い臓器です。小腸の壁は細かい網のようになっていて、必要なものと、そうでないものとをふるいにかけているのです。
しかし、クローン病の人の腸壁は目があらいとイメージしてみてください。そうすと、まだ充分に消化されていない栄養素(たんぱく質など)がそのまま体内に入りやすくなります。消化されていない栄養素は、体内で異物と認識されて攻撃対象となり、腸に炎症が起こる、と考えられています。
その点、成分栄養剤は、たんぱく質が完全に消化されたアミノ酸なので、体内にとり入れても異物とまちがわれず、腸管の安静が保てると考えられています。また近ごろは、クローン病に対するアミノ酸の効果も報告されています。そのほか成分栄養剤に含まれる栄養素は、炭水化物はデキストリン(炭水化物をさらに細かくしたもの)にまで消化されています。また、脂質は大豆に由来するもので、ビタミンは11種類、ミネラルは14種類入っています。
Q.潰瘍性大腸炎およびクローン病の人が一日に必要とするエネルギー量はどのくらいですか。
A.一日に必要なエネルギー量は、理想体重(標準体重)に対する必要エネルギーkcalとして求められます。
理想体重は、身長(m)2 X 22で算出します。身長が170cm(1.7m)の人は、1.7 X 1.7 X 2.2=63.6kgとなります。緩解期の潰瘍性大腸炎およびクローン病(以下IBDと略す)の人の一日に必要なエネルギー量は、理想体重1kgあたり約40kcal(一般の成人は28~30kcal)なので63.6 X 40=2544kcal。つまり身長170cmの人は、一日に必要なエネルギー量は2544kcalになります。事務所など激しい動作を必要としない場合や、炎症がないときは、体重1kgあたり約35kcalでもいいでしょう。